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2022-05-21 21:37:00

米UberはMaaSのお手本? レストランと移動をセットで予約可能に

 読了時間: 6分
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  • 牧村 和彦

    計量計画研究所 理事 兼 研究本部企画戦略部長

新型コロナウイルス禍で多くの交通事業者が苦境に陥った一方で、米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズは存在感を発揮している。海外では、電気自動車(EV)の利用を促す「Uber Green(ウーバーグリーン)」を始めたほか、アプリでレストランやコンサートなどの情報閲覧と予約ができる「Uber Explore(ウーバーエクスプローラー)」も開始。進化を続けるウーバーに日本の交通事業者が学ぶべきことは多い。

2022年4月22日のアースデーでは、Uber Greenプログラムを宣伝するイベントを実施(写真/ウーバーテクノロジーズ)
2022年4月22日のアースデーでは、Uber Greenプログラムを宣伝するイベントを実施(写真/ウーバーテクノロジーズ)

 米ウーバーテクノロジーズの2021年第4四半期の総予約数は、前年同期に比べ51%増、総利用額は259億ドル(約3兆3000億円)に達した。これは配車サービスやフードデリバリー「ウーバーイーツ」などの合算だ。内訳としては、配車サービスの予約数が前年同期比67%増の113億ドル(約1兆5000億円)、フードデリバリーは同34%増の134億ドル(約1兆7000億円)と、創業以来の記録的な数字となった。

 世界では、すでに配車サービスは新型コロナウイルス禍前の水準に回復しつつある。それに加え、コロナ禍でフードデリバリーが躍進した結果だ。まだ赤字体質からは抜け出せておらず、足元の株価は19年の株式公開時点の価格を大きく下回って推移している。

 それでも、コロナ禍で多くの交通事業者が厳しい利用状況となっている中で、ウーバーの躍進は目を見張るものがある。人とモノ、車両とドライバーをデジタルでマッチングする次世代の交通サービスの強さが実証された形だ。事実、ウーバーの総予約額は、フードデリバリーの大きな伸びも手伝って21年に904億ドル(11兆7000億円)に達し、コロナ禍前の19年の水準を40%も上回る結果となっている。

脱炭素化へいち早く脱皮するウーバー

 ウーバーは、2040年までに同社事業による二酸化炭素(CO2)の排出をゼロにする目標を掲げている。そんな中、21年に米レンタカー大手のザ・ハーツ・コーポレーションがテスラの電気自動車(EV)5万台を購入したことが大きな話題となった。同時にハーツは、21年11月1日からウーバーのドライバーに対してテスラ車両の貸与を始めている。

米UberはMaaSのお手本? レストランと移動をセットで予約可能に:日経クロストレンド (nikkei.com)

 


2022-05-14 21:45:00

宅配特化「ゴーストレストラン」急増 80業態持つFCも

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山口真一さんの投稿山口真一

 

野村不動産は飲食店ビルにゴーストレストラン向けのシェアキッチンを設けた(東京・港)

客席を持たず宅配に特化した「ゴースト(幽霊)レストラン」が急増している。宅配に対応する飲食店の1割強を占める地域も出てきた。鶏肉料理や丼物など数十の業態を用意したフランチャイズチェーン(FC)が登場し、参入が容易になった。新型コロナウイルス禍に苦しむ飲食店主らが「副業」として加盟し、飲食宅配市場の拡大に弾みをつけている。

料理宅配アプリの「出前館」や「ウーバーイーツ」で注文する際、こう思った経験はないだろうか。「こんなお店、うちの近所にあったっけ」。ゴーストの名は、看板も客席もないため、店が「幽霊のように目に見えない」ことに由来する。

どの程度のゴーストレストランが存在しているのか、実態調査を試みた。ウーバーイーツで東京都港区の一角を配達場所に設定すると、注文可能な店として約750店が表示された。

一見普通の一軒家に

「松屋」「リンガーハット」といった有名チェーンをまず除外する。残りの店は公式サイトに宅配専門と記載があればゴーストとしてカウント。記載がなければ現地での目視などで判断した。確認できただけで85店、全体の1割強がゴーストだった。リスト化すると、住所が同じ店がいくつもあることに気が付く。

