インフォメーション

2021-08-13 17:47:00

低コスト、低感染リスク。中華料理店で広がるQRコードメニュー【中華ビジネス戦記③】

2015年頃から中国で普及したQRコード決済やフードデリバリーのサービスが、コロナ禍をきっかけに日本でも急速に広がりを見せている。QRコードを読み取ってスマホから料理を注文する『QRコードメニュー』も、中国ではすでに多くの飲食店で利用されているサービスで、実はPayPayやNTTドコモのd払いのアプリ上にも同等の機能がすでに実装されているが日本での認知度は高くない。とはいえ、東京の中華料理店ではQRコードメニューを使う店が増えてきた。店、客にどんなメリットがあるのだろうか。

オンラインショッピング感覚で注文

JR山手線御徒町駅からほど近いところにある、中華料理のお店羊貴妃羊湯館(ヨウキヒヤンタンカン)もQRコードメニュー導入店だ。テーブル席に貼ってあるQRコードをスマホのカメラで読み取ると、ブラウザが起動しメニューが表示される。画面右にある「+」をタップするとカートに料理が入り、「注文」をタップするとオーダーが通る。しばらくすると美味しそうな羊肉料理が運ばれてきた。

Amazonや楽天市場でオンラインショッピングをするような操作性で、食べたいメニューをスマホから注文できるのがQRコードメニューだ。

テーブル席のQRコードをスマホで読み取るとブラウザにメニューが表示される
スマホから頼んだ羊肉料理

中国では既に普及、日本でも有望なQRコードメニュー

実はこの羊貴妃羊湯館の運営会社は、飲食店POSシステムやITシステムの受注開発を手掛ける株式会社アミストロング。同社はITシステムを開発する傍ら、上野・御徒町で中華料理店を2店舗運営している。

アミストロング社の取締役 橘さん(遼寧省大連出身)によると、これまで飲食店向けの決済システムやタブレット端末を利用したメニューを開発、提供していたが、中国では一般的になっているスマホからQRコードを読み取って注文できるメニューが、コスト削減の観点から日本でも将来的に普及する可能性があると感じ、開発を始めたという。

アミストロング社 取締役の橘さん

中国のQRコードメニューはLINEのようなメッセンジャーアプリ「 WeChat」でQRコードを読み取って注文から決済まで完結するが、アミストロング社のQRコードメニューは日本国内の中国人だけでなく日本人のお客さんにも使ってもらえるよう、ブラウザからでも快適に動作するよう開発されている。現在はメニュー機能のみだが、将来的にはスマホ決済にも対応したいという。中国人がメイン客層になっている日本の中華料理店では、中国語のみに対応したQRコードメニューを提供する店舗も増えている。だが橘さんは「これらのシステムの多くは、中国国内の企業にシステム開発を委託しているため、WeChat上だと正常に動作するが、ブラウザからだと注文がうまく入らないなど動きが悪いケースが多い」と指摘する。

注文のコスト大幅減、メニューの変更も簡単

日本ではタブレット端末を使ったメニューも一般化してきたが、QRコードメニューだと店舗側が端末を設置する必要もなく、初期費用だけでなく毎月のランニングコストも大幅に抑えられる。QRコードメニューにすることで、ホールスタッフの人数を減らせるだけでなく、お客さんと店員の接触を減らせるのもコロナ禍ではメリットになる。メニューの中身の変更や、品切れ時の表示も紙のメニューよりも楽に切り替えができる。

一方で、スマホの利用に慣れていない年配の顧客層に対しては、注文方法の説明等のフォローアップが必要になるため、顧客の年齢層が高い飲食店では導入までのハードルが高いかもしれない。

2020年以降、QRコードメニューサービスを提供する日本の企業も増えている。冒頭でも述べたPayPayやNTTドコモのd払いに加え、リクルートが提供するAirレジハンディやUSENのUレジMobile Order、新規参入しているスタートアップ企業は他に10社以上あり、黎明期だ。QRコードを読み取るタイプではないが、マクドナルドもテーブルオーダーができるスマホアプリをすでに全国展開している。

