
要約
多くのレストランチェーンが、インフレという「新常態」に適応するためにメニューの絞り込みや価格の引き下げに動く中、米マクドナルド(McDonald's)はアップグレードに倍賭けしようとしている。
同チェーンは、新メニュー、ファンとのエンゲージメント、そして店舗デザインの刷新を柱とする大規模な新成長戦略を発表した。ただし、計画名の「NEXT」については、もう少しひねりが欲しかったところだ。
何が起きたか
この計画には、お店で衣を付ける手作りチキンウィング(鶏手羽)とフィレ、色鮮やかな新ドリンク、ドライブスルー担当のAIアシスタントとなるArchy、そして店内をより開放的で快適な空間にするための全面的なリデザインが含まれている。これらすべてが「NEXT」という旗印の下に集約されている。
このファストフードの巨人は決して経営難に陥っているわけではないが、先手を打って競争力を維持し、さらに重要なこととして、文化的な存在感を取り戻そうとしている。脅威は差し迫ったものではないかもしれないが、現実のものだ。
チキンフィンガー専門店レイジング・ケインズ(Raising Cane's)、ドリンク専門店ダッチ・ブロス(Dutch Bros)、スパイシーチキン専門店デイブズ・ホット・チキン(Dave's Hot Chicken)といった新世代の「専門特化型」チェーンが、一つのことを卓越してこなすことでマクドナルドの顧客基盤を侵食している。それらと比較すると、マクドナルドの幅広いメニューラインナップは平凡さの象徴のように映ってしまうのだ。
今回のキャンペーンの中心に据えられているのがチキンだ。より高品質な食材への大規模な賭けの一環として、手作りチキンウィングやフィレを含む新メニューがテストされている。主な実験対象は、「デラックス・マックリスピー」サンドイッチ向けの新しいフィレと、骨付きのチキンウィングである。
顧客が調理工程を見られる「透明性」の演出は、オープンキッチンモデルが品質訴求の核心となっているチポトレ・メキシカン・グリル(Chipotle Mexican Grill)やファイブ・ガイズ(Five Guys)を彷彿とさせる。これは「語るより見せる」という古典的な手法であり、アップグレードされた食品に対する自信の表れでもある。
米マクドナルド、王座奪還へ。手作りチキンとAIアシスタントなどの新戦略「NEXT」で狙うファストフードカルチャーの中心 | Business Insider Japan
考え方として興味深いのが、自動化への投資を進める一方で、マクドナルドが人的なホスピタリティを改めて重視している点だ。同社はゼネラルマネージャーとクルーの研修を見直すとともに、マニュアル通りに調理された食品を実際に試食する機会を増やしている。
