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2026-03-21 20:28:00

キッコーマン、越市場に攻勢

販社設立、日本食需要を取り込み

キッコーマンがベトナムで販売やマーケティングを手がける現地法人を設立したことが19日までに分かった。経済成長で内需が拡大するとともに、日本食人気が高まるベトナムで、しょうゆを中心に高品質で本格的な調味料などの売り込みを加速する。同社は東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を持続的成長のための戦略市場と位置づけており、現地ニーズに根差したラインアップを拡充しシェアを拡大する。ベトナムでは日本の外食チェーンの参入加速などを背景に日本食市場が拡大しており、キッコーマン以外でもヤマモリ(三重県桑名市)など調味料メーカーの参入が相次いでいる。

日本食品店に並ぶキッコーマンのしょうゆ=18日、ホーチミン市
日本食品店に並ぶキッコーマンのしょうゆ=18日、ホーチミン市

 

現地法人の名称は「キッコーマン・トレーディング・アジア(ベトナム)」。1月に南部ホーチミン市に設立した。代表はシンガポール販売会社の杉浦健社長が兼任する。

キッコーマンの広報担当者によれば、ベトナム法人の設立は長期的な企業価値向上と持続的成長が目的だ。ASEAN地域を重要な戦略市場と位置付けており、特にベトナムは「今後も高い成長ポテンシャルが見込まれる市場だ」と期待する。安定した経済成長に加え、人口増加を背景とした内需の拡大や、食文化の多様化が進んでいることを有望視する。

ベトナムでは既にしょうゆや刺し身しょうゆ、照り焼きダレ、紙パックの調製豆乳など日本でなじみの商品を幅広く展開している。店頭のしょうゆ瓶にはベトナム語で書かれたレシピ情報のタグが付帯したものもあり、現地の食材と味覚に合わせた工夫をこらす。現地法人の設立で、こうしたマーケティングにさらに力を入れるとみられる。

キッコーマンのしょうゆの製造拠点は2025年3月時点で日本に加え米国、ブラジル、中国、台湾、シンガポール、オランダの7カ国・地域にある。

日本食品メーカーの参入相次ぐ

日本の調味料メーカーでは味の素が1992年からベトナムでうま味調味料の製造販売を続けているが、最近もベトナム進出が続いている。2025年4月には食品メーカーのヤマモリが、タイに次ぐ2カ国目の海外販売拠点となる現地法人をホーチミン市で開設すると発表。タイ工場のしょうゆや照り焼き用たれなどの販売を始めた。

地場スーパーの魚醬・しょうゆコーナー。日系ブランドも並んでいる=19日、ホーチミン市
地場スーパーの魚醬・しょうゆコーナー。日系ブランドも並んでいる=19日、ホーチミン市

背景にあるのは日本食の人気の高さや、経済成長に伴う中間層の拡大、食の品質・安全性への意識の向上だ。外食市場ではすしや居酒屋をはじめ多くの日本食チェーンが都市部で根強い人気があり、25年にはすしチェーン「元気寿司」が1号店をオープン。居酒屋チェーン「鳥貴族」も近く参入予定で、日本食の裾野は広がっている。

ASEANで2桁成長継続を

キッコーマンの海外しょうゆ事業の売上高は年率7.5%で成長しているが、24年時点で北米と欧州が85%を占める。アジア・オセアニアは14%にとどまるなか、25~27年度の中期経営計画は重要目標の一つとしてASEAN市場での持続的な2桁成長を掲げる。

ASEANを含むアジアでは、現地の嗜好(しこう)や食習慣を捉えた商品の拡充や食体験とブランド認知を通じたしょうゆの需要開拓に力を入れる。卸売事業については基盤を強化し、新規拠点開拓、事業拡大に努める方針で、今回のベトナム法人の設立もその一環とみられる。

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