インフォメーション
米国農務省は、1月12日(現地時間)、2014/15年度の9回目の世界及び主
要国の穀物・大豆に関する需給見通しを発表しました。その概要は以下のと
おりです。
-2014/15年度の穀物全体及び大豆の生産量は消費量を上回る見込み-
1.世界の穀物全体の需給の概要(見込み)
(1)生産量
24億7,119万トン(対前年度比 0.02%増)
(2)消費量
24億5,376万トン(対前年度比 1.3%増)
(3)期末在庫量
5億1,890万トン(対前年度比 3.5%増)
(4)期末在庫率
21.1%(対前年度差 0.4ポイント増)
《主な品目別の動向》
〈小麦〉
生産量は、米国で乾燥及び4月の低温、豪州は南東部で10月の乾燥の影響に
より減少、カナダ等でも減少するものの、EUで春から初夏にかけての好天に
よる増加、ロシア、中国の単収上昇等から、世界全体では史上最高となる見込
み。また、消費量もEU等で増加することから史上最高となる見込み。世界全
体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より上昇。
(1)生産量
7億2,338万トン(対前年度比 1.1%増)
・EU、ロシア、中国等で増加、カナダ、豪州等で減少
(2)消費量
7億1,319万トン(対前年度比 1.3%増)
・EU、中国等で増加
(3)期末在庫量
1億9,600万トン(対前年度比 5.5%増)
・EU、ロシア、米国等で増加、カナダ等で減少
(前月に比べ、ロシア等で上方修正)
(4)期末在庫率
27.5%(対前年度差 1.1ポイント増)
〈とうもろこし〉
生産量は、ウクライナで通貨安に伴う資材コストの上昇による単収低下及び
晩夏の高温・乾燥、ブラジル、アルゼンチンで作付面積減少により減少するも
のの、米国で記録的な高単収、EUで7月の豊富な降雨量と生育に適した気温
により増加すること等から、世界全体では史上最高となる見込み。また、消費
量も米国、中国等で増加することから史上最高となる見込み。世界全体の生産
量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より上昇。
(1)生産量
9億8,808万トン(対前年度比 0.04%増)
・米国、EU等で増加、中国、ブラジル、ウクライナ、アルゼンチン等で減少
(前月に比べ、米国で下方修正)
(2)消費量
9億7,116万トン(対前年度比 1.9%増)
・米国、中国等で増加
(3)期末在庫量
1億8,915万トン(対前年度比 9.8%増)
・米国等で増加
(前月に比べ、米国で下方修正)
(4)期末在庫率
19.5%(対前年度差 1.4ポイント増)
〈米(精米)〉
生産量は、中国、米国等で増加するものの、インドでモンスーン到来の遅れ
による作付遅延から収穫面積減少が見込まれ減少することから、世界全体では
前年度を下回る見込み。また、消費量は中国、インドネシア等で増加すること
から史上最高となる見込み。世界全体の生産量は消費量を下回り、期末在庫率
は前年度より低下。
(1)生産量
4億7,547万トン(対前年度比 0.3%減)
・インド等で減少
(2)消費量
4億8,333万トン(対前年度比 0.7%増)
(3)期末在庫量
9,900万トン(対前年度比 7.4%減)
・インド等で減少
(4)期末在庫率
20.5%(対前年度差 1.8ポイント減)
2.世界の大豆需給の概要(見込み)
生産量は、米国、ブラジルで収穫面積の増加と単収の上昇により共に史上最
高となること、大豆がとうもろこしに比べ価格優位にあること等から、世界全
体では史上最高となる見込み。また、消費量も中国、アルゼンチン等で増加す
ることから史上最高となる見込み。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末
在庫率は前年度より上昇。
(1)生産量
3億1,437万トン(対前年度比 10.8%増)
・米国、ブラジル等で増加
(2)消費量
2億8,625万トン(対前年度比 5.1%増)
・中国、アルゼンチン等で増加
(3)期末在庫量
9,078万トン(対前年度比 37.2%増)
・ブラジル、米国、アルゼンチン等で増加
(4)期末在庫率
31.7%(対前年度差 7.4ポイント増)
使い捨てレジ袋への規制 ~ニューヨーク市における導入の行方~
ニューヨーク事務所
全米で徐々に広まりつつある使い捨てレジ袋に対する規制をめぐり、ニューヨーク市の現
状を報告します。
1 ビニール製レジ袋禁止の動き
2014 年9月 30 日、カリフォルニア州の Jerry Brown 知事が、スーパーなどの小売店
におけるビニール製の使い捨てレジ袋を禁止する法案に署名しました。これに伴い、2015
年7月からは大型スーパーで、2016 年7月からは、コンビニエンスストアなど小規模小売
店においても、ビニール袋の配布は完全に禁止されます。レジ袋が欲しい人は、有料の紙袋
