インフォメーション

2016-09-24 17:46:00

食卓に並ぶ日本食と聞いて思い浮かぶ食材に、「納豆」は欠かせません。そんな昔ながらの日本の食卓の定番、健康食代表の納豆が、今その高い栄養価で海外でも注目を集めています。納豆の栄養価に魅せられた微生物学者が立ち上げたという納豆屋さんがニューヨークにできました。

失われた栄養を取り戻すためには、「納豆」が効果的

NewYorkTimesによると、ニューヨークのthe New Schoolで食品科学を教えている微生物学者出身のAnn Yonemoto氏は、「最も健康に良い微生物を含む食材」として、納豆の魅力をニューヨーカーたちに広めるために、昨年納豆の専門店『NYrture Food』を設立させたそうです。

 

これまでは、食材の中に含まれる微生物について、特に言及されることはありませんでした。

それがYonemoto氏のように、食材に含まれる細菌を除去することによって体内の身体にとって有効な微生物までも取り除いてしまっていると主張する研究者が増えてきたのです。

「食材は、以前はもっと新鮮で汚れを伴うものでした。それが今ではほとんど微生物の優位性を活かせていないのです」とYonemoto氏は語ります。

自らを「微生物の農場主」と名乗るYonemoto氏は、スプーン1杯に1000万もの有益な細菌が含まれると言います。

「特に納豆は多くの休止状態の細菌を含んでおり、それが体内に含まれると、細菌にとって適した環境である腸内で活躍を見せるのです」。

日本では昔から、発酵食品は健康にとって有益な微生物を多く含むとされてきました。

その代表格である納豆ですが、問題は、その「匂い」と「粘り」です。

子どもの頃から納豆を食べ慣れていない人にとっては、いくら日本の食材とはいえ、食べにくいものです。

そんなクセのある食材納豆が、果たして海外の人にどれほど受け入れられるのでしょうか

ER (救命救急) のスーパーバイザーであり、生物医学研究者であるDr. Ralph Holsworth氏は「納豆に含まれる酵素は血液中の繊維素と化学反応を起こし、赤血球の「べたつき」を軽減させ、動脈壁の中の脂肪性沈着物の構成を防止する働きを助ける」と言います。

そしてこれらの現象が心臓発作などの症状を軽くする可能性があるそうです。

また、納豆は骨にも良いとされ、ニューヨーク大学の教授であり医師でもあるDennis Goodman氏は、日本国内でより納豆を食べる東日本で行われた調査について言及し、それによると、東日本では骨粗しょう症の重度が目覚ましく低いということが示されています。

これは、骨にカルシウムを与えるビタミンK2による効果であり、「ビタミンK2は食材からの十分な摂取が難しく、納豆は必要な摂取量を満たす唯一無二の食材と言える。スプーン1杯の納豆は300ミクログラムのK2を含み、それは1日に必要とされる摂取量の実に7倍の量である」そうです。

科学的にその効果を立証するまでにはまだ時間がかかるようですが、納豆の持つ栄養ってすごいんですね!

先ほどの『NYrture Food』ではニューヨーク仕込みのレシピを紹介しています。

ニューヨーカーの手にかかると「納豆」が一気にオシャレに!

 

 

 

 

 


2016-09-21 23:21:00

SNSでイギリス好き&ビートルズ好きのみんなが決めた!本場で食べてみたい!ビートルズゆかりのイギリスグルメランキング発表!

Thursday 25 August 2016
 
 

ビートルズが1966年に来日し、武道館でコンサートを開催してから今年で50周年!それを記念し英国政府観光庁は、株式会社エイチ・アイ・エスとともに『どれを食べてみたい?ビートルズゆかりのイギリスグルメ投票キャンペーン』と題し、H.I.S.が運用するSNSのイギリス好きフォロワーの方々を対象(※1)に、ビートルズゆかりのリバプールロンドンにあるグルメ20選の中から、イギリスで食べてみたいグルメに投票して頂くキャンペーンを実施いたしました。本ページではそのランキング結果を発表いたします!

