インフォメーション

2018-06-06 17:43:00

オーストラリア向け日本産生鮮牛肉輸出、17年ぶり再開へ

(オーストラリア、日本)

シドニー発

2018年05月30日

日本の農林水産省は5月29日、オーストラリア政府との間で、日本産生鮮牛肉の輸出再開について合意したと発表した。日本産生鮮牛肉の輸出は、牛海綿状脳症(BSE)が発生した2001年9月以降停止されており、17年ぶりに再開されることとなった。

今後、厚生労働省が定める手続きに基づき認定を受けた施設から、オーストラリア向けの輸出が可能となる。輸出施設の認定要件(衛生管理基準など)は、対米国向け牛肉輸出施設に準じる。

日本産の生鮮牛肉は、2004年6月に輸出再開要請が行われたものの、2010年4月に日本で口蹄疫が発生したことなどから協議が難航した。その後、衛生条件の協議が行われる中、2015年には常温保存可能牛肉製品(レトルト食品、缶詰など)が、2017年には牛肉エキスが輸出解禁になるなど、段階的に輸出合意が行われていた。

和牛輸出の拡大に期待

齋藤健農林水産相は29日の記者会見において、「今回の輸出再開を機に、オーストラリア向けの牛肉輸出に期待している。現在、同国向けに生鮮牛肉が輸出可能なのはニュージーランドおよびバヌアツのみで、米国やオランダといった他の解禁要請国に先駆け、日本が輸出を認められることとなった」と語った。

また、「同国は1人当たりの牛肉消費量が日本人の3倍以上(20.9キロ)であり、1人当たり名目GDPが6万ドル以上になるなど所得水準も高い。都市部においては日本食レストランも多く、日系・アジア系スーパーでは日本食材が多く取り扱われている。近年、訪日観光客も増加傾向で推移する中、和牛に親しんでいる人も多いということを考えると、日本産の牛肉を受け入れる土壌は十分にある」と、今後の和牛輸出に期待するコメントを発表し、「輸出に関心のある事業者への輸出手続きの周知や、和牛の特徴および調理方法などを現地でプロモーションしたい」とした。

(藤原琢也)

(オーストラリア、日本)

ビジネス短信 3a3f219126d2049d


2018-06-06 17:40:00

上海への初出店相次ぐ、小売りと飲食が大半

(中国)

上海発

2018年05月28日

ドイツの調理器具販売ツヴィリングが4月20日、上海HKRI太古匯センターに中国初となる「ツヴィリングの家」という旗艦店をオープンした。上海では、シンガポール料理の老舗ソンファ・バクテーが静安ケリーセンターに入居するなど初出店が相次いでいる。

2017年は226店舗、前年の2.2倍

中商ブランドデータバンクの発表(5月10日)によれば、2017年に上海に初出店した店舗数は中国に初出店した店舗数の約半分の226店舗で、前年の2.2倍となり、中国全体の約半分を占め、2018年第1四半期に上海にも72店舗に上っている。

初出店の場所は静安区、徐匯区、黄浦区に集中しており、特にHKRI太古匯センター、K11、新天地、静安ケリーセンター、静安太悦城、五角場などが人気だ。

2017年に上海に初出店した226社の業態をみると、最も多いのは小売業で48%、2位は飲食業で39%、3位は子供関連業で8%だった。小売業の中ではアパレル類が28%を占め、化粧品類、スポーツ類と続いた。

第1四半期の72店舗の内訳をみると、飲食(35店舗)、小売り(32店舗)、レジャー(6店舗)の順となっている。飲食の初出店では、日本料理、西洋料理、広東料理、カフェが人気で、日系の飲食店では「くろぎ」「江戸前和食牛武士」「アラビカコーヒー」などがある。

(呉秀媛)

(中国)

