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2024-07-18 12:26:00

コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-

2024.07.03 代表取締役社長 松田久一

 

 「内食」銘柄が好調だ。25年4月の純利益予想で、食品スーパーのヤオコーが33年連続の187億円(対前年103%)、キッコーマンが12年連続の576億円(対前年102%)である。両社は、関西などの人口減少の影響を受けにくい。寧ろ、両社の拠点がある首都圏は人口が増加している。こうした人口統計的な変化を背景として、コロナ禍を契機とするいわゆる「内食激変」の変化の恩恵を強く受けている。キッコーマンについては、インバウンドの回復とそれにともなう世界的な日本食人気も成長に寄与している。生の魚を食する文化が普及し、生食には醸造醤油が不可欠である。

 さらに、決定的な要因は「内食激変」が変化していることだ。食品関連の市場を捉える際に、家で食べる食事を「内食」と呼び、レストランやファーストフード店などの食事を「外食」と呼んでいる。そして、コンビニや食品スーパーで調理済み食品や総菜を買って食べる食事を「中食」としている。1日3食と仮定すると、年間、約1200食である。夕食はおよそ400食である。その内訳をコロナ禍前の2017年と2023年で比較してみる(図表「ふだんの平日の夕食」)。



 この任意の日の夕食の実態から確認できることは三つである。ひとつは、コロナ前中後で、内食は微減、中食はコロナ禍で増加。コロナ後に減少した。コロナ前に比べて微増し、外食は一貫して減少している。内食では予想(コロナ禍で内食が増えているはずだ。)に反してコロナ化で減少し、コロナ後は80%まで微増している。

 ふたつは、「調理済み食品」を活用した、いわゆる会社でのランチの「コンビニ飯」などの中食の比重はコロナ禍では約22%を占めるが、コロナ後は増加傾向にはない。外食は、コロナ前と比較して明らかに低下していることである。

 三つ目は、大きく変化しているのは、「手作り内食」が減少し、コロナ禍で減少していた惣菜、レトルト商品などを活用した「加工内食」約5%のが漸増をしていることである。

 コロナ禍前と後では、明らかに食トレンドが変化している。単身世帯比率の上昇、女性の社会進出の増加、男性の家事分担意識の高まりが、「手作り内食」から「加工内食」への流れを生み出している。

 内食から中食へ、「週一で星付きレストランへ」という流れは断ち切られて、家で食べること、生鮮三品からの調理加工、そして一品を増やす惣菜の活用、インスタント食品に手を加えるという加工内食へと変化している。

 これは、ヤオコーのとってきた惣菜などに重点を置く戦略と一致するとともに、2社の好業績の要因となっている。

 しかし、内食だからといって、家族団らんの夕食が戻ってきたと推定するのは早計だ。単身世帯が増え、それ以外の夫婦のみの世帯や子供のいる世帯の家族の食事時間はバラバラであるからだ。また、物価高で節約意識が高まり、割安な内食が選好されているのでは、という見方もあるが、内食コストは、調理スキルと家族数によるので、必ずしも割安とは限らない。レトルトカレーと手作りカレーのコスト比較をすると、よほどの調理スキルがあり、家族数がないと割安にはならない。夕食ではなく、趣味になってしまう。

 このことから、加工内食比率の高まりは、内食のコストベネフィット構造が変わったことにありそうだ。内食のコストは、材料費、調理時間、片付け時間、水道高熱や調理器具などが主なものである。ここで、調理時間は収入によって違う機会費用になるので、高収入層は内食比率が低くなると予想できるが、実は高い。

 従って、問題はベネフィットである。ベネフィットは、素材から選べる、メニュー選択の自由さ、味の多様性などである。

 仮説として考えられるのは、メニューの自由さと味の多様性である。生理的欲望が高度化し、食への欲望が自己実現になった現在、生きがい、知的欲望や異文化体験などの様々な欲望を満たす対象になっている。実はこの欲望は、四季が明確で、多種多様な農林水産物がとれる日本の食文化の帰結でもある。季節ごと、52週ごと、1,200食ごとに違った魚や野菜が食べられる国はない。欧米の食事は、フレンチの元になったイタリアを除き、決まり切ったものである。そもそも生で魚を食べる文化はない。加工内食比率が高い背景の分析は、2025年度の消費白書で検証してみたい。多様性の豊かさを享受し、同時に、手間と調理コストを最小化するバランス感覚が加工内食を押し上げているようだ。

