2021年ヒット商品ベスト30 第25回

 

2021年11月4日発売の「日経トレンディ 2021年12月号」では、日経クロストレンドと11月3日に発表した「2021年ヒット商品ベスト30」を特集。22位に「BASE FOOD」がランク入りした。1食で1日に必要な栄養素の3分の1を満たせる完全栄養食が、21年8月に累計1000万食を突破した。甘系味の投入で間食として食べられるようになり、おやつと健康配慮のいいとこどりで消費者の利用機会が増えた。

※日経トレンディ2021年12月号の記事を再構成

22位に「BASE FOOD」を選出
22位に「BASE FOOD」を選出

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【22位】BASE FOOD

 これだけ食べていれば栄養は十分。そんな手軽な完全栄養食「BASE FOOD」(ベースフード)が、2021年8月に累計1000万食を突破した。

 1食で1日に必要な栄養素の3分の1を満たせるのが特徴で、健康を気にする消費者にはありがたい。ただ主力のパンタイプ「BASE BREAD」は19年3月にネット通販を開始していたが、ヒットと呼べるほどではなかった。

 今回のヒットのきっかけは、丸パン風の「プレーン」しかなかった味を増やしたことだ。20年5月に「チョコレート」、同年11月に「メープル」「シナモン」と甘い味を追加。健康意識が特別に高いわけではない大半の消費者の心理的ハードルが下がり、「手を伸ばしやすくなった」(ベースフードCMOの齋藤竜太氏)

■BASE BREAD
味の種類が増え、選ぶ楽しさが生まれた
味の種類が増え、選ぶ楽しさが生まれた
■味を立て続けに増やし、人気は急上昇
注)ベースフード提供、月次。20年5月を1とした
注)ベースフード提供、月次。20年5月を1とした
2021年ヒット商品ベスト30
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 菓子パンとしても自然なおいしさで、甘い味なので間食にもいい。おやつと健康配慮のいいとこどりで、消費者の利用機会が増えた。「味の種類が増えたので、飽きずに食べ続けられるという声もある」(齋藤氏)

 20年11月以降、大手ドラッグストアやコンビニで売り出し、認知度もアップ。興味はあっても買うまでには至らなかった消費者が背中を押された。リアル店舗の販売数は全体の15%を占めるまでに伸びている。

21年7月からファミリーマートの一部店舗で、パンタイプとクッキータイプを販売
21年7月からファミリーマートの一部店舗で、パンタイプとクッキータイプを販売