を購入しなくてはなりません。同様の条例は、サンフランシスコ市(2007 年)やロサンゼ
ルス市(2010 年)、シアトル市、サンノゼ市(2012 年)などで既に施行されていますが、
州レベルでは初めての試みとなります。
筆者も、出張でシアトル市に滞在した際、スーパーでビニール製のレジ袋が欲しいと告げ
たところ、「法律で禁止されている」と断られた経験があります。シアトル市では、少量であ
ろうと大量であろうと、スーパーで提供されるのは全て紙袋でした。シアトル市のウェブサ
イトによると、シアトル市では 2012 年7月1日よりビニール製のレジ袋の配布が原則禁止
されました。買い物客はレジ袋が欲しければ、再生紙で作られた紙袋を5セントで購入しな
ければなりません。
2 ニューヨーク市の現状
現在、ニューヨーク市では、上記のようなレジ袋に対する規制は行われていません。街中
のコンビニエンスストアやスーパーで買い物をすると、レジ袋が無償で配布されます。市内
の多くの店ではビニール製が使われており、紙袋の配布は一部のスーパーでのみ見ることが
できます。ニューヨーク市衛生局(Sanitation Department)によると、ニューヨーク市で
は年間約 52 億枚もの使い捨てレジ袋が使われており、それらの埋め立て処分に年間1千万
ドルのコストが費やされているとのことです。また、残念なことにそれらの一部は路上や公
園に捨てられ、時に側溝を詰まらせたり、時に鳥などの野生動物を危険にさらすなど、環境
にも悪影響を及ぼしています。
このような現状の中、ニューヨーク市においても使い捨てレジ袋に対して何らかの規制を
課すべきだという声が従来から挙げられています。既に規制を導入したロサンゼルス市では、
使い捨てレジ袋の使用は 95%減少したと言われています。ごみの削減、そして処理に係る
公的コストを抑えるという点で、規制が非常に有効であることが証明されたことで、この流
れをニューヨーク市にも取り込みたい、と規制推進派は考えています。
現在、ニューヨーク市議会議員 Brad Lander 氏の提唱により議論されているのが、ビニ
ール製・紙製を問わず、使い捨てレジ袋の使用にあたっては一律 10 セントを店側が徴収す(CLAIR メールマガジン 2015 年 1 月配信)
2
る、という案です。なお、徴収された代金については、店側の収入になるとされています。
サンフランシスコ市やシアトル市などと異なり、ニューヨーク市がビニール製レジ袋を禁止
にしないのは、表向きにはリサイクルビニール袋の導入がかなり進んでいるためと言われて
いますが、一方でビニール袋製造業者などプラスチック業界からの大きな反発を避けるため、
との声もあります。
本案については、2013年ニューヨーク市議会に法案として提出され議論が行われまし
たが、賛成議員の不足により、否決に終わっています。しかし、推進派議員はその後も、環
境保護団体を始めとする有志と共に、様々なアピール活動を行っています。その甲斐あって
か、現時点では、この案に対しては 20 名の市議会議員が賛成の意向を示しています。しか
し、法案通過に必要な 26 名には依然不足している状態です。ちなみに、2014年1月に
就任した Bill de Blasio 現ニューヨーク市長は、この問題に対しては立場を明確にはしてい
ません。
3 ニューヨーク市導入がもたらすインパクト
前述のとおり、現在ニューヨーク市で議論されている案では、ビニール製レジ袋の配布自
体は禁止されていません。そのため、ロサンゼルス市のような劇的な効果が期待できるかと
言えば、少々疑問が残ります。しかしながら、全米のみならず世界屈指の大都市ニューヨー
クにおいて一定のレジ袋規制を導入することは、今後の流れに大きなインパクトをもたらす
ことが予想されます。
(藤井所長補佐 広島市派遣)
宮城県が姉妹提携先のデラウェア州の高級スーパーで「宮城フェア」を 開催
ニューヨーク事務所
2014 年 10 月 25 日(土)から 26 日(日)まで、宮城県は、姉妹県州を締結するデラ
ウェア州の、現地富裕層向けの高級スーパー「ジャンセンズマーケット」において、県産品
を試食販売する「宮城フェア」を開催しました。
1 「宮城フェア」実施までの経緯について
宮城県とデラウェア州は、1997 年から姉妹県州提携を締結しています。姉妹県州締結後
は、中・高校生の派遣など人的交流を中心に交流を行ってきましたが、2007 年に、村井県
知事がデラウェア州を訪問し、当時のミナー州知事と経済交流の促進について合意したこと
を受けて、近年では経済交流に力を入れています。
昨年度までは、宮城県が主体となり、県産品の紹介イベントなどを開催してきましたが、
今年度は、同州では初となる、商社を通じて県産品を試食・販売する「宮城フェア」を開催
することとなりました。
2 「宮城フェア」の概要について
フェアを行ったジャンセンズマーケットは、