その一つを訪ねると、住宅街にある一見普通の一軒家だった。大きなリュックを背負った配達員がひっきりなしに出入りする。ここ、ゴーストレストラン研究所(東京・港)では「すーぷのあるせいかつ」「おさかな日和」など約20の業態を運営している。同じ厨房で「多店舗展開」できるのもゴーストの特徴だ。

同社は2019年、吉見悠紀代表が「飲食業界は驚くほど生産性が低い。成長が確実なデリバリーならデジタル技術を活用できる」と考えて設立した。コロナ禍で市場の急成長は現実のものとなり、21年春にはFC事業に乗り出した。

商圏の客層を分析してオーナーに適切な業態とレシピを提案し、注文受付から配達員へ商品を渡すまでのオペレーションを支援する。「通常4~6カ月かかる開業までの時間を約1カ月に短縮できる」(同社)という。

ローソンのメニュー開発も

22年1月、ローソンが店内厨房を使って1000店にゴーストレストラン事業を広げる方針を掲げた。大企業の本格参入として注目されたこの事業にもゴーストレストラン研究所が携わっている。FC契約ではないが看板メニュー「チキンオーバーライス」などのレシピを監修した。ローソンの吉田泰治・事業開発部部長は「スピード感を持って事業拡大するために連携したい」と話す。

ローソンはゴーストレストラン事業を1000店に広げる

コロナ禍で飲食店は大打撃を受けた。ゴーストレストラン研究所のようなフランチャイザーの力を借り、「副業」として別の店名でゴーストレストランを始める飲食店も多い。フランチャイザーの一つで「鶏あえずタンパク」など約80業態を持つWiaas(ウィアーズ、東京・新宿)では、全国約150の加盟者の約8割が既存の飲食店だ。初期費用は無料とし、月商の10%をロイヤルティーとして受け取る。

飲食ビルにシェアキッチン

不動産事業者もゴーストレストランの関連事業に乗り出している。野村不動産は飲食店ビル「GEMS(ジェムズ)田町」に、ゴーストレストランに特化したシェアキッチンを設けた。来店客から調理の様子が見えるオープンキッチンで、3業者が合計35の業態を運営している。配達員が配達番号を入力すると扉が開く商品ロッカーもある。

「配達時にジェムズのチラシを配れば地域の消費者へ効率的に周知できる」(同社)という狙いもあり、今後の飲食店ビルでも導入を検討する。

厨房機器メーカーにとっても商機だ。エレクター(東京・目黒)では、煙を吸引する移動式の調理ワゴンへの引き合いが増えている。「売り上げが立ちそうな地域へ機動的に拠点を変更するゴーストレストランにとって使いやすい」(同社)

調査会社のエヌピーディー・ジャパンによると、21年の料理宅配市場は約7909億円と19年の2倍近い。データ分析のヴァリューズの調べでは、料理宅配アプリの4月の利用者数は1282万人で、14カ月連続で1000万人を超えている。

飲食店の営業利益率はコロナ前で一般的に5%前後にとどまっていた。三井物産戦略研究所の高島勝秀研究員はゴーストレストランについて「同じ設備で他の業態も展開できれば、追加出店や設備投資のコストをかけずに売上高を伸ばすことができ、働き手の有効活用もできる」と評価する。

要の宅配サービス、撤退相次ぐ

宅配に特化したゴーストレストランは、デリバリー事業者がいなければ成り立たない。コロナ禍での特需を狙って外資系事業者が次々と日本市場に参入してきたが、早くも淘汰が始まっている。

「フードパンダ」を展開する独デリバリーヒーローは1月に日本から撤退した。20以上の都道府県に営業網を広げていたが、配達員を確保できなかった。中国・滴滴出行(ディディ)傘下のDiDiフードジャパンも日本での料理宅配サービスを5月25日に終了する。
勝ち組といえるウーバーイーツジャパン(東京・港)には約10万人の配達員がいるが、ネット経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」のため、雇用保険は適用されず、労災保険も自己負担だ。労働環境の改善が大きな課題になっている。