MNEXT コロナ禍の前中後の内食もどりはあったのか? -食欲望の現在-(2024年) - MNEXT (jmrlsi.co.jp)

 


2024-07-18 12:23:00

アメリカ最大の食料品チェーン「ウォルマート」が誇る、最新鋭の生鮮品配送センターをのぞいてみた

食料品配送センター

テキサス州ランカスターにできた食料品配送センター。

Walmart

  • ウォルマートはアメリカ最大の食料品チェーン店だ。
  • 同社は生鮮食品をより早く店頭に並べるため、AI(人工知能)を大いに活用している。
  • ウォルマートの最新鋭の生鮮品配送センターをのぞいてみよう。

ウォルマートはアメリカ最大の食料品チェーン店だ。他のどの小売店よりも、多くの買い物客がここで食料品を購入している。

全米およそ4600店舗で常に十分な在庫を確保するために、同社はパレットに載せられた商品を受け取ったり、仕分けしたりする42の地域配送センターからなる"広大なネットワーク"に頼っている。

7月10日、ウォルマートは肉や乳製品、野菜や果物といった生鮮品を扱うために設計された、AIを搭載した最新鋭の冷蔵倉庫の1つを公開した。

同社によると、2つの新しい倉庫が完成し、さらに3つが建設中だ。また、既存の5つの生鮮品配送センターも同様のテクノロジーを導入し、アップグレードするという。

最新の配送センターをのぞいてみよう。


トラックは1種類の商品だけを積んだパレットを載せてセンターにやってくる

配送センターの様子

 

Walmart

到着した商品のチェックは人間が行う。

フォークリフト・オペレーターが到着したパレットを、荷ほどきをする機械のところへ移動させる

作業の様子

 

Walmart

自動化(オートメーション)によって、人間はよりスキルを必要とする仕事に集中できるとウォルマートは説明している。

機械がパレットを持ち上げ、中身をスキャンして…

機械

 

Walmart

「わたしたちは何がどれだけ、どこにあるか、全てほぼリアルタイムで把握しています」とウォルマートのサプライチェーン担当のエグゼクティブ・バイスプレジデント、デイブ・グッジーナ(Dave Guggina)氏はCNBCに語った。

来日した専門家が明かす「日本の驚くべき慣習」
来日した専門家が明かす「日本の驚くべき慣習」
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「手作業や昔ながらのソフトウェアでやっていた頃よりも大幅に改善された能力で、それを把握しているんです」

ベルトコンベアでそれぞれの箱を移動させ、保管する

ベルトコンベア

 

Walmart

自動化とトラッキング(追跡)によって、ウォルマートは顧客の需要をより正確に予測し、適切な量の在庫を手元に置くことができるいう。

この施設が特別なのは、全ての商品が要冷蔵ということだ… このクリームチーズのように

クリームチーズ

 

Walmart

ウォルマートは以前、「常温保存可能な」配送センターで同社の自動化技術を公開していた。

棚の高さは一番高いところで80フィート(約24メートル)あって、全てロボットを使ってアクセスする

棚

 

Walmart

垂直方向のスペースが増えたことで、アマゾンと同じように、サードパーティーの販売業者向けのフルフィルメント・サービスを拡充できるようになったという。

従業員が商品の流れに目を光らせる

従業員

 

Walmart

自動化されたとはいえ、この倉庫では今も約500人のスタッフを必要としていて、最初は時給20~34ドル(約3200~5400円)でスタートするという。

店舗が必要な在庫を報告すると、AIがパレットの上に商品をどう組み合わせて載せるのが最も効率的かを割り出す

パソコン画面

 

Walmart

また、卵や果物のような取り扱いに注意が必要な商品は、積み荷の一番上に置かれる。

店舗従業員の補充作業ができるだけシンプルに済むよう、パレットに商品を載せることを目指しているという

積み荷

 

Walmart

システムは、商品が特定の店舗のどの通路に向かっているかまで正確に把握している。

施設のあちこちから商品を集めてくるのは、ロボットの仕事だ

施設内の様子

 