ビジネス短信 0a3925554e61ab64


2018-06-06 17:35:00

来るボイスファースト時代に、米アマゾン・ドット・コムの「Amazon Alexa」がどれだけのポジションを獲得できるかは、アマゾンのAI技術の実力に左右される。その片りんを感じさせるのが、ディープラーニングを用いた画像認識技術を駆使したレジなしコンビニ「Amazon Go」だ。その全貌を独自作成した「Amazon Goマップ」で解説する。

 日経クロストレンドの創刊記念イベント「日経 xTREND FORUM 2018」内では、「Amazon Goの衝撃~その先にある新たな買い物の世界~」と題して、『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』の著者でオイシックスドット大地 執行役員の奥谷孝司氏、2009年から2016年までAWS(アマゾン ウェブ サービス)で日本のマーケティングを統括していたABEJA マーケティングディレクターの小島英揮氏、すかいらーくで顧客データ分析を牽引していたリノシス代表取締役の神谷勇樹氏の3人が議論する。日時は6月18日(月)午後1~1時40分。「Amazon Goの衝撃~その先にある新たな買い物の世界~」

 「世界よ、これが未来の買い物だ」──ジェフ・ベゾスが高らかに宣言しているかのような店舗だった。

 アマゾンが米シアトルの本社ビルで運営する「Amazon Go」は、ディープラーニングを駆使した画像認識技術で、「Just Walk Out(商品を取って出るだけ)」で買い物ができる“レジなしコンビニ”だ。どのような買い物体験ができるのか。その実力を検証すべく、3日間通い詰めた。

 Amazon Goで買い物をするには、まずAmazon.comのアカウントが必要。そのうえでスマホに専用アプリをダウンロードし、QRコードを表示して入場する。あとは商品を手に取ってゲートを出るだけで自動的に課金される仕組みだ。

 スマホでタッチして入るのは自動改札と同じなので、違和感はない。5000台ともいわれるカメラやセンサーで人と商品の動きを把握していると聞いていたが、カメラに監視されている感覚はあまりなかった(天井をよく見ると、カメラやセンサーとおぼしき黒い機器が所狭しと並んでいるのだが)。日本で決済を効率化するために使われ始めたRFIDタグは商品に貼られていない。画像認識に重量センサーなども併用して商品の動きを把握しているようだ。

家族連れの場合はアプリを持っている人がゲートに1回タッチして1人ずつ通す
天井をよく見ると、カメラやセンサーとおぼしき黒い機器が所狭しと並んでいる

 ゲート前に何もないスペースが大きくとられているのは、人が密集しないようにして画像認識によるトラッキングが途切れるのを防いでいるのだろう。次世代コンビニの実験をしているローソンは「実際の店舗で画像認識の実験をしたところ、レジ前のスペースに昼のピーク時などに人が並んで棚の前が混み合うとカメラとセンサーで追いきれなくなり、誰が誰だか分からなくなったことがあった」(ローソン オープン・イノベーションセンターの谷田詔一マネジャー)と言う。こうした理由でAmazon Goでは、40人程度が入ると入場を制限しているようだ。

ゲートのすぐ前は何もないスペースが大きくとられている

 商品を取って出るだけで本当に正しく課金されるのか。薄い板チョコを1枚ずつ枚数を変えて取ってみたり、商品を一度別の棚に置いてから取ってみたり、天井のカメラから見えないように別の人の手を上に重ねて商品を取ったりしてみたが、いずれも正確に決済されていた。アマゾンのAI(人工知能)による画像認識と処理アルゴリズムレベルは相当高いと感じた。唯一禁止されているのが、手に取った商品を別のアカウントを持つ人に渡すこと。実際やってみたところ、棚から取り出した人に課金された。

手に取った商品を自分のカバンに直接入れてもOK
別の人の手を上に被せた状態で商品を取ってみたが、取った人に課金されていた

タクシーからウーバーへの変化と同じ感覚

 レジがないと、どれだけ短時間で買い物ができるのか。試しにゲートを入って近くにあるサンドイッチを取ってすぐ出たところ、10秒程度しかかからなかった。「あれ? これで終わり?」という感覚だ。

