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「イエスは本当の情報をお伝えになった」20191222

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「イエスは本当の情報をお伝えになった」2019年12月22日

聖書 マルコ 一章十五節

 

 巷(ちまた)では、「もっとクリスマスしよう」という、キャッチコピーが流れています。クリスマスは、まるで商売の神様のお祭りのようです。

 けれども、本当は、福音(喜べる情報)を教えてくださったイエスが、お生まれになったことを喜ぶ誕生祭がクリスマスです。

 教会が初めにクリスマスをしたのは、四世紀の後半です。その後、千六百年以上も続けられて来た祭りを今日は皆様とご一緒にお祝いします。

 私たちは、イエスが誕生なさったことを中心に、祭りを楽しみましょう。

 ところで、二千年以上も前に、イエスが誕生なさった頃の人々の暮らしって、どんなものだったんでしょう。

 ちなみに、イエス・キリストは氏名じゃありません。

 イエスは、キリスト(選ばれし救い主)です」という、教会が告白した言葉です。

 選ばれし救い主を、ヘブル語ではメシア、ギリシャ語ではキリストと呼びます。

 多くの人は、力強い救い主が助けてくれると思っていました。救い主はダビデの子孫から出てくる、とユダヤの人々は考えていました。しかしイエスはダビデの子孫でも、王でもありません。

 

【絵本じゃわからないイエスの誕生】

 二千十数年前、イエスと名づけられる子供が生まれました。イエスは、望まれて生まれて来たんじゃありません。マリアは未婚の母です。

 マリアの婚約者ヨセフは、マリアを守るために、二人だけで旅立ちました。そしてマリアは旅先でイエスを生んだんです。

 二人を迎え入れてくれる家は、ありませんでした。二人は、家畜小屋の片隅を借りて、そこで、マリアはイエスを生んだ、と書かれています。

 絵本にすると、綺麗な世界です。でも、現実はそんなもんじゃなかったはずです。

 降誕劇には東方から来た三人の博士が、王様のような立派な衣装を着て、贈り物を持って登場します。けれども、東方の星占師は、ユダヤ人から軽蔑されていたはずです。

 また、降誕劇には、天使のお告げを受けた羊飼いたちも、飼い葉桶に寝かされたイエスの下に登場します。彼らも、軽蔑された職業の人でした。

 イエスの下に集まって来たのは、ユダヤの知識階級からは人間扱いさえていない人々、つまり、社会から、いじめられていた人々でした。

 そんな人々のためにイエスはお生まれになったということを教えるために、イエス誕生の物語は、書かれたんでしょう。

 このように、イエスのお誕生祭りであるクリスマスが、世界中に広がったのは、プレゼントすることを多くの人が喜ぶからです。

 しかし、もっと根本にあるのは、すべての人が必要としている、正しい情報を教えてくださったイエスが、お生まれになったことを、世界中で多くの人が喜んでいるからです。

 今日の説教のために、ぼくが選んだ聖書の言葉は、『「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」とイエスはおっしゃった。』です。クリスマスに直接には関係ありません。

 じゃあ、どうして、そんな言葉を選んだのか、と言えば、二千年以上も前にお生まれになったイエスが、現在の皆様にも、お伝えなさりたい言葉だからです。

 

【神の国が近づいた、の意味】

 「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」とイエスはおっしゃいました。

 どんな意味なんでしょうか。ちょっと聴いただけではわからないかもしれません。どんな情報が隠されているんでしょうか。

 「神の国」って聞いて、どんなことを想像なさいますか。

 平和で、食べ物が美味しい、とか、よく眠れる、とか、勉強しなくてもいいとか、健康であるとか、嫌いな用事はしないでいいとか、働かなくていいとか、面白くて楽しいとか、いろんなイメージがあるでしょうね。

 「神の国」は「トップには神がいる」ということを表しています。言い換えれば、神以外にトップはいないと言えるでしょう。この言葉に隠された、本当の意味は、「どんな人間をも、支配者にしてはならない」ということなんです。

 つまり「どこかの誰かが、威張って支配している国じゃない」ということです。

 弱い人でも、苦悩している人でも、大切にされて、誰も威張っていない状態を意味します。

 簡単に言えば、「いじめのない世界」です。そんな、時代が近づいて来た、とイエスはおっしゃったんですよ。

 

【学校の教えと福音は違う】

 現実には、勉強が得意じゃない人にも、それなりに頑張って、上に向かって登らなきゃならないんだ、と学校で教えられます。病気や高齢化のために、元気じゃない人にも、それなりに頑張って、上に向かって登らなきゃならないんだ、と教えられます。

 幸せな暮らしを望むなら、登山家が、下から苦労して、山頂を目指して登るように、我慢して登らなきゃならないんだ、と教えられます。けれども、みんなが同じようにできるわけないんですから、みんなに同じことをしなければならない、と要求するのは、酷です。

 威張る人がいない神の国は、頑張って登って来い、と言うんじゃなくて、無理をしないでいい状況です。それが、向こうからあなたに近づいて来ているんだよ、とイエスはおっしゃったんです。

 強くてもいいけれど、弱くてもいい、あなたは、そのままの頑張らない状態のままで愛されているんだよ、とイエスは教えてくださったんです。これがイエスの福音です。

 

【みんな愛された経験を持っている】

 強い人も弱い人も、初めはみんな赤ちゃんだったでしょ。何もできなかったから、周りのみんなが助けてくれたでしょ。だからみんな生きているんです。みんなそんなふうに何もできないままで愛されたから生きているんです。だから、これが真実の情報なんです。

 できる人、できない人、いろいろあるんだから、助け合えばいいじゃないですか、それが強いイジメっ子が威張ってない神の国のイメージです。

 こんな簡単な事実を、イエスは教えてくださっただけなんです。

 「頑張る人だけ助けてやる」と威張っている人から教えられてきたために、多くの人は、そのままで愛されていることを忘れてしまっただけなんです。今生きている人はみんな、愛をいっぱい受けてきた経験者なんですから、ちょっと考えてみれば、イエスが教えた事実を理解できるはずです。簡単なことなんです。事実なんですから。

 

【愛されていることを思い出させる言葉】

 いじめられて、愛されていることを忘れていた人に向かって、「君の罪は赦された」とイエスは宣言して、愛されていない、と信じ込まされてきた心を自由にしました。イエスの言葉は、今も有効です。

 それほど大切な福音(嘘のない情報)を教えてくださったのがイエスです。

 イエスの教えを受けて、元気になった人々が世界中にいるから、イエスの誕生を、お祝いするようになったんです。

 どんな人でも元気になれる福音(嘘のない、真実でいい情報)をイエスは教えてくださいました。これが一番大切なプレゼントです。

 今日、ここに集まってくださった皆さんにも、イエスからのプレゼントが届いていますでしょうか。まだ受け取ってらっしゃらなければ、一刻も早く、イエスの福音を受け取ってくだるよう、おすすめします。

 

ユーチューブでも礼拝説教をご覧いただけます。

下記のリンクから↓ご覧下さい。

 

https://youtu.be/1E2uXnaUPvg

 

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