同社や出前館などが参画する日本フードデリバリーサービス協会(東京・渋谷)は3月末、「就業環境整備に関するガイドライン」を示した。著しく低い金額を報酬として定めることを禁じた下請法の規定順守などを求めるなど、ギグワーカーの離反を招かない手立てを進めている。

(河端里咲)

2022-05-14 21:43:00

I cover the legal marijuana industry and its entrepreneurs

Erin Clark/The Boston Globe via Getty Images

米国では2022年、嗜好用や医療用に大麻を購入できる場所がかつてないほど増えており、大麻を解禁に踏み切る州は今後も増える見通しとなっている。ただ、大麻業界の最も厄介な課題はいまだ解決されていないのが実情だ。

米国の州ではここ数年、大麻の使用を合法化する動きが広がり、現在は18州と首都ワシントン、米領グアムで娯楽用の購入が可能になっている。医療目的の使用は大半の州で認められており、少なくとも処罰の対象からは外されている。大麻を全面的に非合法としているのは11州にとどまる。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が起きると、大麻の販売は急増し、医療用のみ合法化している州でさえ伸びた。たとえば、中西部のミズーリ州では医療目的の購入解禁から1年2カ月ほどの間に、販売所は180カ所、売上高は2億ドル(約220億円)超に達した。

州をまたいで事業を展開している大麻関連企業は、医療用のみ合法化されている州にも進出している。大麻関連の不動産投資信託(REIT)を手がけるニューレイク・キャピタル・パートナーズは最近、ミズーリ州で約6500平方メートルの不動産を購入した。同社が米国で不動産を取得したのは11州目だという。

とはいえ、大麻事業者にとっての大きな問題は残ったままとなっている。ひとつは資本へのアクセスだ。西部オレゴン州ポートランドの大麻栽培業者、チャリス・ブランズのメーガン・ミラー最高執行責任者(COO)は「大麻は連邦レベルではいまだに合法化されていないため、資本の流入が非常に制限されている」と話す。

大麻が連邦法では違法なものであるために、大麻関連企業は融資を受けたり、銀行口座を開設したり、クレジットカードをつくったりするのが難しくなっている。また、大麻関連企業による所得税の申告では、一般的には事業経費とされるものが控除できず、利益も出しづらくなっている。

さらに、米国では大麻の営業が難しいことも長年の障害になっていると、大麻濃縮カートリッジを製造するネバダ州ラスベガスの企業、キャンプのアーロン・ニーノCOOは説明する。

ニーノによると、グーグルやフェイスブックは自社のプラットフォーム上での大麻製品の営業に厳しい姿勢をとっており、米国では大麻関連のメールやショートメールを送ることは認められていない。広告する場所がないと、企業が消費者の間で製品の認知度を高めることは困難になる。

一方、ラスベガスの大麻販売店「ザ・ソースプラス」でブランド責任者を務めるティナ・ウルマンは、大麻をめぐる政治状況も変わってきているとみている。

ウルマンによれば、共和党では成人による大麻使用などへの支持がかつてないほど強くなっており、民主党では大麻業界での多様性を高める取り組みが引き続き支持されることが見込まれるという。実際、ニューヨーク州の知事は、大麻業界での公平性を促進する基金に2億ドルを拠出することを明らかにしている。

2022-05-14 21:41:00

 

Blue Titan / Shutterstock.com

米国の大麻販売・情報サイト「リーフリー(Leafly)」は、先月発表した大麻業界の雇用に関する年次報告書で、「合法大麻業界で職を得るのに今ほど適した時期はこれまでなかった」と指摘し、全米で大麻が合法化されれば国内で約175万件の雇用を生む可能性があるとした。

報告書によれば、米大麻業界で現在あるフルタイム相当の雇用は42万8059件。年間の新規雇用件数は昨年、初めて10万件を超えた。米国の金融業界全体の新規雇用件数は約14万5000件、建設業界では約16万5000件であり、大麻業界の急成長ぶりを物語っていると指摘している。