 
動画はこちら(再生する場合は画像をクリック)

 その秘密は店舗のレイアウトにもある。最も需要の高いランチボックスやサンドイッチ、飲料はゲートの目の前に置き、冷凍食品や調味料、ミールキットは奥にある。弁当や飲料の売り場を奥に置いて買い回りを促す日本のコンビニとは真逆だ。これによって、混み合うランチタイムでもあっという間に買い物ができる。

Amazon Goの全貌はこれだクリックすると左の写真を拡大

 実際、視察目的と思われるビジネスパーソンや観光客は店内をくまなく回って観察しているが、アマゾン社員など近隣のワーカーとおぼしき客は真っすぐ売り場に向かってサンドイッチをつかみ、そのままあっという間に出て行く姿を何度も見かけた。

 決済プロセスがない気持ち良さは、タクシーの代わりに「ウーバー」を利用したときの感覚に近い。買った実感がない気もするが、高額品ならまだしも、コンビニでの小額決済なら実感より利便性が勝つだろう。

 買い物客に利用した感想を聞いてみると、「すぐ買えるので便利だが、ついつい買い過ぎてしまう」という意見が多かった。商品はランチ需要の高いサンドイッチやランチボックス、サラダが5~10ドル程度と高めなので、飲料を加えるとあっという間に1500円近くいってしまう。しかも、レシートはゲートを出てからしばらくしないと送られてこないため、あとで「買い過ぎたなあ」と反省することになるのだ。

無人どころか、スタッフが多い

 イメージと違って驚いたのは、無人どころかスタッフが多かったこと。出入り口で入店方法を案内するスタッフと奥のアルコール売り場で年齢確認を行うスタッフは必ずいるのに加え、常に2~4人がフロアで品出しをしているのだ。日本のコンビニより多い。しかも客にフレンドリーにあいさつしたり、ショッピングバッグを渡してくれたりと、接客が良いのだ。「アマゾンが常に重視しているのは顧客とのエンゲージメント。オフライン店舗の良さはやはり接客。レジなしは完全省力化に振ることもできるが、余った人員を接客に振り分けることもできる」と、元アマゾンウェブサービスジャパンのマーケティング本部長で実際にAmazon Goを視察した小島英揮氏。

 新しいテクノロジーは顧客に受け入れられるかどうかがポイント。日本の小売関係者はレジなし店舗をレジ待ちによる機会ロスや人手不足の解消手段とみているようだが、店舗側の都合が優先されると、客はついてこない。「ECからリアルに進出した企業の強みは、テクノロジーによって接客以外の部分を省力化しつつ、接客を高度化していること」(オイシックスドット大地の奥谷孝司執行役員)。レジなしをいかに顧客のおもてなしに生かせるか。ここに学ぶところがありそうだ。

常に2~4人がフロアに出て品出しをしていた

第10回 Amazon Goが狙う“リアル店舗のEC化”という脅威→


2018-06-02 17:33:00
2018/05/08 05:00

グルメサイトRettyの先進AI

AIが飲食店のキャッチコピー、優先度学習を採用したRetty

RettyのAI活用(2)
井原 敏宏=日経 xTECH/日経クラウドファースト
日経 xTECH
 

 実名型口コミのグルメ情報サービスRettyは、元グーグル技術者の樽石将人CTO(最高技術責任者)がけん引するAI(人工知能)先進企業だ。飲食店ごとにユーザーが投稿した写真から最も映えるものを選ぶAI、飲食店ごとのキャッチコピーを考えるAI、接待向きといった飲食店のキャラを見極めるAIなど、様々なAIを独自に開発。事業成長のネックになっていた人手の業務を次々と自動化している。

左からRettyの樽石将人CTO(最高技術責任者)と、Software Engineerの竹野峻輔氏
[画像のクリックで拡大表示]

 本特集ではRettyのAIのうち先進的な3つを取り上げ、開発の経緯や仕組みを解説している。今回は飲食店ごとのキャッチコピーを自動作成するAI(以下、見出し作成AI)を紹介する。

