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2025-10-21 17:09:00

米国でスターバックスが大量閉店 消費者の価値観が変化しているのか?

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米ニューヨークのスターバックス店舗前でストライキを実施する従業員。2024年12月23日撮影(Adam Gray/Getty Images)

米コーヒーチェーン大手スターバックスは先月、年末までに北米店舗の1%を閉鎖し、小売部門以外の900人の従業員を削減すると発表した。店舗閉鎖の理由について、同社は財務状況の悪化だと説明している。米テレビ局WNYWによると、米ニューヨークでは50軒を超えるスターバックス店舗が予告なく閉店した。

 

ビジネス向け交流サイト(SNS)のリンクトインに掲載されたスターバックスへの支持度を測る世論調査では600件以上の回答が集まり、消費者がスターバックスから離れつつある理由が示された。それによると、回答者の53%が「スターバックスのコーヒーを飲まない」と答え、その多くが「価格」を大きな障壁として挙げた。外食産業に特化したコンサルティング企業テクノミックが2024年に実施した調査では、競合他社と比較して、スターバックスは最も価格の高いコーヒーチェーンと見なされており、リンクトインの調査結果を裏付ける形となった。さらに、融資比較サイトのレンディングツリーが同年に行った調査では、米国人の8割がファストフードをぜいたく品と認識していた。リンクトインの調査回答者の多くは、自宅でコーヒーを入れることで節約しているとした。米会計大手デロイトが2024年に行った調査でも、コーヒー愛好家の70%が毎日自宅でコーヒーを入れていると答えた。

米ビジネス誌ファストカンパニーは、閉鎖予定のスターバックス店舗のうち59店舗は労働組合に加盟していると伝えた。スターバックスは長年、従業員による労働組合結成を阻止する「組合つぶし」の疑いがあるとして批判の的となってきた。労働組合とは、公正な賃金や医療保険、雇用の安定、公平な勤務スケジュールなどを求めるために結束した従業員の集団だ。スターバックスは2023年、労働組合結成の動きを妨害するため、米国で23店舗を閉鎖したとして非難された。先述のリンクトインの調査では、スターバックスを避ける理由として、同社が組合つぶしを行っているためだと答えた回答者も散見された。

近年では、スターバックスをボイコットするよう求める声も高まっている。北米を中心とする労働組合、サービス従業員国際組合(SEIU)のフィラデルフィア支部であるスターバックス従業員連合は2023年10月9日、X(旧ツイッター)に「パレスチナとの連帯」と投稿した。スターバックスは、この投稿が顧客の怒りを買い同社の評判を傷つけたとして、同連合を提訴した。これを受け、消費者はスターバックスのボイコット運動を展開した。各種報道機関は、これが同社の売上減少の一因となったと指摘している。

 

一方、スターバックスは物議を醸すことに慣れている。同社は2015年、年末シーズン向けの容器からクリスマスを連想させる絵柄を削除し、単調な赤一色のデザインに変更したことで批判を浴びた。一部からは同社が「クリスマス戦争」を仕掛けているとの声も上がった。2018年には、米ペンシルベニア州フィラデルフィアのスターバックスで、何も注文せずに店内に滞在している客がいるとして従業員が警察に通報し、黒人男性2人が逮捕される事件があった。これを巡る世論の反発を受け、同社は反差別研修のため、米国内の8000店舗を一時的に閉鎖する決定を下した。同社幹部によれば、2018年の事件は売上には影響を与えていないという。

スターバックスは単に売上が減少しているだけでなく、アイデンティティーの危機に直面している。かつては流行の場所として、くつろぎながら仕事をする場と見なされていたスターバックスだが、もはや消費者を引きつけられなくなるかもしれない。価格の上昇や組合つぶし、労働組合に対する法的措置はいずれも、消費者が同社から離れていく大きな要因となっている可能性がある。企業がイメージや評判、ひいては売上を回復したいと望むなら、従業員への投資や労働組合を巡る環境、そして包括的な文化への注力こそが、自社を長期的に救う道となるだろう。

(forbes.com 原文)

 米国でスターバックスが大量閉店 消費者の価値観が変化しているのか? | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)