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今回は、「おもてなし」に関係する「サービス」「ホスピタリティ」「おもてなしの心」についての「言葉」の意味について考えてみよう。
3 言葉の意味
「サ-ビス」「ホスピタリティ」「おもてなし」の歴史・現在については、理解できたと思うので、「言葉の意味」を考えていくと、次の通りとなる。
(1)サ-ビス
「サ-ビス」の起源は、主従関係の「タテの組織」として見られているが、現在最も使われているのは、「接客サ-ビス」である。「サ-ビス」という言葉については奉仕、接待、の意味のほか、役務、用役などと解されているが、アメリカマ-ケティング協会では、「販売のために提供される商品または商品販売に関連して提供される諸活動、利益、満足である」と定義している。
「接客サ-ビス」というと、小売店・専門店では、「お客様のお迎え→商品の注文を受ける→商品の包装→代金の授受→商品のお渡し→お客様のお見送り」となる。レストランでは、「お客様のお迎え→客席へのご案内→メニュ-のお渡し→商品の注文を受ける→商品を提供→会計→お見送り」、ホテルでは、「お客様のお迎え→チェックイン→部屋へのご案内→会計→お見送り」、旅館だと部屋へのご案内の後に、食事の提供が入る。
これらは、お客様に接する手順で、これらは人を通じて行うことから、通常「サ-ビス」として位置づけられている。ここでのお客様の評価は、「サ-ビス」が良かったとか悪かったとかということで、いわば「お客様に商品を提供する活動をサ-ビス」としている。
(2)ホスピタリティ
「ホスピタリティ」の起源は、お客様をゲストとしてお迎えするには、お客様とスタッフは対等という「ヨコの組織」として位置づけている。「ホスピタリティ」という言葉は、「お客様をもてなす」ということで、これには「思いやり、心遣い、親切心、誠実な心、心からのおもてなし」という意味があり、「物事を心、気持ちで受け止め、心、気持ちから行動に移す」ことである
これらは、お客様に接するスタッフが「接客サ-ビス」の手順のなかで、たんに「サ-ビス」をするというのではなく、「お客様の立場」に立って、お客様に喜び、幸せを感じてもらおうという立場で「サ-ビス」を提供することによって、お客様に「満足、感激、感動」を感じていただき、お客様はこれらの「おもてなし」によって「感謝」をするということである
(3)おもてなしの心
「おもてなし」は、一般的に「もてなし」に「お」をつけた美化語とされている。つまり、「もてなし」は、接待や歓待といったように義務感が強いものである。一方「おもてなし」は、精神的な面が強く、たんに「おもてなし」ではなく、「おもてなしの心」が重要視されるのである。
「ホスピタリティ」はヨ-ロッパの巡礼、「おもてなし」は日本のお遍路から始まったとされているので、基本的には「おもてなし」が源流となっている。つまり、「ホスピタリティ」は外国の文化であるが、日本の文化となった「おもてなし」は小笠原流礼法や茶道から出発したもので、外国にない「立ち居振舞い」や「和敬清寂」や「一期一会」が加わって「おもてなしの心」に発展したものである。
ここで、「ホスピタリティ」と「おもてなしの心」を比較して、どちらが優れているかを論じるつもりはまったくない。その理由は、外国の文化と日本の文化との違いを語っても、まったく意味のない話だからである。
外国のラグジュアリ-・ホテルが日本に進出するにあたり、日本の旅館に宿泊し感じたことは「日本旅館のおもてなしの心は、パ-ソナル・タッチのサ-ビスであり、ホスピタリティを生み出す究極の形」であるとして、外国の文化に日本の文化を融合させている。
さらに、「おもてなしの心」で有名な日本旅館では、外国を視察して「ホスピタリティ」を学び、日本の文化に外国の文化を融合させている。いま日本で表現されているのは、「ホスピタリティ+おもてなしの心=ホスピタリティ」ということなのである。
重要なことは、わが国においては「おもてなしの心」の原典である外国が評価の高い礼儀正しい「立ち振る舞い」や「和敬清寂」「一期一会」の心を常に忘れないという世界から見て、極めて稀な日本の文化を生かすことである。
