インフォメーション
ここ数年、中国の食文化に“パン食”が定着し始めている。下水油(廃油や下水から作られた食用油)やメラミン、水銀入り粉ミルクのニュースが流れる中、食の安全を求める消費者は外資系のベーカリーチェーンやホームベーカリー(パン焼き器)にそれを求めているようだ。
外資のパン食チェーン、中国全土に展開中
最近のトレンドというよりはここ数年の中国全土的なトレンドではあるが、パン(中国語で面包)のステータスがう上がっている。そのきっかけはベーカリーチェーンの台頭だ。
中国では長らく「油条」なる油揚げや、中に肉もあんこも入っていない白い「饅頭」がパン的ステータスにあった。パンが売られていなかった訳ではない。昔からあんこ入り月餅が売られていただけに、西洋のパンに抵抗があるわけではなかったと思われる。しかし、当時のパンは怪しい添加剤満載で、外国人ばかりでなく、中国人ですらも「できることなら食べたくない」というシロモノであった。
パンが普及し始めたのは、ここ10年から20年のこと。中国各地にパンとケーキを販売する専門のチェーン店や、スーパーにパン売り場が登場し始めてからだ。こうした店のパンは、それまで個人商店などで売られていた謎のパンよりも格段に安全なパンだった。
さらに2~3年ほど前から現在に至るまで、沿岸部から内陸部へと、もっと健康志向で味もまともなパンのチェーン店が台頭してきた。その結果、人々の中でパンは「学生のお菓子」から「食事の1つ」へとポジションを変えた。ただ中国では3世代の大家族で住むのが基本。今どきのパンを受け入れられない年配の人もいるし、食パンに塩豆腐のようなものを塗って、塩辛くして食べる人もいる。
中国全土で「より安全」で「よりおいしい」パンを普及させた立役者は、シンガポールのチェーン店「Bread talk(面包新語)」だ。それを追うように、台湾資本のチェーン店「85度C」や、韓国資本のチェーン店「巴黎貝甜」進出している。
中国各地の住宅地にも個人経営のベーカリーやパンをメーンしたカフェもあるが、やはり香港人や台湾人が多い。少ないが、その中には日本人もいる。
値段はざっくり日本の半分くらいだが、中国人の平均収入から考えれば高い買い物になる。とはいえ、筆者が拠点とする内陸の都市の店舗ですら、しばしばレジに長蛇の列ができるほど人気。どんなパンがあるかと言えば、全体的に甘いパンが基本。環境に配慮した食パンやピザもあり、加えて期間限定商品のキャンペーンなどがしばしば展開される。また、伝統を重んじる消費者向けに、伝統行事前には特製のちまきや月餅が登場し、こちらも好評となっている。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120705/1041817/
