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未来価値創造戦略【3】 |
今回は、「未来価値戦略」に関する「心構え」として、「意義の徹底」「不可欠な能力」「方向性の提示」をするために「リーダーシップとコミュニケーション」と「財務マネジメントの強化」について説明しよう。
[3]未来価値創造のための経営者の心構え
「未来価値創造のための経営者の心構え」としては、「日本経済の将来像」の「21世紀の経営者」の「経営者はプロデューサー」「乱気流とカオス時代の経営者像」と「ポスト乱気流とカオス時代」の他に、特に「卓越したリーダーシップ」と「優れたダイレクト・コミュニケーション」による「ツーウエイ・コミュニケーション」をより積極的に行い「全員参加マネジメント戦略」と「共感マネジメント戦略」を強固にしなければならない。
(1)未来価値創造の意義の徹底
「未来価値創造」と簡単に言われているが、これを実現するには容易なことではない。誰しもが未知の世界であるし、世の中に必ずしも正解が存在する訳ではない。重要なことは、「未来価値創造」の「意義」は、「サクセシイブ・カンパニー」のための「最大の原理原則」であり、「お客様」の「感動・感謝・至福・共感・感嘆」を提供して「常連客化」「フアン化」「「愛着心化」になる「個性化戦略」である。
さらに、重要なことは、「現在価値創造」は、いつか他企業の「ベスト・プラクティス(best practice:最高の方法)戦略」によって追いつかれることがあるが、「未来価値創造」は「創造的破壊とイノベーション戦略」と「継続的アップスケール戦略」によって、「オンリーワン」たる「コア・コンピタンス」を実現するものであるという認識を持たなければならない。
(2)経営者の不可欠な能力
「企業マネジメント」における「経営者の能力」は多岐にわたるが、「未来価値創造」には、特に「不可欠な能力」を具備していなければならない。
① マーケット創造力
「未来価値創造」は、既存のマーケットの推移からでは、間違っても「マーケットを予測」できることはありえない。ましてや「乱気流とカオス時代」には、何が起こることなど予測できる訳ではない。
重要なことは、どんな時代であっても、「マーケットの創造」を行うことである。「マーケットの創造」は、まさに「お客様発のシーズ」を実現することである。好例は「セブンーイレブン」の「プライベート・ブランド」の「セブン・ゴールド」で、従来の「プライベート・ブランド」の概念をまったくくつがえしてしまった。
また、「マーケットの創造」の好例は、「セブン銀行」である。「開いてて良かった」から「近くて便利」の方向性を、オール銀行の反対を乗り越えて実現したのは、まさに「マーケットの創造」を実現したことである。
② 創造的破壊とイノベーション力
「創造的破壊とイノベーション力」というのは、すべて破壊することでなく、良いものはさらに「アップスケール化」し、悪いものを破壊して、自社の「マネジメント力」や「マーケティング力」を他が追随できない「コア・コンピタンス」を行うことによって、「未来価値創造」を構築することである。
③ 意思決定力
「未来価値創造」に欠かせない「経営者」の能力として、「意志決定力」にある。なぜなら、「未来価値の商品やおもてなし」を開発しても、果たして当初想定した「未来価値創造」のレベルに達していて、マーケットに登場させてよいかどうかの「意志決定」である。
重要なことは、当初想定したレベルに達していなくても、中途半端にマーケットに登場させてしまい、あげくの果てに失敗してしまうことである。この例は、多くの企業で見られる傾向で、企業イメージを喪失させている。
④ ネットワーク力
「未来価値創造」に重要なことは、「ネットワーク力」である。「ネットワーク力」というのは、当然企業内の組織を超えた「全員参加マネジメント戦略」と「共感マネジメント戦略」による「ネットワーク力」をベースとして、組織外の「ネットワーク力」を発揮させなくてはならない。
組織外の「ネットワーク」としては、メーカー、輸送業者、生産者の方々で、業界の最大の技術を結集というより、多大なるバックアップによる「未来価値創造」である。最近は、組織外として、「ビジネス・フォーマット」の異なるグループ企業の「ネットワーク力」の結集が行なわれていて、それぞれの持つ「ウォッチング力」や「商品の開発力」が「未来価値創造」に多大なる貢献をしている。
⑤ グローバル力
「未来価値創造」に欠かせないのは、「グローバル力」である。当然、「グローバル戦略」を展開するには、「未来価値創造」を行なわなければならないが、グローバル・マーケットには、優れた商品、技術、原材料、メーカーなどが豊富に存在していることを認識し、これが「未来価値創造」に大いに役立てなければならない。
(3)具体的な方向性の提示
やみくもに「未来価値創造」といっても、だれしも戸惑うばかりである。たとえば、「ファーストフード」や「コンビニエンスストア」が日本の市場に登場したときは、ほとんどの学者・コンサルタント・マスコミは、将来性に疑問をもっていた。
しかし、展開をした企業のトップは「新しいビジネス・プランの企画開発」として「具体的方向性」を提示して、「マーケット・イノベーション」を行うことによって、今日の姿を実現したのである。
(4)リーダーシップとコミュニケーション
「企業マネジメント」で重要なことは、「卓越したリーダーシップ」と「優れたコミュニケーション」であるが、特に「未来価値創造」には、通常のレベルを超えた「パワー」が不可欠である。「未来価値創造」には、組織内外に現状に安住感が蔓延しているので、抵抗感が存在し、「創造」を忌避してしまう。
なぜなら、「未来価値創造」は、そう簡単にできるものではないからである。ここで重要なことは、「お客様発」による「お客様の創造」を目的として、「カリスマ性」が高い「リーダーシップ」と「コミュニケーション」が不可欠の能力である。
「カリスマ性」というと、一般的なイメージは、「独善的」とか「強制的」であるが、「サクセシイブ・カンパニー」の「カリスマ(charisma)」とは、次の条件である。
1.超人的な才能・能力
2.人々を率いて、時代に大きく変革をもたらす力
3.人を惹きつける魅力
しかし、「カリスマ性」で重要なことは、相手が本当に理解し行動を起こすことができる「説得力」と「共感力」である。また、この際注意しなければならないことは、相手に「プレッシャー」を感じさせないことである。「カリスマ性」の効果を高めるためには、「目標によるマネジメント」を最大に駆使して、「全員マネジメント戦略」と「共感マネジメント戦略」が発揮できる「プロデューサー」に徹することである。
(5)財務マネジメントの強化
「未来価値創造」というと、一般的には投資が必要で「コスト」のかかる仕事だと思われている傾向がある。確かに、「未来価値創造」には、「コスト」が必要であるかも知れないが、「売上高経常利益率20%の維持」とか「自己資本比率60%以上」とかの「財務マネジメント」の「目標」をかがげ、「経営者」が「コスト」判断ができることが不可欠な能力である。
多くの企業が「未来価値創造」を「スローガン」にしていても、無理な投資が「企業マネジメント」を圧迫していることがあり、重要なことは、「経営者」自身の「財務マネジメントの強化」が求められている。