コロナ禍でお客さんと店員さんの不要な接触が回避できる点や、店舗の運営コスト削減が期待できるQRコードメニューは、スマホネイティブ世代がメイン客層の店舗から導入が進みそうだ。

この連載では、人気ブログ「東京で中華を食らう」を運営する阿生さんが、日本の中華料理店事情をビジネス面から紹介します。

阿生:東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng

低コスト、低感染リスク。中華料理店で広がるQRコードメニュー【中華ビジネス戦記③】 | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

 


2021-08-13 17:45:00

代替タンパク市場に勢い 将来の1兆元市場に投資家も注目

【新華社北京8月4日】低炭素時代はさまざまなビジネスと投資の機会を育む。代替タンパク食品もその一つで、今後十数年で巨大市場への成長が見込まれる。ネスレやダノン、カーギルなど世界の食品・穀物大手も既に参入しており、目先の利くプライベートエクイティ(PE)ファンドも相次ぎ投資を試みている。

韓国大手財閥SKグループの投資会社SKホールディングスはこのほど、中国パソコン大手の聯想集団(レノボグループ)の持ち株会社、聯想控股(レジェンド・ホールディングス)傘下で農業・食品分野の投資を担う佳沃集団と、代替タンパク食品ファンド設立に関する了解覚書を締結した。双方は1千億ウォン(1ウォン=約0.1円)規模のサステナブル(持続可能な)フード投資ファンドを設け、成長著しい代替タンパク食品市場で主導権獲得を目指す。

SKが約180億ウォンを出資し、残りは佳沃集団、その他の中国食品企業、中国政府系ファンドが出資する。植物肉メーカーと発酵食品スタートアップに投資し、中国の代替タンパク食品市場の成長を促す。

代替タンパク投資を専門とする香港のベンチャーキャピタル「レバーVC」で中国事業を統括する陳莉莉氏は、サステナブルタンパク質市場が巨大な潜在力を持ち、今後10~15年で1兆元(1元=約17円)規模に膨らむと予測。中国の代替タンパク市場には勢いがあり、技術や原材料、品目、ビジネスモデルで巨大なイノベーションの余地があるとし、スタートアップとエンジェル投資家いずれにとって大きなチャンスがあるとの見方を示した。

原文はこちら

代替タンパク市場に勢い 将来の1兆元市場に投資家も注目 | 36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

 


2021-08-07 23:22:00

今回は、「BCG流経営者はこう育てる」(4)について紹介しよう。

 

現代経営者の条件(27)

 

[3]経営者のア-ト系スキル①:強烈な意思

 

(1)何が何でも結果を出すという「強烈な意思」

 

 経営者が出すべき結果とは、「株主から預っている資本を使って事業を営み、株主の期待以上に企業価値を上げること。

 

・個性化されたバリュ-の創造

 

お客様に、競争企業では与えられない独自の付加価値を提供する。

 

・ビジネスモデルの確立

 

お客様からそのバリュ-の対価をきちんと得られる仕組みをつくる。

 

◎ドラッカ-(プロフェッショナルの条件)

 

 「ものごとをなすべき者の仕事は、成果をあげることである」

 

●高原慶一朗

 「いまどき流行らない精神論のように聞こえるかもしれないが、意欲は才能に勝つと私は思っている。事を成し遂げるのは人の“才”ではなく“意”である。才の不足は意で補えるが、意の不足は才で補えない」

 

●鈴木敏文

 

「熱意を持っている人は、自分にわからないこと、できないことがあっても、人の協力を得ながら課題を解決しようとするはずです。能力があるかないかの問題ではなく、そういう熱意があるかどうかです。」

 

(2)高志と責任感の両方が必要

 

●稲盛和夫

 

「会社には自己の夢の実現よりもっと大切な目的がある。それは将来にわたってスタッフとその家族の生活を守り、みんなの幸せを目指すことだと悟り、何か胸のつかえがス-ツととれた。」

 

●柳井正

 

「上場会社というのは、商売人ではなく、経営者がいる会社でないといけない。上場会社は社会的に認められ、社会的責任をまっとうしないといけない。」

 