(※1)H.I.S.公式Facebookページ:約33万いいね、いいね!ロンドンFacebookページ:約2.8万いいね、H.I.S.公式Twitter:約8.8万フォロワー、
H.I.S.公式Google+:約6.8万フォロワー(2016年8月25日現在)

【本場で食べてみたい!ビートルズゆかりのイギリスグルメランキング結果】

【1位】<ロンドン>フラット・アイロン・ステーキ(Flat Iron Steak) (link is external)

≪オススメの一品:ステーキ≫

ビートルズのメンバーの若かりし頃の好物がステーキとチップス(ポテトフライ)。ソーホーにある、安くて美味しいステーキ屋「フラット・アイロン・ステーキ」のメインメニューは、基本この1品。10ポンドのステーキのみです。他に、サイドメニューとドリンク、デザートがありますが、非常にシンプルなので、あれこれ悩むこともありません。旅行者にも利用しやすいお店です。予約はとらないので、混みあう時間を避けて利用するのがおすすめです。
【投票頂いたお客様の声】【投票頂いたお客様の声】「メインメニューがステーキ1品という潔さ!なかなか「The 肉」な食事をロンドンでしたことがないので、次回の渡英時に伺ってみたいと思います。」

 

【2位】<リバプール>ブレイクス レストラン(Blakes Restaurant)<ハード デイズ ナイト ホテル内

≪オススメの一品:フィッシュ&チップス≫


ハード デイズ ナイト ホテル内にある、ビートルズをテーマとしたレストラン。レストランに入って正面には、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャッケットに登場する面々の写真が飾られています。英国料理を中心とした料理をお楽しみいただけます。
【投票頂いたお客様の声】「イギリスと言えばコレ!ビネガーとソルトの組み合わせが独特ー!また食べたくなる味ですよね!」

 

【3位】<ロンドン>ザ・タークス ヘッド(The Turk’s Head)(link is external)
≪オススメの一品:スコッチエッグ、フィッシュ&チップスなどグリル料理とビール≫

ビートルズの映画『A Hard Days Night』でリンゴがダーツで遊んでいたバー。実際のシーンが撮影された場所として、今でもビートルズファンが訪れます。ビートルズ以外でも、ラグビーパブとして知られていて、ラグビーファンにも親しまれています。ロンドンで製造されているビール、エールビールやロンドンプライドをお供に、伝統的なパブメニューであるフィッシュ&チップスや、ソーセージ&マッシュほか、グリル料理がおすすめです。
【投票頂いたお客様の声】「パブ!ブリティッシュパブ!是非行きたいです!そしてスコッチエッグがとても美味しそう。」

 

【4位】<リバプール>ファブフォー・カフェ(Fab4 Cafe)<ビートルズ・ストーリー内
≪オススメの一品:チョコレートケーキ&コーヒー≫


ビートルズをテーマにしたカフェ。ビートルズファンには外せない人気スポットで、ビートルズの結成から解散がわかるミュージアム「ビートルズ・ストーリー(Beatles Story)」内にあるカフェです。ビートルズ・ストーリーには、多くの記念の品々の展示、オーディオツアーなど、ビートルズの情報がぎっしり詰まっています。再現されたキャバーン・クラブ、ジョージ・ハリスンのギター、ジョン・レノンの眼鏡などは必見です。日本語の副音声ガイドも借りられます。見学後にビートルズの壁紙が一面に張られたファブフォー・カフェで、ジョンの好きだったチョコレートケーキと淹れたてのコーヒーを!
【投票頂いたお客様の声】「ビートルズの曲を聴きながら甘いものを食べて、まったり幸せな時間を過ごしたい~!」

 

【5位】<リバプール>ザ・ラウンジ&バー(The Lounge & Bar)<ハード デイズ ナイト ホテル内
≪オススメの一品:各メンバーの名前のついたティー≫

ビートルズゆかりの地のマシュー・ストリートにあるホテルで、ホテル内にはいくつかのラウンジやバーがあり、どこもビートルズの写真や装飾が施されています。その一つ、The Lounge & Barではイギリスに行ったら一度は食べたい、アフタヌーンティーが体験できます。また£6.55pp (約1000円) を追加で払えば、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のジャケットでメンバーが着ていた衣装からヒントを得た、オリジナルのお酒を注文することもできます。アフタヌーンティーも楽しめて、各メンバーの名前のついたティーがあります。
【投票頂いたお客様の声】「イギリスといえばアフタヌーンティー!ビートルズメンバーのティーも味わってみたいですね!雰囲気も格式があって本場の紅茶とお酒も歴史と共に楽しめそうです!」

 