Walmart

ウォルマートのCFOジョン・デイビッド・レイニー(John David Rainey)氏は、昔ながらの自動化されていないシステムについて「配送センターでは、従業員の1人が1日に10マイル(約16キロメートル)も歩いたり、何千ポンドも持ち上げたり、パレットを動かしたりしている」と指摘した。

アメリカ最大の食料品チェーン「ウォルマート」が誇る、最新鋭の生鮮品配送センターをのぞいてみた | Business Insider Japan

 


2024-07-18 12:21:00

日本コカ・コーラやサントリー、「ファミペイ」に専用ページ開設へ ファミマ幹部が語った狙いは?

2024年07月16日 17時00分 公開
[昆清徳,ITmedia]

 ファミリーマートは7月16日、自社アプリ「ファミペイ」上において、メーカーがさまざまなサービスを消費者に提供できる「Digital Partnership Program」を開始すると発表した。同日開催されたファミマのデジタル戦略説明会の場で、国立冬樹氏(デジタル事業本部 デジタル事業部長)がその詳細を明らかにした。

ファミマのアプリ「ファミペイ」を強化する(出所:ファミリーマート公式Webサイト)

 同プログラムでは食品メーカーなどの企業がファミペイ上に専用ページを開設可能となる。各企業は、消費者に対して新商品情報を独自に訴求したり、クイズ・アンケートを実施したりといったことが可能となる。

 これまで、ファミペイ上ではさまざまなクーポンを一斉に配布することが多かったが、今後は企業ごとに対象を絞り込める見込みだ。

サービスのコンセプト(提供:ファミリーマート、以下同)

 また、こうした施策や広告の掲出により得られたデータをメーカーとファミマが共有できるという。

 まず、同プログラムに日本コカ・コーラ、サントリー、サントリーフーズの3社が参加する。他のパートナー企業も今後増える予定だという。国立氏は、サントリーを含めた3社について「業界で最先端のマーケティング活動をしている」と説明。新たな取り組みに巻き込むことで、同プログラムを成功させたいと意気込んだ。

メーカーと一緒にサービスを作り込む

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2024-07-18 12:16:00

ファミリーマート/リテールメディアで事業利益50億円の目標、5合目に到達

2024年07月16日 17:47 / IT・システム

ファミリーマートは7月16日、「カスタマーリンクプラットフォームPowerUP~筋トレ大作戦~」をテーマに都内の本社でデジタル説明会を開催した。

細見研介社長は、「昨年、発表したリテールメディア事業において3年後に事業利益で50億円、5年後に100億円を目指すとした目標については、感覚的に言うと5合目まできた」と述べた。

<細見社長>

同社は昨年7月7日、全国1万6500店の店舗のサイネージや接客のほか、アプリ、SNSなど店舗以外のデジタルでの接点、店舗での買い物体験を向上させる決済、金融サービスの提供などを通じて、お客といつでもつながれるカスタマーリンクプラットフォーム構想を発表した。

その中核として、リテールメディアの開発を進め、デジタルサイネージなどを活用し、店舗をメディア化するとともに、1500万ダウンロードを超えるファミペイアプリなどのデジタル接点を通じて、お客に寄り添った買い物体験の構築に挑んでいる。

大型デジタルサイネージを3面組み合わせた、ファミリーマートビジョンは、計画通り1万店に設置を完了し、1日に1000万人にリーチできている。

2019年に本格始動したファミペイや金融事業を担う「ファミマデジタルワン」、2020年に設立したデータ収集・分析を行い広告代理店機能を持つデータ・ワン、2021年に設立したしたファミリーマート店舗にデジタルサイネージを展開するゲート・ワンのメディア関連事業の子会社3社は、2023年度で営業黒字化を達成したという。

<ファミマメンバーズプログラム>

2024年度のパワーアップ施策として、7月2日から、「ファミペイ」を提示して買い物すると、月間の来店回数と購入金額に応じて、翌月のランクが決定し、ランクに応じて特典を進呈するファミマメンバーズプログラムを導入した。

なお、ファミペイアプリは1年前の1500万ダウンロードから2000万ダウンロード(前年対比約30%増)としているが、プログラム導入後のアプリ会員の獲得は、以前の5倍を超えるスピードに拡大した。

