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2019-03-31 11:03:00

「現代経営者の条件()」では、「経営者の意味」と「コーポレート・ガバナンス」を説明したが、今回は、「最高経営責任者と最高執行者」「執行役員」「社外取締役」について説明しよう。

 

現代経営者の条件()

 

(3)最高経営責任者と最高執行者

 

 従来わが国では、社長が最高経営責任者で、会長というと社長を引退した人の名誉をたたえた称号として使われていた。

しかし、グロ-バル化の時代を迎えて、わが国でも「CEO(Chief Executive Officer):会長」と「COO(Chief Operating Officer):社長」というように会長(最高経営責任者)と社長(最高執行者)と区別して使われてくるようになった。

これは、グロ-バル化にともなう経営の意思決定のスピ-ド化と業績に対する経営責任と執行責任を明確にした。つまり、会長は決定者、社長は執行者の役割をにない、職務権限上、明確な組織関係を構成している。

 

(4)執行役員

 

 従来は取締役というと、戦略立案から業務の執行までの2役の役割を果たしていましたが、マネジメントがグロ-バル化してくると、素早い意思決定が行うことが要請されるようになった。

そこで登場したのが、「事業戦略の立案と決定」をする「取締役」と、取締役会(board of directors)の委託受けて「事業の執行」を行う「執行役員(corporate officer)」と区別をした。

これは、「取締役」には「戦略立案」と決定に専念してもらい、企業の取り巻く環境の変化に対応するマネジメント体制の確立をすることを目的とするものです。「執行役員」は、日常の企業活動が戦略の徹底されているか、事業計画の展開がスム-ズに行われているかをチェックするとともに、改善点があればすぐに実施する事業体制を確立することを任務とている。

 「取締役」と「執行役員」の制度では、階層が増えるために、分離をしないで社長でも執行役員を兼務している企業も多くなっている。これは「取締役」の「戦略立案」を「執行役員」に執行させると「戦略」そのものの本質が伝わらないことと、両社の責任回避をさせないためである。

 

(5)社外取締役

 

 最近、企業活動の当事者としての「取締役」と、その監督役としての「取締役」を分離した「社外取締役(outsider director)」制度が採用されている。この目的は、経営者の仕事を株主の視点で見るには、企業経営から独立した人のほうが、より客観的にチェックできるからである。

 「社外取締役」としては、他企業の現職CEO、大学教授、弁護士、コンサルタントなど、多様な人材の客観性の高い識見を得ることによって、社会的経済的環境の変化に即応していこうとするものである。また、株主の代表として、経営を監査して、株主の利益を優先した経営が行われているかのチェック機能も有している。

 しかし、「社外取締役」というのは、第三者として社会的経済的環境の判断については、企業内より適切な判断が可能になりますが、株主の代表としての企業活動のチェックについては、「社外取締役」は機能が生かされていない場合が多いようである。