【6位】<リバプール>フィルハーモニックパブ (The Philharmonic Dining Rooms)(link is external)
≪オススメの一品:BRITISH BEEF AND NICHOLSON'S PALE ALE≫


ジョン・レノンのお気に入りのひとつだった、1898年〜1900年くらいに作られたアール・ヌーヴォースタイルの装飾が見事なパブ。重要建築物として登録されていて有名店です。紳士用のトイレがとにかく豪華なことで有名です。一見の価値あり!「BRITISH BEEF AND NICHOLSON'S PALE ALE(エールビールで煮込んだビーフシチューのような具が入ったパイ)」とクラフトビールや、老化防止に効くとされているジンもおすすめ。
【投票頂いたお客様の声】「素晴らしくカッコイイパブですね!そして伝統的なイギリス料理。ここでジョンに想いを馳せながらビールが飲めたら最高です!」

 

【7位】<ロンドン>シティ・バージ (The City Barge)(link is external)

≪オススメの一品:ラム、サーモン≫


チズウィックのテムズ川沿いにあるこのパブは、1965年に公開された、ザ・ビートルズの2作目の主演映画『HELP! 』(邦題:ヘルプ!4人はアイドル)の撮影場所として使われました。場所はセントラル・ロンドンから少し離れたところにありますが、ビートルズのファンが絶えず訪れるスポットとなっています。周辺にも撮影に使われた場所や、ビートルズに関連する場所が幾つかあるので、訪れる価値ありです!
【投票頂いたお客様の声】「映画の撮影に使われた店と聞いたら、行きたくなるでしょ!ラムもサーモンも美味しそう!」

 

【8位】<ロンドン>ハード ロック カフェ (Hard Rock Cafe)(link is external)
≪オススメの一品:オリジナル・レジェンダリー・バーガー≫

日本でもおなじみのアメリカンダイニング『ハード ロック カフェ』。ロンドンは1971年に1号店がオープンしました。またレストラン向かいのHard Rock Shopの地下には、The Vaultというミュージアムがあり、ここにはジョン・レノン直筆の歌詞や、彼が実際に着用していたジャケット、トレードマークのメガネなど、貴重なアイテムが展示されています。
【投票頂いたお客様の声】「ロンドンといえばロック!ロックといえば、ハード・ロック・カフェ!ロンドンはどんな感じなのか気になる!!」

 

【9位】<ロンドン>ディシューム(Dishoom)(link is external)

≪オススメの一品:BLACK HOUSE DAAL≫


ジョン・レノンの好物の一つが、カレー。実はカレーは英国民が一番良く食べている料理だとご存知でしたか?英国を訪れたら、一度はカレーレストランもぜひ試してみてください。美味しいですよ!ディシュームは、現在ロンドンのキングス・クロス、コベント・ガーデン、ショーディッチそれから、カーナビーストリートに支店を持つ、行列のできるレストラン。その昔のボンベイ・カフェを21世紀風にアレンジした店内はとてもスタイリッシュ。BLACK HOUSE DAALが、この店の代表的な料理なので、ぜひお試しを!
【投票頂いたお客様の声】「イギリスでカレーがよく食べられているなんて知らなかった。ぜひ食べてみたい。」

 

【10位】<リバプール>キャバーン・クラブ(Cavern Club)

≪オススメの一品:手作りポーク・パイ≫

ビートルズが初めてギグ(小さなライブハウスなどでの短いセッション)をした場所で、デビュー前のビートルズが300回以上演奏したライブハウスとして有名です。現在は忠実に修復され、今のオーディエンスが当時に似た体験をできるようになっています。おすすめは、地元の食材を使ってプロデュースされた手作りポーク・パイ。ほかにもパニーニやサンドウィッチを提供しています。ビール片手にビートルズの音楽を聴くのも、この場所ならではの最高の気分に浸れそう!お昼は一般公開もされており、ビートルズゆかりの名所として人気があります。
【投票頂いたお客様の声】「リバプールに来たら、ここに行かずにどこへ行く?と言われても過言ではない、世界一有名なパブ。ライブを見ながらポーク・パイとビールを味わいたい。」

 

ビートルズ来日50周年記念特別ツアー(link is external)

+5,000円でビートルズ体験型ミュージアム「Beatles Story」&ビートルズゆかりの場所をバスで巡る「マジカルミステリーツアー」へご案内!
リバプールでは、世界で唯一のビートルズをテーマにしたホテル「ハード デイズ ナイト ホテル」に滞在!
【成田発着】リバプール&ロンドン7日間 147,000円~207,000円: http://bit.ly/gbrtour_his(link is external)

 

【H.I.S.SNS旅トレンド調査】食べてみたい!ビートルズゆかりのイギリスグルメランキング:http://bit.ly/gbr_his(link is external)

 

 


2016-09-21 23:17:00
【話題】中国資本「日本の健食メーカー買います」日本側の本音は?