(3)引き継ぐ者が存在する「意思」でなければならない。

 

 個人の力の限界を補い、結果を出し続けるためには、「組織として、集団の力で、価値を生み出す」というシステムを構築しなければなりません。

 

経営者のア-ト系スキル ①:強烈な意思(まとめ)

 

●「強烈な意思」の定義

 

経営者のア-ト系スキルの第1に「強烈な意思」がある。この石は、「事業において何が何でも結果を出すという意思」である。

 

●「強烈な意思」は必要条件

 

この「強烈な意思」があれば、他のスキルは、たとえ先天的に持ち合わせていなくても、習得できる。したがって「強烈な意思」は経営者としての必要条件である。

 

●「強烈な意思」の源泉

 

「強烈な意思」を持つためには、「高志」と「責任感」という、二つの源泉が必要である。この二つとも必要で、どちらかが欠けていてもいけない。

経営者の意思は、単なる利己的な意思(自分だけのための夢の実現)ではなく、利他的な意思(社員、お客様、株主、社会にとっての夢の実現)でなければいけない。

そうでなければ他者(社員、お客様、株主、社会)がついてこない。その結果、個人の力が限界を迎えたところで、企業の存在が困難になる。


2021-07-31 22:30:00

連載・外食トレンド コロナ禍で生まれた新・軽食ジャンル「0.7食」とは

2021/07/28 05:54 
有木真理(リクルート『ホットペッパーグルメ外食総研』上席研究員)

コロナ禍における
食生活変化の実態

 新型コロナウイルス(コロナ)の影響が長引くなか、人々の生活スタイルが一変してしまったことはみなさんもご存じのとおりである。 そうしたなか人々の「食」にも変化はあったのだろうか? ホットペッパーグルメ外食総研は調査によりその実態に迫った。

 最初に調査したのは「コロナ太り」についてだ。 「自粛生活やリモートワークで、通勤などの日常的な活動量と消費カロリーが減り、太った人が増えたのではないか」という仮説を基に調査を行った。

 結果、コロナ禍において「体型の変化があった」人は女性34.6%、男性27.2%だった。 その内訳を見ると、「太った」と回答した女性は24.5%、男性19.1%、「痩せた」と答えた女性は10.1%、男性8.1%で、「コロナ太り」をした人だけでなく、痩せた人も男女ともに一定数いることがわかった。 これは、日常的なカロリー消費が減った人もいる一方、自粛生活で自分の体と向き合う時間ができ、ワークアウトを日常的に取り入れたり、食生活を気遣うようになったりした人もいたのだと推測できる。 コロナ禍の体型変化についてはライフスタイル全般が影響していると考えられる。

 次に、コロナ禍が食生活に与えた影響について調査を実施した。 すると、食事回数または食事量に変化があったという人が約半数いることがわかった。 そこで「1日の食事回数」と「1回当たりの食事量」の増減を調査し、図のようにマトリクス化した。 変化のパターンで最も多かったのは「食事回数・量ともに減った」で15.9%だった。 ここにもライフスタイルの変化が影響していそうだ。

 図「1日の食事回数」と「1回当たりの食事量」の増減を調査結果のマトリクス

図「1日の食事回数」と「1回当たりの食事量」の増減を調査した結果のマトリクス

3食のうち1回は
「おやつ以上食事未満」に!?

「食事」はライフスタイルそのものと考えられる。 「1日3食」は、コロナ前のライフスタイルに合った食生活だったが、当然普遍的なものではない。 諸説あるが、もともと日本人は朝と昼とを兼ねた食事1回と、明るいうちに済ませる夕食の「1日2食」だったという。 しかし、夜遅くまで活動する習慣がついてからは朝食、昼食、夕食の3食になったと言われる。 このように、ライフスタイルの変化は食生活の変化に大きな影響をもたらしているようだ

リモートワーク生活では、昼食として「おやつ以上食事未満」のような軽食をとる傾向が増えるとも考えられる
リモートワーク生活では、昼食として「おやつ以上食事未満」のような軽食をとる傾向が増えるとも考えられる