ファミペイアプリと連携できるミニアプリをパートナー企業に開放することで、パートナー企業がファミペイアプリに独自にクーポンなどを配信できる仕組みを設けた。

ファミペイアプリでは、新たに来店客にアプローチできるビーコンを活用した新サービスを1万4800店に導入し、リアルタイムでの情報発信とファミリーマートビジョンと連携した販促を展開する。

ファミリーマートビジョンは、追加で2000台を増設する予定で、大都市圏を中心に、消費者が多く、インバウンド需要に期待できる地域への設置を進め、ファン作りを推進する。

設置店舗数が拡大することにより、1週間の最大リーチ数は約6400万人から、7700万人に拡大し、TV、雑誌といった既存メディア、行政機関、イベントなど、さまざまな連携を拡大することで、リテールメディアの可能性を広げる。

配信力の強化として、実購買情報データを基に、NTTドコモが保有する会員約5000万ID以上へリーチが可能な新サービスも開始。さらに、アプリ起動時の全面広告を開始することで、ユーザーリーチ数を2000万人に拡大、広告インパクトを3倍にパワーアップする。

ファミリーマートビジョンの広告出稿主は、2024年度は前年対比70%増の約250社以上の見込み。業種別割合では、具体的な販売商品がないエンタメ、金融・保険・不動産、アプリ・ネット、医療・製薬、人材関連、官公庁自治体といった企業が約60%を占めている。食品、飲料、酒、日用雑貨といった具体的な商品を店舗で販売する企業は約40%となっており、販売促進だけでなく、認知度の拡大や純粋な情報発信といったことにも対応できる、店舗のメディア化が進んでいる。

金融機能である「ファミペイ翌月払い」の会員は、1年間で60%増加し、10万人が28万人となった。また、板カードのないクレジットカード、ファミペイバーチャルカード会員は、1年間で10倍に増加、15万人が150万人となった。

ファミペイは、銀行チャージ、クレジットカードチャージ、ファミペイ翌月払いチャージ、店頭チャージの4つに対応しているが、現在11行で対応している銀行チャージを100行以上に拡大する計画だ。

来春には、バーチャルカードに加えて、リアルカードを発行する。リアルカードを発行することで、ファミペイの利用可能カ所を267万カ所から、ガソリンスタンドや鉄道改札、海外加盟店など全JCB加盟店の国内外4900万カ所に拡大する予定だ。

<戦略発表会でのフォトセッション>

細見社長は、「コロナの期間が3年間あり、日本だけでなく世界中の方々が苦しんだ。その3年間に、プロジェクトの企画段階から準備を行ってきた。それは、情熱がなければできない。この2年ぐらいをかけて、一気に1万店に(ファミリーマートビジョンを)設置した。これは、日本では初めての取り組みだが、アメリカでは、ウォルマートをはじめとして、リテールメディアが全盛を極めそうだということが、5年ぐらい前からリサーチで分かっていた。『これから、日本でも必ずリテールメディアの時代が来る』ということを信じて、この5年間、準備も含めて、事業会社も3社も設立し、営々とやってきた。ようやく日本でも、リテールメディアが、当たり前に言われるような時代になってきた。日本で、ファミリーマートがリテールメディアの時代を切り開いたということで、我々は自負を持っている」とリテールメディア事業に対する想いを語った。

■ファミリーマートの関連記事
ファミリーマート/「リテールメディア事業」3年後事業利益50億円達成は可能

ファミリーマート/リテールメディアで事業利益50億円の目標、5合目に到達 | 流通ニュース (ryutsuu.biz)

「商品の販促だけではない」 ファミマのデジタルサイネージは”店舗のメディア化”を加速させるか?