輸入販売にとどまらず、海外企業の買収に動く中国資本。一般貿易と越境ECとのバランスに腐心する日本企業。また、越境ECを支援する事業者の狙いはどこにあるのか。各方面の声を追った。


「OEMの対応が遅いことに不満が高まっている」── そう語るのは、中国の某投資企業幹部。中国では健康食品や化粧品で日本製品の人気が高く、単なる輸入販売にとどまらず、中国側が現地のニーズに合わせた商品のOEMを日本企業に依頼する場合もある。しかし、OEMの対応に不満も出てきており、「買収した方が早い」といった声もあるという。中国資本のみならず、「世界的なファンドが日本の健食メーカーに目をつけている」との情報も。

中国でも人気の高い「マイクロダイエット」は、もともとサニーヘルス㈱が100%出資する現地法人が中国での販売を行っていた。しかし昨年中国資本が買収。その後、中国資本による現地総代理店は、現地の委託先工場で成分を調整し、甘みを抑えた設計に変えた。今年8 月までに、すでに4 万箱を仕入れており、今月にはさらに5 万箱の仕入れを予定している。プロモーションにも注力し、来年の目標として「販売20万箱を目指す」(現地関係者)という。「エステやフィットネスブームが追い風」との分析もある。


これは現地法人を買収した例だが、冒頭で引用した投資企業幹部によれば、「海外の工場を買収することも考えている。実際に韓国の某健食メーカーの買収準備を進めており、将来的には日本の工場を買収することも考えている」という。日本側にとっても中国資本を導入することで、より進出が容易になる部分もある。

サニーヘルスの事例にみられるように、現地での販売網に乗せやすいことや、現地消費者のニーズを吸い上げやすいことが挙げられる。日本人関係者は、「感覚の違いもあり、自分たちだけでは難しい」とも語る。


中国進出については、日本企業の失敗事例も多く報告されており、越境ECなどで再挑戦を試みる企業も出ている。そのような状況の中で、日本企業の買収という逆の狙いが、スピード感もあり、巨大な中国市場に向けた投資としては中国サイドのメリットも大きい。急成長を遂げる中国市場、サプリメントの安全性について信頼度の高い日本企業。伸び悩む健康食市場の買収に向け、厖大な中国資本が動き出している。

もっとも海外進出を目指す企業にとっては、越境ECはコストとリスクをおさえたテストマーケティングツールとして有効だ。ニーズが十分にあると判断できた時点で、現地法人なり代理店を設けて、より規模の大きい一般貿易へと満を持して移行することが可能になるからだ。中小機構でも、新規に越境ECを始める事業者に補助金を出すなどの支援を進める。


健康産業新聞第1603号(2016.9.7)より一部抜粋


2016-09-21 23:15:00

フランス、プラスチック製の使い捨て食器を禁止へ 世界初

2016.09.20 Tue posted at 10:26 JST

(CNN) フランスでこのほど、使い捨てのプラスチック製カップや皿を禁止する法律が世界で初めて制定された。

同法は2020年1月に施行予定。すべての使い捨て食器類について、家庭用コンポストで堆肥(たいひ)にできる生物由来の素材を50%使うことを義務付ける。2025年までにはこの割合を60%に引き上げる。

フランスは昨年、地球温暖化対策について定めた法律を制定しており、今回の法律はその追加的措置となる。同国は地球温暖化対策で世界を主導する存在となることを目指す。

フランスで廃棄される使い捨てカップは毎秒150個、年間では47億3000万個に上る。そのうちリサイクルされるのは1%のみ。ポリプロピレンとスチレン樹脂を混ぜて使っていることが主な原因だという。

一方、今回の法律に対しては欧州の食品容器メーカーでつくる業界団体が、商品の自由移動を定めた欧州連合(EU)の法律に違反すると主張。欧州委員会に対してフランスの法律を阻止するよう要請するとともに、同国を相手取った法的措置を検討していることを明らかにした。

