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2026-06-20 20:33:00

2026.06.19 12:00

抹茶の世界市場は1.2兆円へ、3度目の正直で米国でのブームが加速

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数字が物語るのは、目を見張る成長だ。Jade Leaf Matchaの社内データによれば、家庭用抹茶市場は2023年の約1億3000万ドル(約209億円)から2025年には推定2億ドル(約321億円)へ拡大している。2030年までに、その数字は倍増する可能性があると同社は見込む。より広い世界市場を追うアナリストも同様に強気で、世界の抹茶産業は2030年までに74億3000万ドル(約1兆1900億円)に達すると予測されている。地域別では北米が最も高い成長率を示し、年平均成長率は約8%にのぼる見通しだ。

 

しかし、TikTok向きのクリームトップや、パステルグリーンのラテがブルックリンからロサンゼルスまで(そしてその間の各地で)メニューに並ぶようになった今、その裏側では供給、調達、そして世界が需要に追いつけるのかという、より複雑な物語が進行している。

今週だけでも、CNBCは年収25万ドル(約4010万円)の若いテックワーカーが、その給与を手放して抹茶カフェを開業したという話題を取り上げた。実際、抹茶への愛が主流化するにつれて、抹茶カフェは米国の大都市圏にとどまらず、各地で増えつつある。

とはいえ、抹茶は新しいものではない。統合医療の医師であり、長年の抹茶支持者でもあるアンドリュー・ワイル博士は、ほとんどの米国人がその言葉を耳にする以前に抹茶と出会っていた。

 

「1959年11月、日本に着いて2日目のことだ。ホストマザーが私を隣家へ連れて行き、茶道をたしなむ近所の女性に会わせてくれた」とワイルは振り返る。「その女性が茶会を開いてくれて、抹茶を一碗出してくれた。私はすっかり心を奪われた。まず色だ。それに茶筅も、ただただ素晴らしいと思った。そして味だ。恋に落ちた」

その後に続いたのは、抹茶を米国の消費者へ届けようとする数十年にわたる試みだった。定着までに2度の失敗を経て、ようやく本格的なブームが到来した。1970年代、ワイルは日本へ行くたびに抹茶を米国へ持ち帰り、友人に分けていたが、誰もそれを知らなかった。1980年代にはさらに踏み込み、日本の抹茶会社と提携して、自身のウェブサイトで販売した。それもまた時代が早すぎた。

「有益な植物の普及活動と同じで、またしても時代が早すぎた」と彼は言う。市場が準備できていなかったのだ。さらに30年を要し、ソーシャルメディアの台頭、コーヒーから離れる世代の変化、そして世界的なウェルネス運動を経て、ようやくタイミングが一致した。今回の波は、抹茶を米国生活の定番にするための3度目の挑戦であり、そして初めて、米国のほうが彼に追いついた。

当時彼を引きつけたもの、そしていま消費者の関心を動かしているものは、味わい、儀式性、そして生物学的特性の組み合わせであり、これほど揃った飲み物は多くない。Jade Leaf Matchaのゼネラルマネージャー、ダニエル・ウォルダーは、主流化に向けた転換点は2024年秋だったと指摘する。

「ずっと伸び続けてはいたが、加速がはっきり始まったのは約18カ月前だ」と彼は言う。「そのころからソーシャルメディアで爆発的に広がり、本当に主流に入り始めた」

ウォルダーによれば、ソーシャルプラットフォーム上の抹茶への関心は前年比19%増で、Jade Leafの自社データとも近い。リピート購入率は年初来で56%まで上昇し、約12%の伸びを示す。平均注文額も2桁成長だ。抹茶を飲む人の約40%は、1日少なくとも1杯のコーヒーを抹茶に置き換えているという。

爆発的な需要に対する調達の課題

需要の急増は、より切実な問いを浮かび上がらせた。これほどの抹茶は実際どこから来ているのか。そしてサプライチェーンは持ちこたえられるのか。

 

Jade Leafの成り立ちは、その文脈を示す。同社は2014年、抹茶の精神的な故郷と長く見なされてきた地域、宇治にある独立系の家族経営農家による日本の共同体「Kizuna」の輸入者として設立された。多くのブランドが今もオークションを通じて仕入れる市場において、この直接的な関係は競争上の優位性となっている。

「私たちは同じ農家から、農家直で買っている」とウォルダーは説明する。「春の収穫が始まる前から、こちらが購入するつもりの量を十分前もって伝える。購入前から確保分がある」。この違いは大きい。オークションベースの調達では、価格高騰や供給不足のリスクを抱えやすい。直接の関係があれば、農場インフラへの資金投下が可能になり、大規模展開では再現しにくい品質の継続性も担保しやすい。

