ハンバーガー店でロボット活躍、米外食産業に自動化の波ニューヨーク・マンハッタンの新興外食チェーン店では、注文の入ったランチメニューをロボットアームと従業員が一緒に準備する

 米メキシコ料理チェーン、チポトレ・メキシカン・グリルの創業者スティーブ・エルス氏がニューヨークで新たに立ち上げた外食チェーン、カーネルでは、ロボットアームがハンバーガーの植物性パティをひっくり返し、組み立てラインのベルトコンベヤーで皿に盛られた料理を移動する。最後に人間が仕上げを行い、持ち帰る顧客のためにきれいに袋に入れる。

 興味本位で来店した客たちは、ガラス越しにロボットアームの様子が見えることや、店内の殺風景で工業的なスタイルに最初は戸惑った。エルス氏は7月初め、約10日にわたって店舗を一時閉鎖。座席を設け、絵を飾り、暖かい配色と柔らかな照明を採り入れるなど、実際に食事を提供するスペースだと分かる手がかりを加えた。

ハンバーガーチェーン、ホワイトキャッスルのインディアナ州メリルビルの店で稼働中の揚げ物ロボット「フリッピー」ハンバーガーチェーン、ホワイトキャッスルのインディアナ州メリルビルの店で稼働中の揚げ物ロボット「フリッピー」 VIDEO: CLARISSA BONET FOR THE WALL STREET JOURNAL

 米スタートアップ企業ミソ・ロボティクスが開発したAI(人工知能)主導のロボット「フリッピー」は、2017年の発売当初は苦戦したものの、最近は以前より小型化・高速化が進み、信頼性が増しており、ハンバーガーチェーンのホワイトキャッスルやジャック・イン・ザ・ボックスの店舗でフライドポテトなどの揚げ物を担当している。アジアですしチェーンを展開するくら寿司は、ロボットを使ってシャリを取り分ける。間もなく皿を自動で洗い、ベルトコンベヤーに乗せて職人の手元まで運ぶ機械を試験導入する予定だ。ドライブスルーの自動化は広がりつつあり、ホワイトキャッスルやチェッカーズなどの店舗では、現在チャットボット(自動会話プログラム)が顧客のハンバーガーの注文を受けている。

ニューヨークにあるカーネルの店舗でバンズの表面を焼く工程のため、機械がバンズをベルトコンベヤーに乗せるニューヨークにあるカーネルの店舗でバンズの表面を焼く工程のため、機械がバンズをベルトコンベヤーに乗せる

 1993年にチポトレを創業し、2020年3月に退任したエルス氏は長い間、無駄を減らし、不要な工程を省き、少ない従業員で済む飲食店を開きたいと夢見ていた。

カーネルのチキンサンドイッチに最後の仕上げをする従業員カーネルのチキンサンドイッチに最後の仕上げをする従業員
PHOTO: CAITLIN OCHS FOR WSJ

 コロナ禍のさなかに次の一手を思案していたエルス氏は、自動車製造に使われるドイツの産業ロボットメーカーKUKAのロボットアームを、エンジニアの協力を得て食品に使えるようにプログラムした。2年近くかけて構築したカスタムソフトウエアは、チームの一員のように機能する、と同氏は言う。顧客の注文を受け、正確な納品時間を保証し、ロボットアームの動きや他の自動化部品の複雑な連携をうまく調整するのだ。

 エルス氏は「ファストカジュアル」(ファストフードとカジュアルレストランの中間の業態)のカーネルを立ち上げるために3600万ドルを調達した。

 今年2月にマンハッタンの店舗を開業した後、当初は機械の誤作動が起きることもあったが、現在は非常に安定している、と同氏は言う。カーネルは今夏が終わるまでにマンハッタン2号店のオープンを目指している。

カーネルで注文した品を受け取る顧客カーネルで注文した品を受け取る顧客
PHOTO: CAITLIN OCHS FOR WSJ

(The Wall Street Journal/Heather Haddon | Photography by Caitlin Ochs for WSJ)

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