新型コロナウイルス感染拡大以降、「Instagram」の飲食店支援機能の強化が進む。有効活用する東京・渋谷のベトナム料理店はテークアウト注文の4割超がInstagram経由になったという。Instagramビジネス&メディア部門グローバル責任者のジム・スクワイヤーズ氏が成果を出す活用法や利用動向の変化を語った。

インスタで飲食店検索が伸びる理由 グローバル責任者が明かす(画像)
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ジム・スクワイヤーズ
Instagram ビジネス&メディア部門グローバル責任者
ブランドのウィジェット活用を支援するミキサーキャスト、ソーシャル・ネットワーキング・プラットフォームのNing(二ング)でプロダクト開発を統括。1999年にヤフーに入社し、プロダクトマネジメントのディレクターとして、動画やエンターテインメント商品の開発に携わった。現在はInstagramのグローバルにおけるビジネスとメディア部門の責任者として、ビジネス向けソリューション開発を統括

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、Instagramの利用はどう拡大したのか。

 Instagram、Facebook共に全般的に利用が増えた。特にライブ動画配信機能「Instagramライブ」は2020年2~3月にかけて非常に成長している。20年3月18日からの7日間と、前週の7日間の比較でも閲覧数は50%増加した。

 新型コロナの流行前から現れていたトレンドがさらに加速した印象だ。Instagramを通じた商品やサービスの購買が伸びているほか、コミュニケーションをとる手段としてInstagramのメッセージ機能が活発に使われている。外出自粛の中で人とつながりたいという欲求が、Instagramの成長に強く反映されている。

 利用者が急増するメディア力を生かし、企業をどう支援できると考えているか。

 このような状況下でビジネスをサポートしていくことはInstagramとして優先順位が高い。新型コロナの流行はさまざまな業態に影響を及ぼしているが、特にダメージを受けているのが飲食業界だ。そこでレストランにInstagramから料理を注文できる機能や、Instagram内でギフトカードを買える機能を開発した。

 料理を注文できる機能は20年4月下旬に日本でも提供を始めた。デリバリー、テークアウト共に利用が増えている。東京・渋谷のベトナム料理店「An Di(アンディ)」は飲食店予約サービス「TableCheck」と連携してInstagramの注文機能を利用し、テークアウト注文のうち43.7%がInstagram経由となった。

 日本でも若者を中心にInstagramで飲食店を探す人が増えている、これは世界的なトレンドか。

 その通りだ。飲食店に限定した調査ではないが、利用者の83%がInstagram上で「新しい商品やサービスを発見する」と回答しており、81%が「商品やサービスを検索する」と答えている。また、80%が「商品やサービス購入するかどうか決める」と回答した。Instagram上で新しい商品やサービスを日常的に見つけたり、より詳しい情報を検索で調べたりして、実際に店を訪れる、オンラインショップで商品を購入するなどのアクションを起こすという利用者の傾向は日本以外でも顕著になっている。