インフォメーション
アメリカでは、Sushi(寿司)はもちろん、Bento(弁当)、Matcha(抹茶)、
Edamame(枝豆)など、日本語がそのまま使われている食に関した言葉がいく
つもあり、Tofu(豆腐)、Shiitake(椎茸)といった食材名やTeriyaki(照り
焼き)などの調理法は、日本食レストランに限らず、一般のレストランなどの
メニュー表示にもごく当たり前に使われています。
そんなアメリカで次に定着するかもしれないのが「Omakase」、お任せコー
スです。レストランなどの情報を投稿するサイト「Yelp」でも、「Omakase」
で検索すると幾つもの店が表示されます。
「Omakase」は、寿司屋を中心に日本料理店で提供されていましたが、メニュ
ーを選ぶ必要がなくすぐに話を始められること、全員同時に料理が提供されな
い場合に生じる気まずい「間」を減らす一方で、見た目が華やかなメニューが
次々と出されることで場が盛り上がることなどが、商談などの場面に適してい
るとして、人気となったようです。3月16日付のウォールストリートジャーナ
ルによると、ビジネスランチの際、高級ステーキハウスなどに替えて、より高
価な、一人あたり80~150ドルかかる「Omakase」コースのある店を選ぶ企業が
増えているといいます。人気の店では、提供するメニューも、和食だけに留ま
らず、洋食も加えた多彩なものに変化させつつあるようです。
加えて、これらの高級コースを提供している店の多くで、顧客の要望にきめ
細かく応えていることも、「Omakase」が高価であっても選ばれる理由のよう
です。ある店では顧客に関する記録を付けていて、一度リクエストがあったこ
とは以降も同じようにしたり、箸の使い方がうまくない顧客が来る際、全員に
フォークとナイフを配り、顧客が恥ずかしい思いをしないようにしているなど。
まだ限られたお店での話かもしれませんが、もっとカジュアルでお手ごろ価
格のお任せを出す日本料理店もあります。筆者も行ったことがありますが、日
本人だけでなく、アメリカ人の姿も多く見られました。調理法だけでなく、心
配りなども含めた和食の文化と日本の伝統が、今後アメリカでさらに広がるこ
とを期待します。
(ニューヨーク事務所 椋本所長補佐)
(1)モノより思い出
2015年の訪日中国人旅行客は、前年から倍増の約500万人。外国からの訪日
旅行客の4人に1人が中国人という計算になります。昨年は「爆買い」という
言葉が大流行しましたが、最近では日本製品だけではなく日本文化への関心が
高まっています。中国人の訪日旅行スタイルも、家電や化粧品等のモノを大量
購入する「消費型」から、日本独自の文化を体験し日本でしかできない思い出
をつくる「体験型」へと、リピーターを中心に徐々に変化を見せています。
(2)「茶道」に見る日本文化への関心の高さ
日本文化の代表格と言えるのが「茶道」。茶道裏千家北京出張所の張南ラン
(ジャン・ナンラン)先生に、中国における茶道の人気ぶりについてお話を伺
いました。張先生は、ここ数年の茶道への関心の高まりを強く実感しているそ
うです。張先生が北京で講師を始められた12年前、生徒数はわずか30名程度で
そのほとんどが日本人(駐在員の奥様など)だったものが、現在は生徒数80名
以上、なんとその8割以上が中国人!張先生曰く、茶道には「お茶」だけでな
く、「着物」、「和菓子」、「懐石料理」、「陶磁器(焼き物)」などの中国
人を惹きつける日本独自の様々な文化的要素が付随していることが人気の背景
にあると分析されており、「日本で着付けや和菓子づくり体験をしたい!」と
いう声は非常に多く聞かれるということです。
(3)観光立国へ向けた次の一手
2016年も、中国からの訪日旅行者数は昨年を超えるペースで増加を続けてい
ます。この勢いを持続させ、継続的に中国人旅行客を呼び込むため、これから
はいかにモノを買わせるかだけではなく、茶道のような日本文化を体験できる
コンテンツを充実させ、多様化する中国人旅行客のニーズを効果的に消費に繋
げていく工夫が必要だと感じています。
※中国で浸透している日本文化については、自治体国際化フォーラム8月号
(7月25日発行)でも取り上げる予定です。
(北京事務所 中川所長補佐)
2016/07/15(金)
鳥取県企業が商談会、カニなど売り込み
ホーチミン市1区で13~14日、鳥取県などの6社が参加する食品関連の商談会が開催された。日本食レストランなどへの輸出市場開拓に向け、県名産のカニやかまぼこ、和牛などを売り込んだ。
商談会は鳥取県が後援した。企画したエムケイ開発(鳥取県伯耆町)の河上貴一社長によれば、鳥取県の支援を受けた食品の商談会は、ベトナムでは初めてとなる。
千代むすび酒造(同境港市)は、大吟醸の日本酒などを現地の飲食店関係者らに振る舞った。同社の営業企画部長の佐野直氏は、「コクのある味わいの酒がベトナム人の味覚に合うようだ」と手応えを感じている。来越は3年ぶりだが、「日本食レストランのメニューも充実してきた。いずれはシンガポールや香港のように日本酒の人気が出る」とみており、競争が激化しないうちに販路を開拓する意向だ。
