バルセロナの中心地から電車を乗り継いで約20分の街、ロスピタレ・デ・リョブレガートで行われた、世界の食のトレンドが集まる見本市「アリメンタリア」
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会場の案内係を務めた女子たち。ユニフォームもおしゃれだ
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 2014年3月31日~4月3日までの4日間、スペインだけでなく世界の食のトレンドがチェックできる見本市「アリメンタリア」がバルセロナで開催された。アリメンタリアは、2年に一度開催される食のプロのためのお祭りでもあり、スペインで開催される最も大規模な見本市の1つだ。2014年は3800社が出展し、計14万人もが来場した。2日間潜入して見てきた人気のブースなどをリポートする。

 まずスペインの料理に興味がある人が押し寄せたのは、高級スペイン料理レストランのシェフがデモンストレーションを行う「ショー・ガストロノミック」。世界の有名シェフと食の評論家が選ぶレストランが紹介されている英国のガイドの2013年版「世界のベスト50レストラン」で1位を獲得した「エル・セジェール・デ・カン・ロカ」のジョアン・ロカシェフをはじめ、ミシュラン3つ星を擁し、東京にもレストランを配する「サン・パウ」のカルメ・ルスカデーリャシェフ、北部バスク地方の3つ星レストラン「アルサック」のフアン・マリ・アルサックシェフなど、スペインを代表する有名シェフ約40人がそれぞれのテーマでデモンストレーションを行った。

 
スペイン南部のマルベーリャ市にあるミシュラン2つ星レストラン「カリマ」のシェフ、ダニー・ガルシア氏のデモンストレーション
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 デモンストレーションを観るには料金50ユーロ以上(出演シェフにより料金が異なる)が必要だが、小さめのオープンスペースのため、外からもショーを観るすることは可能で、シェフの手さばきや料理が無料で見られる貴重な機会だった。

 筆者が参加したのは、ミシュラン1つ星に輝くバルセロナのレストラン「カエリス」のロマン・フォルネールシェフによる「豪華な朝食」。

 まずは出てきたのは、オレンジとニンジン、ショウガ、柚子、シロップにシャンパンを加えたジュース。日本人にとっては馴染みの深い柚子やショウガがオレンジとニンジンを引き立てていて、目から鱗のおいしいドリンクだった。次はサルデーニャ島名物の薄いスナックのようなパン「パーネ・カラザウ」を使ったサンドイッチ。刻んだディルを混ぜ込んだクリームチーズとスモークサーモンのサンドイッチは、特別な日の朝食にもってこいの一品。そして最後は卵の殻を皿代わりにした炒り卵。イクラやスプラウトで飾り、見た目もかわいくお洒落。朝食にあまり重きを置かないスペインだが、こんな朝食なら毎日でも食べたい!

 
朝食メニューを披露したバルセロナのミシュラン1つ星レストラン「カエリス」のシェフ、ロマン・フォルネール氏
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フォルネールシェフの卵の殻入り炒り卵。イクラたっぷりの豪華版
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 ちなみにこれらの朝食は白か赤のデザートワイン付き。その他にもバルセロナにある、ユニークなタパスのレストラン「コメルス24」のカルレス・アベジャン氏は、得意の創作フィンガーフードで人気を集めた。参加者は有名シェフからアイデアを得ようと訪れた地元の料理人が多く、熱気にあふれていた。