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2022-02-05 13:33:00

米食卓に根付く植物性「代替食材」 肉や乳製品、エビも

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KFCはビヨンド・ミートと開発した代替肉フライドチキンの全米販売に乗り出す

【ニューヨーク=西邨紘子】米国で健康や環境保護への意識の高まりを背景に、動物性の肉や乳製品の代わりに植物性タンパク質を使った「代替食材」の需要が伸びている。調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、2026年に米国の主な代替食材の市場が90億ドル(約1兆円)に達すると予想する。全米展開する食品スーパーが品ぞろえ拡充に動いたことも普及の後押しとなっている。

ファストフード大手の米ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は1月、米代替肉大手ビヨンド・ミートと共同開発した代替鶏肉を使った「ビヨンド・フライドチキン」を期間限定で米国内むけメニューに加えた。先行して国内の2州で進めた試験販売が好調だったことを受け、全米展開を決めた。

米マクドナルドは2月以降、これまで8店舗で試験販売していたビヨンド・ミート製代替肉のバーガー商品の販売を600店舗に広げた。米メディアによると、試験販売での売れ行きが業界アナリストの事前予想を3倍上回るペースだった。

仏食品大手ダノンの北米法人も1月、代替牛乳の新製品2種「SOデリシャス・ワンダーミルク」と、「シルク・ネクストミルク」を米市場で発売した。オーツ麦やココナツ、大豆など植物由来の原料を組み合わせ、牛乳に口当たりや風味を近づけた。それぞれのブランドで、アイスクリームなど加工製品も併せて売り出す。

ユーロモニターの調べでは、21年の乳製品と肉を合わせた代替食材の米市場規模は約65億ドル。過去5年で2倍近くに増えた。

乳製品は菜食主義などに加え、アレルギーや乳糖不耐などの理由で乳製品を避ける需要もあり、代替食材の利用がいち早く定着した。一方、代替肉は19年ごろから米バーガーキング、スターバックスやマクドナルドなど大手チェーンが相次ぎメニューに採用。消費者の認知が進み、普及に弾みがついた。

米食品スーパーも代替食材を拡充している(写真はショップライトの食料品デリバリーウェブ注文サイト)

食品小売り大手の米ウォルマートは21年、ビヨンド・ミート製のミートボールや鶏ナゲットなど、代替肉の加工製品の販売を米国内約2500店に拡大した。クローガーなど競合する食品小売りチェーン各社も同分野の品ぞろえを拡充しており、身近な食材の選択肢として浸透し始めた。米食品大手のケロッグは21年に4300万ドルを投じ、傘下の植物性代替食ブランド「モーニングスター・ファームズ」のオハイオ州工場の拡張を進めた。22年から増産に入る。

コロナウイルス流行が代替食材の需要に追い風との指摘もある。外出規制などで自宅で過ごす時間が増えるなか、「より健康的な食生活への切り替えを目指し、動物性から代替食材へ切り替えを進める消費者が増えた」(ユーロモニターのシモーナ・バーナトナイト氏)。

食材の種類も多様化している。スイスの食品大手ネスレは21年、植物由来の「卵」と「エビ」を商品化した。イスラエルの新興企業プランティッシュは1月、本物と見まがうばかりの「植物性サケの切り身」を発表した。年内の試験販売開始を目指す。

代替卵ブランド「ジャスト・エッグ」を手がける新興企業イート・ジャストは21年9月、ニューヨーク、シカゴなど大都市圏での街頭広告と、TV・SNS(交流サイト)・ユーチューブ広告を組み合わせたキャンペーンを立ち上げた。数百万ドルを投じた販促の狙いについて「植物由来という(代替卵への)消費者の身構えを取り去る」(イート・ジャスト)と説明する。

ただ、競争は激化している。ビヨンド・ミートは21年7~9月期決算で、米国内売上高が前年同期を約14%下回った。ライバル社の台頭や試し買い需要の一服が影響したもようだ。同社のイーサン・ブラウン最高経営責任者(CEO)は「今後も革新的な商品開発や思い切った投資を通し、代替肉の食分野を推し進めていく」と話した。

消費者に代替食材のなじみが増す中、「物珍しさ」を超え成長を持続するために、今後それぞれの企業がより高い商品力のハードルに挑むことになりそうだ。

米食卓に根付く植物性「代替食材」 肉や乳製品、エビも: 日本経済新聞 (nikkei.com)