 これをコロナ禍での生活に当てはめると、1日の過ごし方も大きく変わった結果、食生活にも大きな変化があったと考えられる。たとえば、自宅でのリモートワークでは通勤など移動を伴わないため、朝食後あまりおなかが減らない。となると、昼食として「おやつ以上食事未満」のような軽食をとる傾向が増えるのではないか?という仮説が立つ。

 

 そこで、「朝昼晩の食事量が多いと感じ、3食のうち1回はおやつ以上食事未満の軽食にしたいと感じますか?」という質問を投げかけたところ、約16%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答。ホットペッパーグルメでは、このような「おやつ以上食事未満」の軽食ジャンルにトレンドの兆しを見出し、「0・7食」と名付けた。

新たなトレンドの兆し!
「0.7食」の人気アイテム

 では「0.7食」において、どんなアイテムが人気なのだろうか? 

 「今後食べてみたいおやつ以上食事未満の軽食」について調査をしたところ、1位はフルーツ大福、2位はマリトッツォ、3位はフルーツサンドと、スイーツのなかでも比較的お腹にたまるものが上位にランキングした。

たっぷりの生クリームを挟んだスイーツ「マリトッツォ」は、食品スーパーやコンビニチェーンでも商品化され、一気にブームになった
たっぷりの生クリームを挟んだスイーツ「マリトッツォ」は、食品スーパーやコンビニチェーンでも商品化され、一気にブームになった

 カラフルな断面のインパクトが強いフルーツ大福、軽い食感の生地にたっぷりの生クリームを挟んだスイーツ「マリトッツォ」のほか、ぷるっぷるの台湾カステラなど、SNSで話題となっているスイーツが上位に顔を連ねており、ひきつづき「SNS映え」の影響がうかがえる。

 これらのメニューは専門店だけではなく、輸入食品を扱う食品スーパーやコンビニエンスストアなどでも販売され、気軽に手に入ることも異例の早さでブームになった要因の1つだろう。

 人々のライフスタイルの変化は、食生活に変化をもたらす。結果、新たに魅力的なアイテムが生まれ、人々の「食生活」がさらに豊かになることを心より願ってやまない。

【執筆者】

執筆者

有木真理(リクルート『ホットペッパーグルメ外食総研』上席研究員)
㈱リクルートライフスタイル沖縄の代表を務めるとともに、ホットペッパーグルメ外食総研の上席研究員として、食のトレンドや食文化の発信により、外食文化の醸成やさらなる外食機会の創出をめざす。自身の年間外食回数は300日以上、ジャンルは立ち飲みから高級店まで多岐にわたる。趣味はトライアスロン。胃腸の強さがウリで、1日5食くらいは平気で食べることができる。

連載・外食トレンド コロナ禍で生まれた新・軽食ジャンル「0.7食」とは _小売・物流業界 ニュースサイト【ダイヤモンド・チェーンストアオンライン】 (diamond-rm.net)

 


2021-07-31 22:18:00

中国「夜経済」の現状は

中国「夜経済」の現状は

(出所:iimediaより1元=16.5円で計算 同ソースでは2020年は対前年比+5%となっているが、報告実数を適用)

夜経済(ナイトタイムエコノミー)とは、夜6時から翌朝6時までの時間帯の経済活動を指す。

中国の夜というと、違法KTV(カラオケTV→転じて接客を伴うカラオケ店)や風俗といった「地下経済」のイメージを持つ読者もいると思う。

1980年代以降、各地で違法性のある店舗の開業と、取り締まりの「いたちごっこ」が行われてきたのも事実である。

2010年以降の中国は、国を挙げて飲酒関連事業だけでなく、様々な娯楽、地域の文化施設との組み合わせで「夜経済」の活動を展開し、消費拡大につなげようとしている。

コロナ後だから、この議論が起こっているのではない。コロナ前から夜経済効果については、国を挙げた消費拡大の施策として討議が行われている。

中国の夜経済は、2016年から20年までに、年平均17.9%の成長率をみせている。

中国は、コロナ発生から通常経済活動再開までの期間は、日本に比較して極めて短期間であった。とはいえ、2020年社会消費小売総額は39.2兆元(約647兆円)で前年比マイナス3.9%であった。

