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2020-01-18 13:39:00

日本ハムが植物肉、3月から参入 健康志向で需要増
【イブニングスクープ】

サービス・食品
関西
2020/1/14 18:00
日本経済新聞 電子版
 
 
 
 
 

食肉国内最大手の日本ハムが3月、植物性の材料を使う「植物肉」市場に参入する。大豆を主原料にしたハムやソーセージ風の商品を発売する。動物保護や健康志向の高まりといった観点から植物肉の需要は世界で急増し、2030年には9兆円市場になるとの予測もある。ESG(環境・社会・企業統治)への関心の高まりに食肉業界も対応する。

 

日本ハムは、植物肉で開発が難しいとされたハムタイプの商品化にも成功した

日本ハムは、植物肉で開発が難しいとされたハムタイプの商品化にも成功した

日本ハムは「NatuMeat(ナチュミート)」のブランド名で、家庭用と業務用の植物肉を展開する。家庭向けに加熱しなくても食べられるハム(希望小売価格は6枚で税別217円)のほか、ソーセージやハンバーグなど5品目を3月に発売する。初年度は5億円の売上高(小売りベース)を目指す。

 

イブニングスクープ

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健康志向の高まりや畜産に伴う環境破壊への懸念、動物保護といった観点から、欧米を中心に肉を口にしないベジタリアンが増加。植物肉需要が急増し、ビヨンド・ミート(09年創業)やインポッシブル・フーズ(11年創業)といった新興企業がブームをけん引する。

 

 

スイスの金融大手UBSによると、18年に5千億円だった植物肉の世界市場が30年には9兆円を超える見通しだ。日本でも成長が期待され、調査会社のマーケッツアンドマーケッツは国内市場も13年の約150億円から23年には約340億円に膨らむと試算している。

食肉大手にとって、食肉とハム・ソーセージ事業は連結売上高の約6~8割を占める。主要な事業基盤を脅かしかねない植物肉事業だが、米国発のブームが急速に広がっているほか、ESGの観点から手掛けざるを得なくなっている。日本では17年に丸大食品が家庭向け商品を投入し、今春、品目数を増やす。伊藤ハムもカツやソーセージなど8品目を2月に発売する予定で、プリマハムも研究開発中だ。