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2012-10-06 21:16:00

日本の食品原料メーカーが、インドネシアで酵母エキスなど付加価値の高い素材の拡販を狙っている。所得の上昇で高価でも、より複雑な味や健康志向の食品を求める消費者が増えているためだ。5日まで3日間の日程で中央ジャカルタで開催されている「Fiアジア(アジア食品原料見本市)2012」には日本企業17社が出展。バイヤーに売り込みをかけているほか、現地市場の動向を探っている。【大谷聡】

 

ジャカルタでの同見本市への出展が2回目となる三菱商事傘下の興人は、現地で酵母エキスの販売を開始して3年目。大手食品会社の担当者とのネットワーク作りを通じて、徐々に販売攻勢をかけているところだ。

吉田良和海外営業課長は「味付け素材は塩に始まり、グルタミン酸ナトリウムなどコストが高くなるほど複雑な味が出せ、酵母エキスは序列の最後に来る」と説明。新興国でも所得の上昇に合わせて需要が伸び始めているという。

2年前の見本市では、同社以外に酵母エキスを出展していた企業は見かけなかったが、今年はオランダのDSM、独オーリーやライバー、中国のエンジェル酵母といった世界的な大手や、日本の富士食品工業といった競合も出展していると指摘。「新しい市場が形成されつつあるようだ」と語った。

酵母エキスや甘味料などの生産過程で使われる酵素の製造で日本最大手の天野エンザイム(名古屋市)は、出展を足掛かりに現地向けに酵素の販売開始を目指す。

山口庄太郎産業用酵素営業部長は「酵母エキスを使うと食品のうまみが違うため、日米欧の飲食品メーカーでは当たり前に使われているが、新興国での普及はこれから」と指摘。インドネシアでは地元の販売代理店と契約を結ぶことを検討しており、「展示会でまずは名前を浸透させたい」と意気込みを語った。今回の見本市でも、海外の企業で酵素を展示している企業は同社以外に見あたらないため、東南アジアで販売を伸ばせる可能性は大きいとの認識を示した。

今年開設したマレーシア事務所を拠点にしてインドネシアのほか、既に輸出を始めているタイやインドでも拡販を狙う。同社の売上高に占める海外の比率は45%ほどだが欧米が中心であるため、アジアの割合を高めていく方針だ。



現地生産している食品原料メーカーも、高付加価値商品の拡販を図っている。食品・香粧品用香料製造の小川香料(東京都中央区)は、健康食品やサプリメントの苦みを消す香料や、常温保存でも品質の劣化を遅らせる香料を展示しているほか、製品がハラル(イスラム教徒が摂取可能)認定を取得していることをアピールしている。

小川インドネシアの青木太郎社長は、現地販売先の加工食品メーカーは非日系企業が多いと説明した上で、「高付加価値製品は今後伸びていくので、こうした機会を利用して知名度を上げることで販売先を広げていきたい」と語った。



同見本市は世界各国で展示会や国際会議を展開する英UBMが主催。タイ・バンコクとジャカルタで毎年交互に開催しており、ジャカルタでの開催は2回目。今回は39カ国・地域から食材サプライヤーや自治体、業界団体553者が計300カ所のブースを出展している。

参加団体は国・地域別で中国が最大の150者。インドネシアが89者、米国が53者で続き、日本は9番目に多かった。主催者は期間中に1万人の来場を見込んでいる。

http://news.nna.jp/free/news/20121005idr003A.html