そんな中でも、2020年も夜経済市場が拡大した事は、非常に特徴的である。 

夜経済1.0版

夜経済1.0版

夜経済の始まりは、広東省広州市に1984年設立されたネオン街の夜市だ。これが中国夜経済1.0版と言われている。

個人屋台からレストラン、バー等の飲食街に発展。ショッピングセンターが建設され、その中には、映画、劇場の施設を導入。更に博物館など文化施設へと拡がっていった。

各地の都市でも広州と同様に、活発な夜間の商業活動が進んできた。

都市部での居住人口集中度が高まるにつれ、都市中心部の一日の経済活動を重視し、地域の住民、就業者、そして旅行集客、消費に繋げる動きが活発化していると言える。

訪日客頼みだった日本の「夜経済」

日本では、コロナ前の2019年 国土交通省観光庁は、「ナイトタイムエコノミー推進に向けたナレッジ集」を発行している。また、各地で推進するために観光地域つくり法人(DMO)の登録制度を進めている。(DMO =Domestic Management/Marketing Organization)

DMOに期待される役割は法人間の典型と役割分担を行い効率的な観光地域つくりとなる。(出所:観光庁ホームページより)

上記ナレッジ集では、ナイトタイムエコノミーを推進している例としてロンドン、ニューヨーク各経済規模は3.7兆円と2.1兆円と表している。

日本の場合は、夜経済を訪日外国人の消費拡大を当て込んだものと受け取れる。

残念ながら2020年以降状況は大きく変化しており、この戦略は見直さざるを得ない状況となっている。

政府の消費促進における夜経済の位置づけ

政府の消費促進における夜経済の位置づけ

2019年8月、国務院弁公庁は消費に関する2つの意見書を提示している。

  1. 「流通の発展加速化と、商業消費の促進を行う事に関する意見」(关于加快发展流通促进商业消费的意见)
  2. 「文化、旅行消費の潜在力を更に高めるための意見」(关于进一步激发文化和旅游消费潜力的意见)

1.は、20条の消費促進策と、それに伴う流通体制の発展を提示。この中に夜間のビジネスと市場の活性化が含まれている。

国家レベルの消費促進策のひとつが夜経済の拡大と言える。
                                 
要点は以下となる。

  • 主要商圏と特色あるショッピングストリートの開発
  • その為に文化、旅行、レジャー等のニーズと緊密な連動が必要
  • 営業時間の延長、深夜営業専用区、24時間営業店の充実
  • 更に「深夜食堂」等特色あるレストラン区の設置も検討
  • 夜の消費を促進する為に夜間交通整備、安全、環境整備の実施(発展改革委員会、工業情報化部、公安部、農業農村部、商務部、緊急部、税関総局、食品薬品監督管理局が担当部分の責任部署となる)

出典:中国中央人民政府HP

「深夜食堂」は、日本の同名TVドラマが中国でもリメイクされ、放送されている。

ドラマのタイトルを引用しているのかは不明だ。しかし、この記載により日本の夜消費についても興味、研究があったとも思われる。

この時点で各都市の試験区による夜経済整備状況が報告されていた一方で、政府の継続的な支持を求める声も出ていた。

夜経済の事業に資源投入し、その後新たな規制が出る事も恐れていた地域、企業があったためとみられる。

2.については、全体目標は文化、旅行領域における施設、消費環境及び伴うサービスの改善から消費拡大につなげる事にある。

11条になる意見のひとつに「休暇と夜経済(夜間経済)」があり、要点は以下となる。

  • 有給休暇の実施により、祝日以外の観光消費の拡大
  • 観光ピーク時の消費者動向把握により景勝地と周辺高速道路の接続及び管理強化
  • 安全確保等条件を満たす景勝地のナイトツアーサービスの奨励
  • 観光地でのディナー、ショッピング、舞台芸能、24時間書店の奨励
  • 2022年までに200か所以上の国家レベルのナイトタイム消費区の構築

