年が明けて早くも1カ月が過ぎようとしているが、中国人が新年を迎える「春節」はこれからだ。春節に旅行に出かける中国人は年を追って増えており、旅行先として人気が高いのは日本だという。政府は抗日戦争勝利70周年と騒いでいるが、民間の意識はまた別にあるようだ。

2年前の3割安で日本旅行が楽しめる

 近年、海外旅行を楽しむ中国人が目立って増えている。2013年には出国者数が米国を超えて世界一となり、14年にはさらに増えて前年比118.2%、1億1600万人を記録した。昨年の訪日中国人観光客も前年比182%、220万人と急増。日本のサービスの質の高さとショッピングが魅力らしい。ベトナムほど反中感情が強くなく、マレーシアに比べると安全なイメージがあると分析するレポートもある。

 中国人観光客が増えた理由としては、対人民元で日本円が2年前より3割以上安くなったことも大きい。しかも昨年は免税範囲が拡大され、化粧品や食品なども免税対象となったほか、今年1月19日には中国人観光客のマルチビザが3年から5年に延長された。

 旅行情報サイト「携程旅行網」の発表によると、今年の春節における国内/海外旅行のニーズは半々で、国外の旅行先としては、日本、タイ、台湾、オーストラリア、米国の人気が高いとのこと。旅行の期間は「3~6日」が64%と最も多く、続いて「7~10日」が21%、「3日以下」が11%となっている。出発日は、家族や親族と正月気分を味わってから出発する「年明け3日目または4日目(36%)」が最も多く、「春節前(23%)」や「春節当日または翌日(20%)」と続く。

 
中国人が訪れたい国、地域のランキング(携程アンケートより)
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春節の旅行予定地(国外、携程アンケートより)
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日本を訪れる中国人観光客のピークは20~24日となる見込み
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