
ダンキンドーナツの「オリジナル・タフガイ・チキンバーガー」はメキシカン風味のチキンにマスタードソースをあえたもの Junho Kim for The Wall Street Journal
【ニューデリー】ディクシャ・シャルマさん(23)は近所のダンキンドーナツ店を週に3回は訪れているが、そこでドーナツやコーヒーを買ったことはない。広報関係の仕事をしているシャルマさんがそこで購入するのはバーガーだ。
シャルマさんは「オリジナル・タフガイ・チキンバーガー」を口に運びながら、「ドーナツだけのために来る人はいないと思う」と話す。「私の祖母はようやく最近ドーナツというものを知った」
ダンキンドーナツは、アジア3位の経済大国であるインドで多くの人がドーナツを好まないことや、好きな人でさえダース単位ではあまり購入しないという厳しい現実を受け入れざるを得なかった。
マサチューセッツ州に本社のあるダンキンドーナツはインドでメニューを大幅に見直すとともに、宣伝活動を通じてババロアクリームのドーナツとコーヒー以外にも品ぞろえがあることを消費者に訴えた。現在のインドでのメニューにはマクドナルドに匹敵するほど多種のバーガーがあり、しかもすべてのバーガーが現地のマクドナルドと同様に牛肉を使っていない。
ダンキンドーナツが世界で初めてメニューにバーガーを加える判断を下したことは、グローバル展開するレストランチェーンが文化的な違いに適応する上で直面する課題を物語っている。
外食の喜びを発見し始めた中流階級が増えているインドはこうしたチェーンにとって最後の開拓地域の一つとなっている。マクドナルドやピザハット、ケンタッキーフライドチキン(KFC)、サブウェイ、タコベル、シナボン、スターバックスに加えて最近ではバーガーキングがインドに進出しているが、その成否はまちまちだ。
牛肉を使わないビッグマックと言えるのがマクドナルドの「チキンマハラジャマック」で、これはインドで生まれた大ヒット商品のひとつとなった。一方、シナボンが売り出したスパイシーなマトンの挽き肉を練り込んだシナモンロールはメニューから消えた。
マクドナルドやバーガーキングはチキンバーガーやベジタリアン向けバーガーを提供しているが、これは多くのインド人に牛肉を食べる習慣がないため。スターバックスはインドでポテトサンドを投入したほか、食事制限のある人向けに卵を使わないクッキーを販売している。フライドチキンのKFCもベジタリアンのために「ベジロッキンバーガー」を用意している。
インドでダンキンドーナツのフランチャイズを展開するジュビラント・フードワークスは、同国における西洋式ファストフード事業の先駆者の1社だ。18年前にインドに進出したドミノ・ピザは、地元の嗜好(しこう)にアピールするメニューをそろえたことが功を奏して最大級の外資系レストランチェーンのひとつになるまでに成長した。
その700もの店舗では、ペパロニピザよりもタンドリーチキンや赤唐辛子が乗っている「ペピーパニーア」など地元で開発した商品が売れている。
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