フランスはロワイヤル環境相が打ち出した計画に基づき、2025年までにごみの埋め立て量を半減させ、地球温暖化ガスの排出量を2030年までに1990年に比べて40%削減することを目標としている。今年7月にはスーパーのレジ袋が全面的に禁止された。

レジ袋禁止はほかにもバングラデシュや南アフリカ、中国など6カ国で実施されている。


2016-09-21 23:11:00

(当記事は、2016年6月14日、IBM食品流通業経営戦略セミナーにおける、IBM GBS事業 流通サービス業担当 部長 佐藤 信広 の講演をまとめたものです。)

今、世界的に食品の消費者の購買行動の姿が大きく変わりつつある。背景には“デジタルネイティブミレニアル”と呼ばれる新世代の台頭が指摘されている。“デジタルネイティブミレニアル”世代とは、一般的に1986年以降に誕生し、幼いころからスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスに触れて育ってきた世代を指す。この新世代が2020年には全世界の人口の50%以上を占めると予測されている。

こうした消費行動の変化に対して、これからの食品流通業界のマーケティングでは、よりデジタルな先進テクノロジーを駆使し、一層顧客に寄り添うキャンペーンを展開する必要がある。これからの新しい食品マーケティングの戦略立案のポイント、成功要因を一緒に考えてみたい。

1. デジタルマーケティングのスタートライン

チーム編成のポイント

企業がデジタル・マーケティングを加速しようとしたとき、最初に着手するのがチーム編成であろう。デジタル・マーケティングを進めていく際、必要なスキルは大きく2つある。1つはマーケティング戦略立案と実施するスキル。もうひとつが先進テクノロジーを理解し、マーケティング戦略立案と実施に活かしていくスキルだ。この双方のスキルを駆使して、個客のExperience を設計する手法のひとつとして、「デザイン思考」と呼んでいる。

企業が個客体験を高めていくためにまずやるべきことは、この2つのスキルをカバーする人材を集めデザイン思考ができるチームを構成することだ。デジタル戦略を考えられるマーケティング人材とエンジニアとデザイナー、そしてサイエンティストといった多様な人材でチームを構成し、デジタルなマーケティング施策を立案する。

日本IBMではこうした企業の活動を支援するために、創造性を刺激するためにデザインされたスペースを開設し、ブレーンストーミング、構想策定、実証実験というプロセスを重ねていくアプローチを実施している。その場、そのセッションを通じてデジタル・マーケティングが主体となった個客体験が生みだすセッションが実施されている。

消費者のアクセス数を拡大するポイント

デジタル・マーケティングでは、戦略に基づいてメディアを選定し、どのようなコンテンツを組み合わせるのかを企画する。自社サイトだけで見込み客データを集めることが難しければ、集客力のある有力サイトのサービスやインフルエンサーの力を利用することも考えたい。

たとえば、食品流通業の集客力のあるサイト1つとして料理レシピコミュニティサイトがある。そのレシピコミュニティサイトとのタイアップ企画で多くのお客様へのリーチを獲得することが可能だ。

ある食品メーカーではTwitter、Facebook、YouTubeなどのソーシャル・メディアのキャンペーン支援サービスを活用し、主力商品についての人気投票を行った。応募者へのプレゼントとして自社商品のセットを用意し、キャンペーンへの参加を促進することで、個客との関係性の強化を図っている。

デジタル施策の組み合わせ,戦略に基づくメディア選定を行い、どのようなコンテンツを組み合わせるかを企画・選定する,クックパッド,facebook twitter等,大手EC企業,SNS,料理レシピコミュ二ティサイト,自社製品オールスターズ,タレントモデル起用,シェアワトソン(※),=見込み客データの獲得,(※)将来的な企画案一例として,IBM

また、最近ではYouTubeに動画を投稿するYouTuberを使った広告企画も増えている。95万人のフォロワーを持つフード関係のYouTuberもいる。テレビタレントなどより広告費を抑えられ、着実な効果が見込める。

1億人以上の会員を持つ大手ECサイトとタイアップして、ECで提供されるポイントを活用するというのも有効な手段だ。ユーザーの属性に合わせたターゲティングが可能で、編集タイアップ記事で商品の魅力を訴求し、ポイントを付与することで購入を喚起し、ユーザー・データを獲得できる。