そうした対話は、いまや一段と切迫している。昨年広く報じられた抹茶不足は、業界の多くにとって不意打ちだった。要因の一部は「追いつき」問題で、粉砕能力が需要に追随できていなかった。しかし、より長期的な構図は構造的でもある。

 

「需要があるところへ、人は向かっていく」とウォルダーは言う。世界最大の茶生産国である中国も抹茶へ生産をシフトしつつあると、ワイルも確認する。ただし、とりわけ濃茶グレードの製品では、日本が大きな品質優位を保っている。

再生型農業の支持者であるワイルは次のように語る。「私たちは、土壌の健全性、持続可能な栽培、透明性を重視する日本の多世代にわたる茶農家と直接取引している。これにより、葉には抗酸化物質やその他の重要な栄養素が豊富に含まれる。トレンドに左右される市場では、こうした長期的な関係こそが、抹茶の豊かな文化、そして品質と健康上の利点を真に守る」

ワイルとJade Leafはいずれも宇治から調達し、オークションではなく農家直を選んだが、対象とする市場は異なる。ワイルがアンドレ・ファシオラと共同創業したMatchaKariは、医師としての信頼を背景に、プレミアムで健康志向の消費者を狙う。一方Jade Leafは、手に取りやすさとスケールに焦点を当てる。

オーガニックの分水嶺

品質と調達が交差する論点の1つが、オーガニックだ。抹茶は茶葉を丸ごと摂取する製品であるため、茶葉を抽出して飲む一般的なお茶とは異なり、栽培方法の安全性がより厳格に問われることになる。

 

「抹茶は、茶の中で唯一、葉を丸ごと摂取する形態だ」とワイルは指摘する。「すべてを摂取している」。この違いは、茶葉を取り除いてから飲む浸出茶には当てはまらない、農薬曝露の含意を伴う。

オーガニック抹茶の需要は世界で前年比21.4%増と急伸し、カテゴリー全体を上回っている。すでに逼迫した供給に、さらなる圧力がかかっている。Jade Leafは抹茶の約90%〜95%をオーガニックとして調達しており、オーガニック認証が比較的まれな日本市場全体とは対照的だ。

ウォルダーによれば、日本における慣行栽培とオーガニックの差は、見た目ほど大きくない。「日本の農法は自然にかなりクリーンだ。過度なほど伝統的で、それもプラスに働く」。彼にとって認証の価値は、農法そのものよりも、それが提供する確実性にある。「その確実性があることで、可能な限り最もクリーンな製品を得られていると分かる」

 

ワイルは、特に抹茶の健康面での訴求が強まるなか、急増する需要を満たすだけのオーガニック認証抹茶が圧倒的に足りていないと付け加える。その根拠は、植物の特異な栽培プロセスにある。

「収穫の約3週間前、植物は遮光布で強く覆われ、日光の約70%〜80%が遮られる」と彼は説明する。「その反応として、葉は大きく薄く育ち、抗酸化物質とL-テアニンをより多く生成する」

この遮光工程こそが、鮮やかな色をはじめとする抹茶の最も価値ある特性、さらには身体への独特の作用を生み出す。

「抹茶は、抗酸化物質とL-テアニン(カフェインの作用を調整する鎮静作用のあるアミノ酸)のレベルが最も高い」とワイルは付け加える。「神経が高ぶるようなカドを取ってくれる。コーヒーは多くの人に落ち着かない感じを生み、しばしば反動もある。抹茶にはそれに近いものが見られない」

2033年には3億4000万ドルに達する予測

当面、この勢いは明白であり、弱まる可能性は低いとワイルは言う。

米国の抹茶市場は2024年に1億6400万ドル(約263億円)を生み、2033年には3億4000万ドル(約546億円)に達すると予測されている。ウォルダーによれば、Jade Leafの現在の顧客の約65%は過去1年以内にブランドへ流入しており、カテゴリーが単に既存ファンを回しているのではなく、実際に拡大していることを示唆する。世帯浸透率は約5%で、コーヒーの約80%と比べると低い。ウォルダーにとって、このギャップこそが物語だ。

「抹茶の世界にいる人間に聞けば誰でも、抹茶は『健康によい』を掲げるどんな飲料よりも、あなたにとって良いと言うだろう。消費者がそれを理解し、アクセスでき、自分が望む形で抹茶を本当に楽しめるようにすることが重要だ」

今日の抹茶飲用者の多くが生まれる以前から同様の主張をしてきたワイルは、ここまで時間がかかったことに驚いていない。経験上、世の中が追いつく必要のあるものがあるのだ。60年、3度の挑戦を経て、ついに追いついた。彼は、いつか自身の茶の原点が米国で主流となり、抹茶さえも超えて広がっていくことを願っている。

(forbes.com 原文)抹茶の世界市場は1.2兆円へ、3度目の正直で米国でのブームが加速 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

 

 

 

 

 

 

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