加工食品の越河(同米子市)は、カニみそや冷凍のカニグラタンなどの輸出を狙う。越河貴文社長によれば、台湾やタイなどには出荷の実績があるが、ベトナムは未開拓。「まずは輸入代理店を見つけたい」と意気込む。
河上社長によれば、出展各社は2日目までに見積もり依頼などを受けた。ベトナムでビジネスに結びつけるには、関税に加えて「煩雑な通関手続きも課題」だという。
米国農務省は、7月12日(現地時間)、2016/17年度の3回目の世界及び主
要国の穀物・大豆に関する需給見通しを発表しました。その概要は以下のとお
りです。
-2016/17年度の穀物全体の生産量は消費量を上回り、大豆の生産量は消費量
を下回る見込み-
1.世界の穀物全体の需給の概要(見込み)
(1)生産量
25億2,215万トン(対前年度比 2.8%増)
(2)消費量
25億1,288万トン(対前年度比 3.1%増)
(3)期末在庫量
6億310万トン(対前年度比 1.6%増)
(4)期末在庫率
24.0%(対前年度差 0.4ポイント減)
《主な品目別の動向》
〈小麦〉
生産量は、EUでフランスの多雨により減少、ウクライナ等でも減少するも
のの、米国で冬小麦の単収が史上最高となり増加、ロシアでは春小麦の播種面
積拡大により増加すること等から、世界全体では史上最高となる見込み。また、
消費量は、中国、米国等で飼料用需要増に伴い増加すること等から史上最高と
なる見込み。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より上
昇。
(1)生産量
7億3,851万トン(対前年度比 0.5%増)
・米国、ロシア、アルゼンチン等で増加、EU、ウクライナ等で減少
(前月に比べ、米国等で上方修正)
(2)消費量
7億2,934万トン(対前年度比 3.1%増)
・中国、米国、インド等で増加
(前月に比べ、中国、米国等で上方修正)
(3)期末在庫量
2億5,370万トン(対前年度比 3.8%増)
・中国、米国、ロシア等で増加、インド等で減少
(前月に比べ、中国等で下方修正)
(4)期末在庫率
34.8%(対前年度差 0.2ポイント増)
〈とうもろこし〉
生産量は、中国で国家備蓄政策廃止及び国内価格低下に伴う播種面積減によ
り減少するものの、米国、ブラジル、南アフリカ等で増加することから、世界
全体では前年度を上回る見込み。また、消費量は、米国、中国、ブラジル等で
増加することから史上最高となる見込み。世界全体の生産量は消費量を上回る
ものの、期末在庫率は前年度より低下。
なお、2015/16年度のブラジルの生産量は、同国中央部の乾燥及び南部パラ
ナ州の2016年6月前半の季節外れの降霜による冬とうもろこしの作柄悪化から、
前月より750万トン下方修正。
(1)生産量
10億1,074万トン(対前年度比 5.3%増)
・米国、ブラジル、南アフリカ等で増加、中国等で減少
(前月に比べ、米国等で上方修正、ブラジルで下方修正)
(2)消費量
10億925万トン(対前年度比 5.0%増)
・米国、中国、ブラジル等で増加
(3)期末在庫量
2億839万トン(対前年度比 0.7%増)
・米国等で増加、中国等で減少
(前月に比べ、中国等で上方修正)
(4)期末在庫率
20.6%(対前年度差 0.9ポイント減)
〈米(精米)〉
生産量は、米国でカリフォルニア州の中・単粒種米の作付面積拡大に伴い増
加、インド等でも増加することから、世界全体では前年度を上回り史上最高と
なる見込み。また、消費量は、米国等で増加することから史上最高となる見込
み。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率はほぼ前年度並み。
(1)生産量
4億8,123万トン(対前年度比 2.3%増)
(2)消費量
4億8,063万トン(対前年度比 0.4%増)
(3)期末在庫量
1億730万トン(対前年度比 0.6%増)
・中国等で増加、タイ、インド等で減少
(4)期末在庫率
22.3%(対前年度差 0.0ポイント増)
2.世界の大豆需給の概要(見込み)
生産量は、米国等で減少するものの、ブラジルで収穫面積の増加及び単収の
上昇から増加、中国では政策変更によりとうもろこしから大豆への播種転換が
促されること等から、世界全体では前年度を上回り史上最高となる見込み。ま
た、消費量は、中国等で増加することから史上最高となる見込み。世界全体の
生産量は消費量を下回り、期末在庫率は前年度より低下。
(1)生産量
3億2,595万トン(対前年度比 4.4%増)
・ブラジル等で増加
(前月に比べ、米国等で上方修正)
(2)消費量
3億2,878万トン(対前年度比 3.6%増)
・中国等で増加
(3)期末在庫量
6,710万トン(対前年度比 7.0%減)
・アルゼンチン等で減少
(4)期末在庫率
20.4%(対前年度差 2.3ポイント減)