SNSを使った口コミキャンペーンを利用する企業も多い。潜在個客であるSNSの全ユーザーに対して、自社独自のスタンプのダウンロードを促す。ポジティブなメッセージを加えて口コミを拡散させることで、パブリシティー効果も狙える。新商品の発売などのイベントとの連動も可能だ。

2. IBM Watsonを使ったデジタル・マーケティング

人工知能の実用化が広まっているのは周知の事実だ。この食品マーケティングの中でも人工知能は、新しい顧客価値を生み出す可能性を秘めている。たとえばIBMのコグニティブ・コンピューティングWatsonによる「シェフワトソン」と協業することで、自社サイトの魅力を高めることが可能だ。シェフワトソンによって新しいレシピを誕生させ、話題性を高めることもできる。ここでは食品業界でのシェフワトソンの使い方を紹介したい。

たとえば、レストランを開業しているオーナーシェフが御社のサイトを訪れる。目的は季節のメニューを考える時間を省くことだとする。応対するのはシェフワトソンだ。Watsonの自然言語処理機能を使って、普段の話し言葉で対話しながら要望を伝えていく。シェフワトソンは、すべての要望を科学的に分析して、お勧め順に推奨レシピを伝える。そこには意外性のあるものも盛り込まれている。

シェフワトソンの提案に興味を持ったユーザーは会員登録をして調味料のサンプルを請求したとする。サンプルを送ってから一週間後には、感想を聞くメールを送り、時間を置いてお勧めの商品の試食会の案内を送る。さらにその後には割引セールの案内などを送っていく。このフォローをできるだけ自動化しておくことがポイントになる。

フォローシナリオ、時間軸,購入意欲,インタネットで業務用調味料・レシピの検索,Watsonと対話し、会員登録の上、調味料サンプル請求,サンプル受領,他社業販店からもサンプル取寄,しばらく奥様と相談し食材検討,一週間後、休憩時間中を狙って、メールフォロー,メール1:サンプルのお味はいかがでしょうか?よろしければご感想をお伺いさせてください,いくつか試し、調味料より加工食品の方が手間がかからずいいかも販売員に話す,メール2:お勧めの加工食品入荷しました。試食会を行いますので、ぜひお越しください!ネットで評判、口コミを調べ奥様と試食に出かける,再度サンプル請求,メール3:今ご注文いただますと10%Offでお買い求めいただけます!メール4:アフタセールス秋冬グランドメニューのメールフォロー、月替わりメニューのお勧め、営業フォロー(サービス売り,奥様と相談し、今期メニューとして正式に注文),2016 IBM Corporation

さまざまな顧客体験を意識したフォローシナリオを想定しておくことで、メールを送る時間や時期などもデータとして蓄積し、効果を測定して最適化を図ることができ、ログイン画面やコンテンツの提示方法などはユーザーごとにパーソナライズされる。

3. 継続的かつ組織的にPDCAを回していく

デジタル・マーケティングの施策で重要なのは、言うまでもなくPDCAをきちんと回していくことだ。デジタル・マーケティングでは、リアル店舗での接客では見えなかった顧客のニーズ&ウォンツが、キャンペーンの数字の中から見えてくる。食品マーケティングにおける、効果的なPDCAの確立方法をここで紹介する。

基本的なデータの取得の流れとしては、タイアップページやSNSなどを経て自社のECサイトやホームページを訪問したユーザーのクッキー情報やメールアドレスなどを取得する。将来的にはデータを活用するデジタル・マネージメントプラットフォームを構築して、アクセスログの解析結果からプッシュメールを送るなどして行動を喚起していく。

個客体験を維持しながら向上させ、個客との関係性を強化してエンゲージメントを獲得するには、企業が持つあらゆる個客接点と購買プロセスを把握し、KPIに対する仮説検証を繰り返し行っていくことが基本となる。

さらに食品流通業では「ID-POS分析」に注目したい。たとえば、食品メーカーは小売業者を通して販売しているので、POSデータを持っていない。そこで小売業者からPOSデータを購入して、データを解析し、購買行動の実態を把握した上で販促施策を展開させていくのである。

