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今回は、前回に引き続き「個性化戦略」のアメリカのファーストフードの「失敗事例」を紹介しましよう。
個性化戦略(2) |
(3)バ-ガ-・シェフの事例
① バ-ガ-・シェフの位置
「バ-ガ-・シェフ」は、1970年代初頭は、「マクドナルド」「バ-ガ-・キング」「A&W」に次ぐハンバ-ガ-・ビジネスでは、売上高第4位、フ-ドビジネスでも第6位を占めていた大チェ-ンだった。
しかし、いまや「ハ-ディ-ズ」とともに、カナダの企業の傘下に入り、「ハ-ディ-ズ」は躍進を続けているが、「バ-ガ-・シェフ」は、その姿すらなくなってしまった。
② バ-ガ-・シェフの創業動機
「バ-ガ-・シェフ」は、独立したハンバーガ-・チェ-ンとして、インデアナ州インデアナポリスで出発した企業だった。。この企業はもともと「チェ-ン・ブロイラ-」というハンバ-ガ-・パテを自動的に焼く機械を生産していたメ-カ-だった。
この機械の販売網を築くために、「バ-ガ-・シェフ」というハンバ-ガ-・ビジネスを起こしたのであったが、1967年に1600万ドルで、全米最大の食品メ-カ-である「ゼネラル・フ-ズ」社の多角化戦略によって買収されてしまった。
③ 買収当時の状況
買収当時「バ-ガ-・シェフ」は、39州、700店を展開していたし、その勢いでロ-スト・ビ-フ・サンドイッチの「リックス」を買収したほどであった。買収して1年後の1969年3月には200店増加し、アメリカ全土に900店、カナダに第1号店をオ-プンした。
同じ年の12月になんとアメリカで1,022店、カナダで29店、翌1970年12月にはアメリカ1,200店、カナダ36店、合計1236店となり、「A&W」を抜いて、ハンバ-ガ-・ビジネスでは第3位に昇った。
④ ゼネラル・フ-ズの赤字
「ゼネラル・フ-ズ」は、「バ-ガ-・シェフ」を買収してから、ちょうど4年経った1972年1月は総額8300万ドルの赤字を出してしまった。この原因はファ-ストフ-ドの急速拡大によるもので、この拡大に利益が伴わなかったからである。
その結果、「リックス」の売却と「バ-ガ-・シェフ」の店舗削減を行ったが、効果はまったくなく、最終的には「ゼネラル・フ-ズ」自身の足を引っ張る形となり、他の傘下に入ってしまった。
⑤ バ-ガ-・シェフの教訓
1.創業者の退職
「バ-ガ-・シェフ」の創業者は、「ゼネラル・フ-ズ」が買収した後は退職してしまったので、創業者精神が失われてしまっ。また重要な経営幹部は、ほとんどいなくなってしまったので、ビジネス展開の上に支障を来たしてしまった。
全米でピザ・チェ-ンの最大の「ピザ・ハット」が買収された時は、創業者はそのままトップを続けて、さらに大チェ-ン化を行ったのは有名な話で、「バ-ガ-・シェフ」とは好対照であった。
2.戦略不在の未解決
「バ-ガ-・シェフ」は、創業者の問題と合わせて、戦略不在がもたらした功罪のほうがはるかに高い事例である。
(a)統一性の欠如
「バ-ガ-・シェフ」の店舗は、統一性に欠けていて、チェーンとしてお客様に信頼性が湧いてこない状態であった。
1973年に「サン・オブ・フィン」というコンセプトで、店舗のイメ-ジの統一づくりを図ったが、時すでに遅しの感があり、「マクドナルド」の「ゴ-ルデン・ア-チ」ほどに至たらなかった。
(b)出店が未集中
「バ-ガ-・シェフ」の出店は店数の割りに39州にもわたっているので、かなり分散していて、お客様へのアピ-ル度が他のチェ-ンとして比較して弱いものであった。さらに、これらの店に原材料やペ-パ-類を配送するコストが高く、しかもス-パ-バイジングのコストが異常にかかってしまった。
(c)品質レベルや品揃えの不備
「バ-ガ-・シェフ」は、他のチェーンと比較して、品揃えが不備である上に、品質面でも若干劣っていたし、価格面でも高かいものだった。
(d)フランチャイジ-の選択や教育訓練の未整備
「バ-ガ-・シェフ」は、フランチャイジ-選びの基準が甘く、人物や財政状態より、なんらかのビジネス経験があることが優先されたし、教育訓練が完全に不足してしまった。
(e)ス-パ-バイジングの不足
「バ-ガ-・シェフ」は、店舗拡大ばかり勢力を割くので、ス-パ-バイジングは疎かにされていて、既存店は他のチェーンに圧倒されてしまった。
(4)教訓
「バ-ガ-・キング」や「バ-ガ-・シェフ」から学ぶ教訓は、何といっても成長主義に陥っていたことである。つまり、マ-ケティングが不在であり、しかも「マクトナルド」に追いつけ追い越せとばかり、無謀ともいえる計画を推進した結果であった。
企業として成長することは悪いことではないが、「マクドナルド」とどう違うのか、「マクドナルド」はこうだが、わが店はこうだという主張がまったくなく、ただ追随していったことが敗退をしていった。
さらに大事なことは、創業者の「起業家精神」が生かされていないことであり、食品会社は自社の原材料を供給しようしいう川上からの発想ばかりが優先して、企業の独立心を失わせていたことも敗退の大きな要因であったことも忘れてならない。
これはアメリカの企業で数多くみられることであるが、大企業が中小企業を買収すると意志決定がトップダウンになり、子会社の自主性が失われて、環境の変化の対応が遅れるという例にもなってしまった。