飲食店の特徴を簡潔に伝える

 「天然素材にこだわった、優しさと滋味に溢れたラーメンが食せる店」「五反田で半世紀以上続く老舗洋食レストラン」。Rettyのサイトやアプリに掲載される飲食店には一つひとつキャッチコピー(見出し)が付けられている。

 キャッチコピーは、Rettyのユーザーが飲食店を探すうえで手掛かりになる重要なコンテンツ。しかし「以前は見出しが付いていた飲食店は全体の3分の1程度」(樽石CTO)。Rettyに登録されている約80万店舗全てに人手でキャッチコピーを作成するのは困難だったからだ。

 そこで開発したのが、ユーザーによる飲食店ごとの口コミ投稿文を基に、キャッチコピーを自動作成するAIである。

 見出し作成AIが作ったキャッチコピーの例は次のようなものだ。

 「電源ありWi-Fi完備、作業やミーティングに最適なお洒落カフェ」「ワンコインランチも人気の究極の焼き鳥ビストロ」「オシャレな雰囲気と本格派のハンバーガーが素晴らしい有名店」「朝から晩まで長蛇の列ができる名店うどん屋さん」。

 人間が作ったキャッチコピーと遜色ない出来に思える。

 Rettyはいかにして見出し作成AIを開発したのか。樽石CTOの指揮の下、このAIを開発したのは竹野峻輔氏(Software Engineer)だ。竹野氏は学生時代にRettyでのインターン経験はあったものの、2017年4月に入社するとすぐに見出し作成AIの開発を指示された。

優先度学習により見出しを抽出

 2017年5月にAIの開発を開始した竹野氏の最初の課題となったのが、どのような手法を使えば適切なキャッチコピーを作成できるかだ。「良いキャッチコピーには正解がない。AIをどう学習させればいいのか悩んだ」と竹野氏は振り返る。

 竹野氏がたどり着いたのは「優先度学習」を使うことだった。優先度学習は、2つの対象のうちどちらが好ましいかを学習させるという機械学習の手法の一つだ。「キャッチコピーの出来を数値評価するのは人でも難しいが、2つのキャッチコピーのうち良いほうを選ぶことはできるのではないか」と竹野氏は考えた。

 


2018-06-02 17:31:00

米スタバ、人種差別防ぐ従業員研修 国内直営店で一斉に

2018.05.29 Tue posted at 17:12 JST

ニューヨーク(CNNMoney) コーヒーチェーン世界最大手の米スターバックスは29日午後、全米の直営店8000店舗を一斉に休業し、人種差別を防ぐための研修を実施する。

フィラデルフィアの店舗で先月、黒人男性2人が逮捕された事件をめぐり、差別との批判が集中したことを受けた対応策の一環だ。

ホテルやスーパー、空港にライセンス展開している7000店は大半が営業を続けるが、各地の直営店は当日、現地時間の午後2~3時に閉店する。

従業員らは少人数の班に分かれて自分たちの体験を語ったり、偏見についてのビデオを見たりして学習する。スタバのシュルツ会長、ジョンソン最高経営責任者(CEO)、米ラッパーのコモンが案内役を務める。

同社によれば、それぞれの店舗には研修用ツールのセットが届けられている。人種的偏見を理解するだけでなく、米国の公共の場における差別の歴史を知ることにも重点を置いた内容になるという。

全米黒人地位向上委員会(NAACP)法的弁護・教育基金のトップ、シェリリン・アイフィル氏と、政策シンクタンク、デモスを率いるヘザー・マクギー氏らが同社の要請を受け、無償で顧問を務めている。

アイフィル、マクギー両氏は従業員の反応などを厳しくチェックする。研修の資料は他社も活用できるよう、終了後に公開される。

アイフィル氏によると、スターバックスの経営陣は数日前、すでに人種的偏見についての研修を受けている。同社は今後もさらに研修を続ける方針だが、店舗の営業をまた止めるかどうかは明らかでない。


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