基本的なデータ取得の流れ,タイアップページなどを経て自社サイトに訪問したユーザー、ECサイト購買のデータを取得,将来的にDMPを構築し、マーケティングオートメーションを目指す,1.サイト訪問,2.PV数計測,3.HP/EC訪問数計測,自社HP,自社EC,4.クッキー情報、メルアドなど、取得、アクセスログ解析,DMPデータ蓄積,5.プッシュ通知などによる行動喚起,ターゲットユーザー,DMP;Data Management Platform,IBM

ここではクラスター分析を駆使して、個客をセグメンテーションし、各クラスターの特徴を把握した上で、クラスターごとに育成に効果があると思われる施策を実施していくことが重要になる。

4. インバウンド/越境ECサイトの市場に注目

今、食品流通業で注目されているのは、訪日外国人旅行者をターゲットとしたインバウンド/越境ECサイトの市場だ。中国だけでもその日本のハロウィンの16倍にもなる市場が存在する。自社サイト越境EC、インバウンド対応を行うことで、多くのメリットが期待できる。

たとえば中国向けの展開を考えてみる。中国にいる見込み客を含む消費者に日本での良い個客体験を提供することでロイヤリティーを持ってもらうことができ、インバウンドの客に自社を宣伝することで、新規個客にできる。また、SNSなどを通してさらなる新規個客を呼び込んだり、個客データと消費特性を把握することで、商品の設計や販促につなげることができる。

想定されるカスタマージャーニーのマップは、旅行前、旅行中、旅行後に分けて考えることができる。旅行前にはオンラインショップでお勧め商品を提示したり、事前予約を受け付ける。空港に到着したらウエルカムメッセージを送り、買い物ができる店舗の地図を送るなど、来店を促す。旅行後はお礼のメッセージとともにサイトの買い物に使えるクーポンを送ることも良いだろう。

中国展開の施策例 - イメージ(ジャニーマップ),日本旅行決定!買い物リストを作成。旅行前:自社オンラインショップ,アプリ,アプリ連携,予約する,オンラインショップで新商品や、気になるものをチェック。商品を検索し、予約できるものをウェッブ/アプリで事前予約する。予約した商品の在庫状況を見て○Xをつける。Xになったものについに代替品を提案する。お土産として買いたいものに関しても、年齢/性別、予算、商品カテゴリーを入力するだけで、お勧めリストが出てくる。お土産を探す暇も節約でき、買い忘れもなくよかった!支払いと免税は日本に行ってから店頭でできる。旅行中:アプリ連携,体験する,空港に到着したら、アプリからプッシュメッセージ!「品物を揃えております!来店をお待ちしております!」,ピックアップできるお店と地図の情報を送られる,ホテルに届けてもらうサービスも選べる,体験する,オムニチャネル,アプリ連携,予約したものと一緒に免税手続きができ、一番安値で効率的に買物をできるのが嬉しい!しかも今回の買物履歴が全部アプリに残っているので、帰国後も越境ECサイトでスムーズに買物できる,旅行後:アプリ連携,ソーシャル,帰国後アプリからお礼のメッセージがきた,今回のお土産として誰に何を買った履歴を記録されて、次回の参考にもなる!適切なRecommendationをくれる!ウェブサイトでも使えるクーポンをもらった!しかもそのクーポンが家族、友人にあげることが出来る。友人に紹介するか、「いいね」を集めたら、さらに特典をもらえる

ポイントは、個客接点をどこに持つかを、個客を主体に設計し、それぞれの施策をシームレスに提供していくことだ。ITを活用することで、途切れることなく個客をフォローできる。

IBM Watsonはこうしたインバウンド/越境ECサイトのソーシャルリスニング基盤としても活用できる。日本語、英語、中国語など多言語に対応しているので、言語の壁を越えてソーシャル・メディアでのつぶやきを分析して、いち早く気付きを得ることができる。中国のソーシャル・メディアでの投稿を分析して、越境の意思を確認し、日本語でレポートするようなことも可能だ。

IBM,ご提供できるソーシャルリスニング基盤,ソーシャル・メディア上の大量の顧客の声から”より早く”、”より高確率に”「気付きを得るための情報」を発見する分析環境をクラウド環境で提供しています。顧客の声1:インドソーシャル・メディア、中国ソーシャル・メディア、ブログ、情報サイト、Weibo,インタネット,対象,データ,抽出,ソーシャル・メディア分析(IBM Cloud環境),IBM Cloud 環境,Watson、高度なテキスト解析(11ケ国語対応*2),データコレクション,インタネット,User Local PC,分析画面,さまざまな視点から顧客の声を分析,製品不満・不具合対応,時期製品のコンセプト抽出,地域別マーケティング,キャンパーン効果継続施策,小売、営業マンの評判分析,コーポレートブランド確認,採用サイトの分析 など,特徴1:グロバールで統一して活用できるプラットフォーム,特徴2:高度なテキストマイニングが出来るプラットフォーム,*2 日本語、英語、中国語、アラビア語、デンマーク語、オランダ語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語,2016 IBM Corporation

