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2015-01-17 13:47:00

使い捨てレジ袋への規制 ~ニューヨーク市における導入の行方~
ニューヨーク事務所
全米で徐々に広まりつつある使い捨てレジ袋に対する規制をめぐり、ニューヨーク市の現
状を報告します。
1 ビニール製レジ袋禁止の動き
2014 年9月 30 日、カリフォルニア州の Jerry Brown 知事が、スーパーなどの小売店
におけるビニール製の使い捨てレジ袋を禁止する法案に署名しました。これに伴い、2015
年7月からは大型スーパーで、2016 年7月からは、コンビニエンスストアなど小規模小売
店においても、ビニール袋の配布は完全に禁止されます。レジ袋が欲しい人は、有料の紙袋
を購入しなくてはなりません。同様の条例は、サンフランシスコ市(2007 年)やロサンゼ
ルス市(2010 年)、シアトル市、サンノゼ市(2012 年)などで既に施行されていますが、
州レベルでは初めての試みとなります。
筆者も、出張でシアトル市に滞在した際、スーパーでビニール製のレジ袋が欲しいと告げ
たところ、「法律で禁止されている」と断られた経験があります。シアトル市では、少量であ
ろうと大量であろうと、スーパーで提供されるのは全て紙袋でした。シアトル市のウェブサ
イトによると、シアトル市では 2012 年7月1日よりビニール製のレジ袋の配布が原則禁止
されました。買い物客はレジ袋が欲しければ、再生紙で作られた紙袋を5セントで購入しな
ければなりません。
2 ニューヨーク市の現状
現在、ニューヨーク市では、上記のようなレジ袋に対する規制は行われていません。街中
のコンビニエンスストアやスーパーで買い物をすると、レジ袋が無償で配布されます。市内
の多くの店ではビニール製が使われており、紙袋の配布は一部のスーパーでのみ見ることが
できます。ニューヨーク市衛生局(Sanitation Department)によると、ニューヨーク市で
は年間約 52 億枚もの使い捨てレジ袋が使われており、それらの埋め立て処分に年間1千万
ドルのコストが費やされているとのことです。また、残念なことにそれらの一部は路上や公
園に捨てられ、時に側溝を詰まらせたり、時に鳥などの野生動物を危険にさらすなど、環境
にも悪影響を及ぼしています。
このような現状の中、ニューヨーク市においても使い捨てレジ袋に対して何らかの規制を
課すべきだという声が従来から挙げられています。既に規制を導入したロサンゼルス市では、
使い捨てレジ袋の使用は 95%減少したと言われています。ごみの削減、そして処理に係る
公的コストを抑えるという点で、規制が非常に有効であることが証明されたことで、この流
れをニューヨーク市にも取り込みたい、と規制推進派は考えています。
現在、ニューヨーク市議会議員 Brad Lander 氏の提唱により議論されているのが、ビニ
ール製・紙製を問わず、使い捨てレジ袋の使用にあたっては一律 10 セントを店側が徴収す(CLAIR メールマガジン 2015 年 1 月配信)
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る、という案です。なお、徴収された代金については、店側の収入になるとされています。
サンフランシスコ市やシアトル市などと異なり、ニューヨーク市がビニール製レジ袋を禁止
にしないのは、表向きにはリサイクルビニール袋の導入がかなり進んでいるためと言われて
いますが、一方でビニール袋製造業者などプラスチック業界からの大きな反発を避けるため、
との声もあります。
本案については、2013年ニューヨーク市議会に法案として提出され議論が行われまし
たが、賛成議員の不足により、否決に終わっています。しかし、推進派議員はその後も、環
境保護団体を始めとする有志と共に、様々なアピール活動を行っています。その甲斐あって
か、現時点では、この案に対しては 20 名の市議会議員が賛成の意向を示しています。しか
し、法案通過に必要な 26 名には依然不足している状態です。ちなみに、2014年1月に
就任した Bill de Blasio 現ニューヨーク市長は、この問題に対しては立場を明確にはしてい
ません。
3 ニューヨーク市導入がもたらすインパクト
前述のとおり、現在ニューヨーク市で議論されている案では、ビニール製レジ袋の配布自
体は禁止されていません。そのため、ロサンゼルス市のような劇的な効果が期待できるかと
言えば、少々疑問が残ります。しかしながら、全米のみならず世界屈指の大都市ニューヨー
クにおいて一定のレジ袋規制を導入することは、今後の流れに大きなインパクトをもたらす
ことが予想されます。
(藤井所長補佐 広島市派遣)