いわゆる日系スーパーではなく、現地富裕層
向けのスーパーです。そのため、スーパーの
顧客には、県産品の知識はありません。これ
に対し県は、国際交流員のアドバイスを受け、
仙台味噌はクリームチーズと混ぜたディップ、
白石うーめんはパスタ風にするなど、県産品
を現地用にアレンジした試食品と、そのレシ
ピを提供しながら販売しました。
また、スーパー店内には、七夕飾りを設置
するとともに、宮城県のパンフレットを配布
しました。多くの方は宮城県とデラウェア州
が姉妹県州の関係にあることを知らず、「初め
て知った」と言ってパンフレットを受け取る
方もいました。フェアの最中には、県のマス
コットキャラクターである「むすび丸」も登
場し、子どもたちと触れ合うなど、多くの方
に宮城県とデラウェア州の関係を知ってもら
う機会となりました。
ジャンセンズマーケット店内に設置した
仙台七夕祭りの飾り
試食販売の様子(CLAIR メールマガジン 2015 年 1 月配信)
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3 「宮城フェア」の成果と今後の展望について
販売した県産品は、完売しました。
特に、仙台味噌については、試食に対する反応や売り上げるペースが良く、スーパー側か
ら継続的な販売の申し出を受けました。今後
は、販売個数など、具体的な調整をする予定
です。
今回のフェアでは、アメリカで商品を売る、
ということについて考えさせられました。ジ
ャンセンズマーケットの顧客のほとんどは現
地の方々であり、日本の食材にあまり馴染み
はありません。このような方々に対して県産
品をアピールする方法として、国際交流員か
らアドバイスのあった「試食」と「レシピの
提供」は非常に有効だと感じました。
特に、試食については、日本のものを日本
で食べているように提供したとしても、日本
の食材に馴染みのない方々には受け入れられ
ず、今回のように全品が完売するという成果
にはならなかったと思います。アメリカの生
活スタイルや食事にマッチングするようにア
レンジして出す工夫をしたからこそ、現地の
方に買っていただくことができたのだと思い
ます。
レシピについても、具体的な食材の調理方
法を提供することで、その食材をより身近に
感じさせる助けになったのではないかと感じました。
今後は、今回の成果を踏まえ、商社を通じて仙台味噌を継続的に販売していくために、よ
り具体的な調整を行っていく予定ですので、今後の動きを注視していきたいと思います。
(松浦所長補佐 宮城県派遣)
http://www.clair.or.jp/j/forum/c_mailmagazine/201501_1/4.pdf
ビール4社の2015年度事業方針が出そろいました。国内ビール市場の縮小が続いていますが、ザ・プレミアム・モルツやヱビスなど価格が高めのプレミアムビールは伸びています。その中で、注目は作り手の顔が見えるクラフトビールです。何十種類もを扱うクラフトビアバーが目に付きます。しかし、クラフトビールは日本ではまだビール市場の中で1%もありません。
米国も同様にビール市場は縮小していますが、クラフトビールの市場構成比は2013年で8%にもなり、伸び率は17%もある注目のジャンルです。全米で2800もの醸造所があるそうです。ちなみに、日本では200ヶ所。主に日本酒メーカーが新事業として取り組んでいます。
このクラフトビールにいちはやく目を付けたのはキリンビール。昨年、長野県のヤッホーブルーイングと資本提携しました。そして、2015年、日本の大手ビール各社も取り組み始めます。
キリンビールは、「スプリングバレーブルワリー」ブランでブルワリー併設店舗を東京・横浜で今春オープンします。そこで作られた様々なビールを一般にも販売していくようです。
アサヒビールは2月に新ブランド「クラフトマンシップ」を立上げ、ドライポーターやドライペールエールなど様々なテイストのビールを販売します。嗜好が多様化する中、既存の大型ブランドとは異なる味わいのクラフトビールで顧客を広げます。
サッポロビールも今夏をめどに参入すると発表しました。専門子会社を通じて原料や製法にこだわったビールを開発します。
3社と異なり、サントリーだけは少し異なります。ザ・プレミアム・モルツのシリーズとして「マスターズドリーム」というプレミアムビールを3月に発売します。「醸造家のこだわり・想いが込められた夢のビール」というコンセプトです。
顧客は多様なテイストを求めているとサントリーも感じていますが、昨年10月に発足したサントリービール株式会社のテーマは「最高のうまさで、ワクワクさせたい」。クラフトビールの特徴である多様性はひとまず置いて、企業としての最高のうまさを追求するとういうスタンスです。
消費者は、多様性を求めているのか、最高を求めているのか。ようやく日本でもビール各社の考え方が分かれてきました。面白いビール年になりそうです。
(安田 正明)