2024年07月16日 20時05分 公開
[三好一葉,ITmedia]

 ファミリーマートは7月16日、報道関係者向けにデジタル戦略に関する説明会を実施。デジタル事業部長の国立冬樹氏は、デジタルサイネージを活用した同社のメディア事業「FamilyMartVision」について、「この1年で広告メディアとして急速に認知され、進化した実感がある」と手応えを語った。

photoデジタルサイネージの活用を加速させるファミリーマート(画像は編集部撮影)

 デジタルマーケティングの導入を加速するファミマは、2020年にFamilyMartVisionの設置を開始。伊藤忠商事との合同で設立したゲート・ワン(東京都港区)がレジ上の3連大型ディスプレイを通して、商品、サービスのプロモーション、エンタメ情報といった映像コンテンツを配信している。

 現在、設置数は1万店舗を突破しており、1週間の最大リーチ数は6400万人ほど。今後も大都市圏を中心に設置数を1万2000店舗に拡大し、1週間の最大リーチ数は7700万人を目指すという。

photo1万2000店舗への拡大を目指すという(画像は同社提供)

 広告出稿主の数も急増した。2024年度には、前年比70%増となる約250社に到達。業種の内訳を見ると、当初は店頭商品の販売促進を目的とした、食品や飲料などを扱う企業からの出稿が多かったが、現在ではエンタメや金融といった、商品の取り扱いがない企業の割合が6割に及んでいるという。

photoFamilyMartVisionへの広告主数の推移(同上)
photo出稿企業の業種別割合(同上)

 FamilyMartVisionは今後、どのように変化していくのだろうか。運営するゲート・ワン(東京都港区)の速水大剛CCOは、今期に最も力を入れたい取り組みとして「メディアや自治体、イベントとの連携」を挙げる。

 他メディアとの連携としては、2023年11月に実施した名古屋テレビの情報番組『ドデスカ!』とのコラボがある。この時には、同番組内でファミマとのコラボ商品「プリンアラモード風オムレット」「厚切り小倉&マーガリン」などを開発し、そのプロセス自体をコンテンツ化して放送。FamilyMartVisionで番組とのコラボCMを放送することで、番組をPRすると同時に、商品の売り上げ増を図った。

photo『ドデスカ!』とのコラボ商品(出所:プレスリリース)

 さらに店舗網のネットワークを生かし、自治体との連携も強化する。2024年7月には、30の都道府県、大塚製薬、ファミマの3者が連携してキャンペーンを実施。地域のキャラクターや方言を登場させるなど、都道府県ごとに異なる種類のコンテンツを展開し、熱中症対策を呼びかけた。

 速水氏は、「各自治体にも非常に前向きに取り組んでいただけて、公共メディアとしての可能性が拡大した。今後もこういった連携を通じて、リテールメディアとしての可能性を広げていきたい」と意気込みを見せた。

photo大阪府で展開した熱中症対策啓発広告のイメージ(同上)

 


2024-07-05 20:55:00

日本人女性が米国で「新進シェフ賞」を受賞、チアリーダーから料理の世界へ

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ジェームズ・ビアード財団賞で2024年の「新進シェフ賞」を受賞した森下昌子氏(The Washington Post via Getty Images)

ジェームズ・ビアード財団賞の2024年「新進シェフ賞」を受賞した森下昌子は、米国ワシントンD.C.にある日本料理店「Perry’s(ペリーズ)」でシェフを務めている。同店は、特に「日本のコンフォートフード」を専門としている。コンフォートフードとは、食べるとホッとする安心感や幸福感を呼び起こす、子供のころに食べた家庭料理を思わせるようなシンプルな料理のことだ。森下によれば、このような料理は、日本のお母さんたちが昔から作ってきたものだが、米国では見過ごされていたという。彼女の目標は、この伝説的な日本食に独自の工夫を加えることである。

例えば、森下は独自の料理の1つを「味噌バターはまぐり」と表現する。そのベースとなっているのは、彼女の父親が好きだった「味噌汁をご飯にかけてバターを少量加える」食べ方だという。それが日本では適切な料理法とは考えられていないことを彼女は認めているが、それにもかかわらず、彼女の父親はその料理に惹かれた。日本のコンフォートフードは「ほとんどの米国の料理よりもシンプルで軽い」と、森下は表現している。

日本のコンフォートフードのもう1つの例は、森下の「ニンニク枝豆餃子」だ。これは彼女が母親から教わった料理に新たな工夫を加えたものだという。

ジェームズ・ビアード財団が選んだ今年の最も優れた新進シェフは、ワシントンD.C.の食堂で日本のコンフォートフードの新しいスタイルを作り出している。

料理はDNAの中に

森下にとって、レストランで日本料理を供応することは、DNAの一部に刻まれているものだ。彼女が生まれ育った日本の神戸では、祖母と母親が100年近く続く酒店とバーを経営していた。実際に彼女は調理学校に通ったことはなく、彼女の遺伝的背景から、おそらくその必要もなかったのだろう。