出典:中国中央人民政府

これらの政策は2020年に本格化する予定であったが、中国でも20年上半期はコロナ禍により、延期を余儀なくされた。

再起動した夜経済2.0

再起動した夜経済2.0

コロナ禍を経て、中国の「夜経済」政策は再び動き始めた。

2021年初めに中国商業聯合会(中国商業全般管轄、民政部管理)が「2021年商業十大重点展望」を発表した。

毎年発表しているものであるが、第十四次五カ年計画初年であり、前年のコロナ後を受けての時期だけに注目された。各項目との連動する点があるが夜経済についても重点として提出している。

  • 現在、夜経済は都市経済の活力の重要な指標である
  • 夜経済は内需の拡大、市場繁栄、雇用創出等多くの効果がある。
  • 2.0版として単一業態のビジネスモデルから複数の業種業態との融合により各シーンでの販売拡大につなげ、都市間競争を進める

各都市で特徴ある夜経済モデル創りを進める事、これは都市部生活者だけでなく観光業として外部からの流入による消費拡大の為、各業態が連携し新たな消費シーンを創る事を求めている。

観光において夜間のコンサート、芸術活動以外に遊覧、博物館時間延長等文化活動の推奨でコト消費の場を増やし、これらと交通機関、外食産業、宿泊施設との連携(観る、遊ぶ、食べる、住む)により消費拡大を図っている。

ナイトツアー

中国大手旅行サイト「C-Trip」は2021年7月、旅行業+夜経済実績について「2021年上半期ツアー夜経済報告」を発表している。

夜の観光地入園料販売額は2020年上半期比469%、2019年同期比でも106%と大幅な増加を示している。

利用客は観光地周辺からが約40%、女性が53%、そして年代別では「90后」が34%、「80后」が29%、「00后」が12% で、合計75%を占める。

特に90后世代は、2019年比3倍、00后世代は同4.5倍と急増している。また親子での「夜遊び」も昨年比215%と大きな伸びを示している。 ロケーションは近場。若年層、親子連れ、女性の志向をつかむ事が必要ともいえる。

人気都市

C-TRIP社レポートではナイトツアー目的地トップ10は、洛陽、上海、深圳、 広州、西安、武漢、杭州、北京、三亜、成都であり、4月に新華社シンクタンク、テンセントWeShowが発表した「2020年中国夜経済に十大影響力ある都市」では、重慶、成都、長沙、青島、北京、西安、上海、深圳、広州、武漢となる。
                                        
両方から歴史的建造物、遺跡のライトアップ、3D映像組、夜景ショーアップ等中国伝統と新技術の組合せに飲食、購買行動を促している地域が多い印象を受ける。

夜経済と小企業活用

夜経済と小企業活用

2021年7月、前述の国家レベルの200か所の夜経済モデル区の建設につき、文化観光部から正式な通知が発布された。

各省(区、市)に8月13日を締め切りに、迅速に文化・娯楽・観光集積地を選定し、新たな消費モデルを構築するよう求めている。

また中国商業聯合会は夜経済において小店舗の活動に大きなポテンシャルがあると訴えている。

ここでの小店とは従業員10人前後、年商100万元以下(1,600万円)の小企業、またはEC営業額1,500万元(2.5億円)としており、地域社会に最終消費者へ供給する毛細血管的な役割と機能があるとしている。
       
消費者に近い業界である、外食産業について国家統計をみると、小規模企業の環境に変化がみられる。

2020年末で外食店舗総数は前年の712万から635万へと約11%の減少となった。

この外食産業は2021年1-6月で急激な回復を示しており、限度額以上の企業売上は2020年比+56.3%だが、外食全体の2020年同比は+48.6%となっており、小規模企業の回復は遅れている。 

国を挙げての夜経済活性化の背景

中国政府は、国内経済拡大に夜経済の再活性を掲げている。中国にが8,000万強の小企業があり、同従事者は約2億人と推測されている。

夜経済の振興は、コロナ後の回復が遅れている、小企業支援策の意味合いも強いと考えられる。

拡大続ける中国の「夜経済」 | Frontier Eyes Online by フロンティア・マネジメント (frontier-eyes.online)