大麻関連の仕事は1年で33%増


大麻関連の新規雇用は21年、前年から33%増加。新型コロナウイルスの流行が続いている中でも、年間雇用成長率は5年連続で27%を超えた。比較して、ビジネス・金融関連の雇用の成長率は今後10年で8%にとどまると米労働省労働統計局(BLS)は予測している。

リーフリーのヨーコ・ミヤシタ最高経営責任者(CEO)は、大麻関連の雇用の成長は他の業界を上回っているのにもかかわらず、連邦法では大麻がいまだに違法とされていることから、連邦政府の労働統計では大麻業界がほぼ無視されていると指摘する。

ミヤシタは「成人向けに大麻を販売する米国初の店が2014年に開店して以降、大麻業界は数十万件の新規雇用を生み出してきたし、これからも多数の雇用を作り出すだろう」と述べ、「中間選挙の年である今年、選出された議員らが大麻は米国を先導する自国産業であるという現実を認識し、全員にとってインクルーシブ(包摂的)で利益性がある大麻業界を実現するという私たちの目標達成を支援することが必要だ」と主張した。

2025年までに5兆円規模に


リーフリーの調査によると、医療目的の大麻使用を合法化した27州と成人の大麻使用を合法化した11州では昨年、合わせて約250億ドル(約2兆9000億円)相当の商品が販売された。これは前年比で60億ドル(約7000億円)以上、33%の増加だ。

ニューヨークやニュージャージー、コネティカット、ニューメキシコなどの州では新たに大麻が合法化されており、大麻市場の規模は25年までに約450億ドル(約5兆2000億円)に達する可能性がある。さらに全米で大麻が合法化されれば、市場規模はこの4倍になる。そうなれば、雇用件数は現在の4倍以上に増え、150万~175万件となると報告書は推定している。

2022-05-08 11:15:00

世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

SMALL GIANTS REPORT 久世良太 サンクゼール代表取締役社長

長野県飯綱町を本拠地とする食のSPA(製造小売業)企業、サンクゼールが海外展開を加速させている。2017年から進出している米国では、コストコなどの小売店を通じた店舗販売に加え、新たにEC事業を手がける現地企業と業務提携。自社商品の販売をさらに拡大する構えだ。

サンクゼールは、味噌や醤油といった全国の食材を扱う「久世福商店」をショッピングモールなどで運営している。バイヤーが生産者のもとを歩き回り、地域にある「本当のうまい食材」を発掘して加工食品にしている点が評価され、「Forbes JAPAN SMALL GIANTS AWARD 2020」ではグローカル賞を受賞。「久世福商店」の店舗数は現在、全国132店にまで拡大しており、「22年3月期は、オープンから18カ月以上経過している店舗の合計の売り上げが前期比で23%成長しました。会社の売上高も140億円を超えています」と代表取締役社長の久世良太は語る。

米国には、オレゴン州の食品工場を買収し、子会社化するかたちで進出。当初は現地の特産である果物を使用したジャムなどを生産し日本向けに輸出するビジネスが主体だったが、現在は米国市場向けの商品展開に舵を切り、「Kuze Fuku&Sons」のブランドで販売している。日本の食文化をそのままもち込むのではなく、「ゆず味噌ドレッシング」など、現地にあわせた商品を開発することで、アジア系の小売店だけでなく、コストコなどの大手の販路を開拓。「進出して3年で米国事業は黒字化しました」と久世は胸を張る。

22年1月には、新たに米BOKKSUとの業務提携を発表した。同社は米国の富裕層を中心に、日本の菓子をサブスクリプションモデルで提供しているスタートアップで、新たに開始したECサイトでサンクゼールの商品を扱う。すでに「あんバター」「なめ茸」など一部商品の販売が開始しており、今後3年間で500アイテムに広げていく方針だ。久世は、「まずは海外売上比率を10%、20%と増やしていく。15年後には国内と同等の規模に拡大したい」と意欲を示している。


くぜ・りょうた◎1977年生まれ。2002年、電気通信大学大学院修了後、セイコーエプソン入社。05年、サンクゼール入社。経営サポート本部長などを経て17年より現職。「Forbes JAPAN SMALL GIANTSAWARD 2020」関東甲信越大会グローカル賞。