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2023-06-01 09:24:00

【明日のフードビジネスへの展望】

【第192回】

「ポストコロナ時代のフードビジネス産業界の展望」を確立したならば、その実現に向かっては普通の「マネジメント・パワー」ではなかなか達成することができない。そこで不可欠なのは、「経営者のプロデュース化」であり、そのためには、「心構え」「企業方針の策定」「位置づけ」「個性化戦略」の確立を行うことである。

 

【経営者のプロデュース化】【1】

 一般的に「企業ミッション」や「企業戦略」を確立する場合、組織的には社長直属の「企画室」が担当することが多い。この場合、大企業だとコストをかけて「ビッグ・データ」を活用して、社会的経済的環境を分析して、今後を予測や創造をしている。しかし、コロナショックのような未曽有の「乱気流とカオスの時代」では、まったく機能しないことが証明されてしまった。この傾向は、過去の「乱気流とカオス時代」にもみられたことで、まったく懲りない現象が繰り返されている。

そこで、最近の「サクセィシブ・カンパニー」では、「トップ・マネジメント」自らが「企業ミッション」や「企業戦略」の「プロデュース(produce:制作の統括)」を行っている。なぜなら、「企画室」が悪いのではなく、「企業ミッション」や「企業戦略」は「企業ミッション」と同様に「経営者」自身の職務であり、「企画室」は「経営者」が適切に「企業ミッション」や「企業戦略」を確立できるように各種資料を準備や文章化する役割を担うことである。

この意味するところは、「企画室」は「経営者」ではなく、「経営者」自身が「方向性」を示すことが不可欠で、それに元づいて「企画室」が準備や文章化をするのが「経営者のュース化」なのである。

 

[1] 経営者のプロデュース化の心構え

「経営者のプロデュース化の心構え」を確立するならば、「企業の将来像」を描き、「経営者のプロデュース化」の意義を確定して、「名プロデューサー」としての位置づけを行うことである。

(1)企業の将来像を描く

 従来は、「ビジョン」という形で、売上高とか店舗数で表現し、あるいは途方もない「夢」を描くことが多かったが、これでは「経営者」の自己満足で終わっていることが多いのが現実の姿であった。

 しかし、最近の「サクセシィブ・カンパニー」では、自社の置かれる産業分野ばかりでなく、「日本企業の将来像」を「経営者」が描き、みずからが「企業の将来像」を実現するために、「プロデュース」を行っている。

しかも、みずからの「卓越したリーダーシップ」を発揮し、さらに、「スタッフ全員」に徹底させるために、「優れたコミュニケーション」を行って、会社全体が「日本企業の将来像」に向けて邁進している。

(2)経営者のプロデュース化とは

 「企業の社会的役割」「日本企業の将来像」、「企業ミッション」と「企業戦略」を確立するためには、「未来を具現化」することであるから、「経営者」自らが「プロデュース(produce:制作)」しなければ、絶対成しえない。

しかも、重要なことは、「企業戦略」は、「未来価値創造」をすることと、「企業戦略」は、一つでなく、複数確立することで、「乱気流とカオス時代」と「ポスト・コロナ時代」によって「企業戦略」を使い分けるスピーディさか不可欠なのである。

このためには、「経営者」の「創造性」が重要なのである。このためには、「現場重視型アプローチ」を駆使でき、お客様の「課題」の解決と「要望」の発掘を行い、「創造的破壊とイノベーション」ができるのは、「経営者」だけなのである。さらに、重要なことは、「経営者のフロデュース化」を実現できる豊富な「人財」がいることである。

(3)名プロデューサーになるためには

「経営者のプロデューサー化」ということは、「戦略家(プロフェッショナル)」ということに通じる。「企業の将来像」「企業ミッション」「企業戦略」を思考するということは、高い実現能力を持つ「戦略家」になるいということである。

 重要なことは、質の高い「プロデュース」の実現には、自己がみずから「現場重視」の基本的な考え方を重視し、さらに「お客様発」の「課題」の解決と「要望」の発掘と「お客様との参加・共創と企業のサプライスズ」の思想を持たなければならない。

多くの「経営者」は、「現場に聞いてもしょうがない」とか、「お客様に聞いても答えてくれない」という発言をしていることがあるが、これは傲慢な態度としか言えない。つまり、「お客様の本当の心」を把握していないので、「企業」と「お客様」は乖離してしまっているのに気づかない。

「経営者」が「名プロデューサー」になるためには、自らが「お客様」の「ウォッチング」と「インタビュー」をし、「お客様の参加・共創」をし、お客様に「サプライズ」を提供しなければならない。

また、「現場はお客様の代理人」であるので、その声を反映させないと、どんなに素晴らしい「企業の将来像」「企業ミッション」「企業戦略」を策定したとしても、絵に描いたモチにしか過ぎないという簡単なことが理解できていない。

このためには、「経営者」は「卓越したリーダーシップ力」と「優れたコミュニケーション力」を具備するとともに、「スタッフ」には「全員マネジメント戦略」と「エンパワーメント戦略」を具備させなければならない。つまり、こけこそ「共感経営」の真髄なのである。

 


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