5. City Analyticsという新しいアプローチ

最後に、IoTの時代を見据えてIBMが提唱している新しいソリューションを紹介したい。それがCity Analyticsである。行政が提供する人口統計、経済統計の様な外部データ、スマートフォンや街中に設置されたセンサーからの膨大なデータを分析することで、これまでにないビジネス・チャンスをとらえようというソリューションである。対象となるデータはSNS(個客意識の把握)、企業が所有する自社POSデータ(販売傾向)、各種統計情報、天気や渋滞などの外部データ、IoTのセンサーデータなど(新たな知見)だ。

具体的なCity Analyticsソリューションとしては、企業が保有するデータに、IBMが提供するデータを加えて高度な統合分析を行い、IBM独自の統合分析モデルによって新たな知見を導き出していく。TwitterやFacebookなどSNSのデータ、気象データ、モバイル空間移動情報など、さまざまなデータを提供できることもIBMの大きな強みだ。

たとえば、小売や飲料、消費財では、販売データや在庫データなどの売上、周辺情報とSNSなどで発信された消費者情報、イベントや天候、交通情報などの地域に関する外部データを活用し、店舗の出退店、需要予測、商品構成最適化などに活用できる。

同一商圏の同一カテゴリーの商品の価格にバラつきがあった消費財メーカーでは、City Analyticsソリューションを適用して、商圏の特性に応じたカテゴリーごとの販売チャネルを最適化し、売上増と販売機会の損失削減、物流コストの削減を実現した。

また、大手飲料メーカーでは、City Analyticsソリューションによって、商圏の環境変化に対応した自動販売機の設置と商品構成を最適化し、売上増と販売機会の損失の削減、最適な自動販売機の設置を実現している。

IBM,City Analytics 活用可能なデータ(小売・飲料・消費財),飲料、消費財メーカーでは、商圏ごとの販売チャネル、販売機配置の最適化、商品構成やロジスティクスの最適化などに適用できます。ストアチェーンでは、店舗開発、需要予測や店舗パフォーマンスなどの店舗オペレーション分析、原材料発注や飲料などの仕入れ計画の最適化などに適用できます。店舗・売上・周辺情報:販売データ、価格や商品に対する競合データ、販促、在庫などのビジネス・データ,消費者情報:SNSやTwitterなどのソーシャル・メディアに発信された情報、生活様式等の様々な形式の情報,地域に関する情報:イベント、天候、交通情報、地域経済、人口統計、流通ネットワーク等の地域に関する情報,都市を360度分析:消費者、生活スタイル、購買行動、ソーシャル・メディア、多様性データ,地域:地域イベント、気象データ、移動情報、国勢調査、流通ネットワーク、経済統計,店舗:在庫水準、店舗顧客体験、店舗管理、プロモーション、競合、販売テータ

IBMでは、デザイン思考のフレームワークを実践するためのデザインキャンプも提供している。個客との関係性を深め、信頼を獲得し、どんなライバルが出現しても勝ち抜けるマーケティングを確立するパートナーとして、気軽にご相談いただきたい。

IBM、IBMロゴ、ibm.com、および IBM Watsonは世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporationの商標です。他の製品名およびサービス名等のIBMの商標リストについては、http://www.ibm.com/legal/us/en/copytrade.shtml(US)をご覧ください。

Industry Expert

日本アイ・ビー・エム株式会社
GBS事業 流通サービス業担当 部長
佐藤 信広

食品・日用品(CPG)領域の製造業・卸売業・小売業のお客様を担当するシステムエンジニア、インダストリースペシャリストとして20年以上の経験を持つ。
現在、食品メーカーのお客様を中心に サービスビジネスを提案するTeamのリーダーとして活躍中。
マーケティング・販売、製造、購買、会計など、幅広い業務エリアを対象にプロジェクトの構想策定、システム構築などの提案活動を実施している。


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