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2015-06-28 23:11:00

今回から、日本の「おもてなし」の歴史を探ってみよう。

 

《日本について》

(1)四国のお遍路

 お遍路は日本各地に存在するが、最も有名なのが四国八十八カ所のお遍路である。四国のお遍路は、真言宗の創立者である弘法大師(744~835年)の修業の足跡をたどるものである。現在はバスや車で回ってしまうことが多いようあるが、それでも昔のように歩く人や交通機関を使いながら歩く人も数多くいる。

 かつてのお遍路というものは、お遍路さんに対して地元の人々から食べ物や飲物、手ぬぐいや宿の提供、ときには現金を渡すという伝統があった。これに対して遍路は持っている納札(おさめふだ)を「お接待」してくれた方に渡していた。こうした文化が存在していたために、昔は比較的貧しい人であってもお参りができたとされている。

 現在でもお接待した「茶堂」が残っていし、この「おもてなしの心」というのは四国の人々の態度にも存在している。これらは一般の人々ばかりでなく、ホテルや旅館においても実現しており、女将の部屋へのご挨拶、お迎えやお見送りなど、超一流の旅館に匹敵するほどに行われている。

また,高知県庁には、観光振興部おもてなし課という組織があり、観光者のために、おもてなしのタクシ-、人に優しい宿、おもてなしのトイレなどを紹介しているように、「観光客をおもてなしの心で迎える県民運動」を推進している。

 

(2)小笠原流礼法

 わが国においては、「礼儀作法」が重視されているが、最も有名なのが「小笠原流礼法」である。「小笠原流礼法」は、鎌倉時代に武家を中心に連綿と伝わる日本の伝統的な作法で、現在わが国で「礼儀作法」について語られるときには、この「小笠原流礼法」が源流にあることは、あまり知られていない。

 「小笠原流礼法」というと、武家を中心に発達したものなので、どうしても堅苦しい印象が持たれてしまうが、武家の礼法が今日の「礼儀作法」の最も基本とされている「立つ」「歩く」「座る」「お辞儀」などの「立ち居振舞い」の美しさの原点になっている。

 さらに「小笠原流礼法」は、美しいだけでなく、体によけいな負担をかけないという重要な役割を果たしており、この合理的な「立ち居振舞い」によって、わが国が「礼儀正しい」国民と評価されていて、「おもてなしの心」の一つとして家庭生活やビジネス社会に生きている。