最初はNFLのチアリーダー

森下は最初、2013年に交換留学生としてウィスコンシン州ポプラにやって来た。そこで異国と異文化に浸り、日本ヘ帰国した。それから人生の紆余曲折を実演するかのように、彼女は再び渡米し、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のフットボールチーム、ワシントン・レッドスキンズ(現在のワシントン・コマンダース)のチアリーダーとなる。

その後、森下はワシントンD.C.にあるマックスウェルパークという店で、レストラン業界におけるキャリアをスタートさせる。彼女が2021年から2022年まで働いていたその店はワインバーで、小さなキッチンに小さなオーブンと電磁調理器が1台あるだけだった。

そこで森下は「ワインと合う創造的で興味深い日本のコンフォートフードの軽食」を作る仕事に挑戦することになったという。

ペリーズは森下に「もっといろいろなことができ、いろいろなものを創作できる、もっと広いキッチン」を与えた。40年前から営業を続けているペリーズは、寿司や日本のコンフォートフードを主に提供しており、1991年に始めてから長く続いている日曜日のドラッグブランチでも知られている。森下は、隔週の土曜日に提供している和食の朝食メニューを加えた。

ペリーズに高価なプリフィックスメニューはない

プリフィックスディナー(メニューをあらかじめ決められた範囲内で客が選ぶコース)で1人あたり200ドル(約3万2000円)以上の料金を取る多くの日本の寿司屋やおまかせ料理店とは違い、ペリーズはディナーを手頃な金額に抑えている。プリフィックスディナーの設定はなく、メイン料理が17ドルから39ドル(約2700〜6300円)と妥当な値段だ。

なぜ、高価なプリフィックスディナーを避けるのか? 「ペリーズは高級店ではなく、近隣の人たちのための店だからです。人々に食事を楽しんでもらいたいし、もし嫌なことがあった日でも、料理で幸せな気持ちになってもらいたい」と、森下は言う。

ローカルビジネスのレビューサイト「Yelp(イェルプ)」に掲載されているペリーズで食事をした客の反応は好意的なものが多い。例えば、ワシントンD.C.在住のメアリーは、シェフの昌子がジェームズ・ビアード財団賞の新進シェフ部門で最終候補に残ったことを知っていた。餃子や寿司の盛り合わせを含む食事の「すべてが好みだった」という彼女は、ドラッグブランチのビュッフェも気に入ったという。

ワシントンD.C.のアリスは、「とても洗練された高級な日本食レストランで、フレンドリーでよく気が利くサービスと美しく盛り付けられた料理を提供する」と書いている。しかし「値段が高すぎる」と感じたという。

ワシントンD.C.のスティーブンは、午後8時を少し回った時刻に来店したが、8時45分を過ぎると料理を注文できなかったことに驚いたという。そこで彼は、ずいぶん早く閉店してしまうことに気づいた。この店は「にぎやかで活気のある地域にあり、他のレストランはすべてまだ賑わっていた」と述べている。将来的にはもっと遅い時間まで営業してほしいと希望している。

だが、森下によれば、日曜日から木曜日は午後9時、金曜日と土曜日は午後10時がラストオーダーの時間になっているとのこと。

ジェームズ・ビアード財団賞を受賞したことは、彼女にどのような影響を与えたのだろうか? 「以前より見られたり、聞かれたりすることが増えました。この業界における私の発言力が高まりました」と彼女は明言した。

彼女の次の目標は、日本のコンフォートフードの料理本を書き、「すべての移民女性や母親の誇り」を築き続けることだという。そして自身のレストランを開業することを考えているのだろうか? 彼女は「そうですね。でもずっと先の話です。今はこの店のスタッフたちと働くことを楽しんでいます」という言葉で気持ちを表した。

(forbes.com 原文)
日本人女性が米国で「新進シェフ賞」を受賞、チアリーダーから料理の世界へ | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)