インフォメーション
2025-03-29 11:50:00
【コンビニEC最前線】ファミマ、ローソンが参入 「独自商品」「経済圏」「利便性」で差別化

コンビニがEC事業やデリバリーサービスに注力している。実店舗の新規出店余地が少なくなっていることを背景に、既存店舗やポイントや会員制度による「経済圏」を活用し、”実店舗外”を新たな収益の柱とする狙いだ。ファミリーマートとローソンは今年3月に自社ECサイトを開設し、会員獲得を加速する。実店舗の「近くて便利」に対し、EC事業では「ここでしか買えない」が強みとなっている。セブン―イレブン・ジャパンは商品配達サービスに注力する方針を示した。コンビニ大手3社の取り組みについてまとめた。

ファミマが再参入
ファミリーマートは3月6日、自社ECサイト「ファミマオンライン」を立ち上げた。これまでに展開していた「ファミペイWEB予約」やギフトサービスを融合・拡張した形で、人気のオリジナルアパレルブランド「コンビニエンスウェア」やギフト商品をそろえる。購入にはファミリーマートのアプリ「ファミペイ」への会員登録が必須となる。

▲ファミマオンライン
ファミリーマートは、2000年にもエンターテインメント系のオリジナル雑貨などを販売する自社ECサイト「famima.com」を開設し、2018年にサービスを終了した。
今年EC事業に再参入した理由として、①実店舗以外の場を設けることで品ぞろえを拡大して売り上げにつなげる ②「ファミペイ」会員を獲得し、LTV(顧客生涯価値)を上げる――ことを挙げた。
品ぞろえについては、「コンビニエンスウェア」などの独自商品や人気IPや他社とのコラボレーションに注力している。3月13日時点ですでに反響が出ているという。

▲人気のオリジナルアパレルブランド「コンビニエンスウェア」
「初週は想定以上の集客や受注があった。ファミマのアプリ『ファミペイ』の新規会員登録数は通常時の1・5~2倍に増加した。ECサイトの商品の購入を目的とした新規会員の獲得ができている」(デジタル事業本部 デジタル事業部 部長(兼)CSO室 近藤大輔氏)と説明した。

▲ファミリーマート デジタル事業部 デジタルコマースグループ 関根弘明氏(左)、デジタル事業本部 デジタル事業部 部長(兼)CSO室 近藤大輔氏(右)
今後も商品軸で他社と差別化しつつ、全国の店舗網やリテールメディアなどを活用しながら成長したい考えだ。
「デリバリー領域は様子見の状態となっている。まずは自社のアセットを使って利便性を高めつつ、独自の品ぞろえを拡充していきたい」(同)と話した。
ローソンはギフトECに注力
ローソンも今年3月4日に自社ECサイト「LAWSON online gift」を開設した。限定商品や人気コンテンツとのコラボ商品のほか、生鮮品、家電製品、ペット用品など幅広くそろえる。購入には「ローソンWEB会員」の登録が必要で、「PontaID」を登録することで「Pontaポイント」を利用できる仕組みだ。

▲LAWSON online gift
ローソンは2024年2月にKDDIグループに入ったことから、auコマース&ライフが運営する「au PAY マーケット」との連携も今後あるかもしれない。
セブン-イレブンはデリバリーとECを展開
セブン-イレブン・ジャパンではECやデリバリーの事業として「セブンネットショッピング」と「7NOW(セブンナウ)」を展開している。
「セブンネットショッピング」は同社が100%出資するセブンネットショッピングが2009年12月から運営している。アーティストグッズ、電子や紙の書籍などをそろえる。2024年3ー11月期(第3四半期)におけるEC売上高は前年同期比30・4%減の101億400万円となっている。

▲セブンネットショッピング
商品配達サービス「7NOW」は、スマホアプリから実店舗の商品を購入し、最短20分で自宅まで配送する仕組みだ。
2024年7月に開催した2024年3ー5月期(第1四半期)の決算発表会では、国内の利用状況について「新たな成長ドライバーとして堅調に伸びている。カニバリゼーションは発生せず、顧客が実店舗と『7NOW』を使い分けて利用している」(担当者)とコメントした。

▲セブン&アイ・ホールディングス 中期経営計画より
現在は国内の約2万店が参加し、中期経営計画においては2025年度に売上高2000億円を目指すとしている。
やはりPBと経済圏か
EC市場規模はまだ拡大するとされているが、業界での競争は激しいのが現状だ。コンビニはすでに圧倒的な知名度と実店舗の存在、短スパンでの商品開発力など強みが多いが、ECにおいては、まだ伸びしろがあるといえるだろう。
「ここで買いたい」と思わせるような自社ブランドや他社を巻き込んだ企画力、ポイントの経済圏といった”付加価値”が今後の成長の鍵となりそうだ。
