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2017-06-03 09:52:00

2017/06/02(金)

味の素が飲食品事業参入、今期に新商品発売

マレーシア味の素は、事業の多角化を図るため、飲食品事業に進出する。本年度(2017年4月〜18年3月)内に、第一弾の商品を投入する計画だ。具体的な商品名は公表していない。2020年までに飲食品事業の売上高を全体の7%まで引き上げることを目標に掲げる。

1日付エッジ・ファイナンシャル・デーリーによると、金子圭司社長兼最高経営責任者(CEO)が5月31日に地元メディアを対象に開いた記者会見の席上、明らかにした。同社は現在、うま味調味料「味の素」やグルタミン酸ソーダ(MSG)、その他調味料を主力事業に据えているが、事業多角化の一環として、新たに飲食品事業に参入する方針だ。

味の素は、東南アジア諸国連合(ASEAN)で、マレーシアのほか、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、カンボジアに生産拠点を構え、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンでは食品・飲料事業に本格参入している。タイでは、缶コーヒーブランド「バーディー」やコーヒーにミルクや砂糖を加えた「スリーインワン」を商品化しているほか、インドネシアでは冷凍パン生地の生産に乗り出し、現地のベーカリー店、ホテル、小売店などへの販売を広げている。フィリピンでは粉末飲料事業を手掛けている。

■今期を飲食品事業拡大への第1歩に

マレーシアで生産・発売する具体的な商品が、他国で成功した製品をマレーシアの嗜好(しこう)に合わせてアレンジしたものとなるか、マレーシア独自のものとなるかは公表していない。マレーシアでは現在、味の素ブランドの食品・飲料は、輸入業者ルートで一部流通しているが、マレーシア味の素の事業としては、今期が第一歩になるという。

一方で金子社長は、海外事業の主力である中東各国向け輸出を拡大する方針も明らかにした。最大の仕向先であるサウジアラビアの売上高が3年前と比べて伸び悩んでいるため、中東での新たな市場開拓に力を注ぐ考えだ。

海外事業が同社の売上高に占める割合は現在35%。中東では現在、サウジアラビアのほか、オマーン、イエメン、ヨルダンに商品を出荷している。

マレーシア味の素が5月29日に発表した2017年3月期通期決算は、売上高が前期比4.9%増の4億1,992万リンギ(約109億789万円)、純利益は4.6倍の1億8,746万リンギだった。クアラルンプール(KL)に所有する土地が、MRT(大量高速交通システム)2号線(スランゴール州スンガイブロー~行政都市プトラジャヤ)敷設に向けた強制収用対象となり、1億6,599万リンギの補償金を受け取ったため。

事業部門別の営業利益は、一般消費者向けの小売り部門が15.8%増の3,336万リンギだったほか、業務用部門が15.8%増の2,557万リンギと好調だった。


2017-06-01 10:17:00

2017/05/31(水)

チェコの飲食店での禁煙法、5月末から施行

チェコで5月31日、レストランやバーなど飲食店での喫煙を全面的に禁止する禁煙改正法が施行される。違反者には、最大5万コルナ(2,110ドル)の罰金が科される。チェコ通信が伝えた。

今回施行される改正法は保健省が2013年に提案したもの。劇場や屋内スポーツ施設なども全面禁煙となり、合計4万1,000近くの飲食店や施設が対象となる。なお、電子たばこは対象外となっている。また今回の改正法では、未成年者へのアルコール飲料の販売に対する罰則を厳格化している。

欧州連合(EU)ではこれまでに、加盟28カ国のうち17カ国がこれに類似する禁煙法を導入している。チェコでは2010年、2度目の禁煙法が制定され、レストランやバーは喫煙の可否を示すステッカーを入口に張ることや、喫煙が可能な場合も分煙措置を導入することが義務付けられたが、それまでの法律と大きく変わらないと批判を浴びていた。

チェコの喫煙率は28%とEU平均の24%をやや上回り、喫煙者の4割を15~24歳の若者が占めるとされる。喫煙に起因する死亡件数は年間1万8,000件に上る。


2017-06-01 10:09:00

2017/05/31(水)

東急電鉄、上海の地下鉄駅店舗開発で契約

東京急行電鉄(東急電鉄)は26日、上海市の地下鉄駅構内での店舗開発コンサルティング事業を開始したと発表した。不動産管理、飲食店経営を行う上海急線企業管理とライセンス契約を結び、同社が行う上海地下鉄「徐家匯駅」構内の店舗開発・運営に対してコンサルティングサービスを提供する。

対象となるのは徐家匯駅構内の一区画。同区画では9店舗が展開される予定で、店舗面積は合計625平方メートル。店舗は今年秋の開業を目指しており、東急電鉄は店舗の構成や運営管理体制の構築、デザイン、内装などについてコンサルティングを行う。上海市の地下鉄利用者の利便性向上に貢献するとともに、日本の文化や流行の発信を行い、駅構内で時間を消費するという新しいライフスタイルの提案を目指す。

東急電鉄によると、上海市の地下鉄は2015年度には15路線366駅を擁し、世界有数の規模を誇るものの、これまで輸送力強化を優先してきたため、駅構内店舗の開発には成長の余地がある。また中国では、日本の駅構内店舗開発・運営ノウハウが注目を集めているという。

東急電鉄は中期経営計画の重点施策に「国内外の事業で培ったノウハウの活用」を掲げ、現地パートナーとの連携などによる事業拡大に取り組んできており、同事業もその一環となる。


2017-06-01 10:05:00

公邸料理人の活動紹介
「ナイルの恵みは難関を乗り越えた先にあり」

(在エジプト大使館・萩本栄治公邸料理人)

平成29年5月26日

    • (写真1)Cuisine Festival参加各国のシェフたちと
      Cuisine Festival参加各国のシェフたちと
 
    • (写真2)和食紹介事業でのレクデモ
      和食紹介事業でのレクデモ
 
  • (写真3)和食紹介事業で香川大使らと
    和食紹介事業で香川大使らと

 在エジプト大使館の公邸料理人・萩本栄治さんは、フレンチの料理人です。
 大阪で生まれ育ち、ホテル勤務を経て、北新地の評判の良い洋食レストランで腕を磨いた萩本さんは、30歳を迎えたことを契機に料理人として独り立ちする決意をし、公邸料理人に応募しました。時を同じくしてエジプト駐箚を命ぜられた私が、これまで一切の接点をもたない萩本さんとの出会いを得たのは、このようなときでした。
 しかし、カイロに赴任直後から、待ち受けていた幾つものハードルに行く手を阻まれます。公邸料理人どころか海外生活も初めてとなる萩本さんのチャレンジには、もちろん頼りになるレストランのサポートもなければ、融通の利く出入り業者もいません。一歩外へ出ればそこは見当もつかないアラビア語の世界です。現地スタッフとの会話すらままならない中で、献立、食材の調達、仕込み、経理など一切の仕事を独りでこなさなければなりません。個人の生活立ち上げなどすべて後回し。これが第一のハードルです。もっとも、こうした苦労は、実は海を越えて外国で頑張る多くの職業人に共通することです。萩本さんは、見事にこれをクリアしてくれました。
 さて、大使として期待される役割は幅広い分野に及びますが、昨今においては日本の文化である「和食」の発信も、外交に欠かすことの出来ない大使の仕事です。これまで一貫して中東に携わってきた経験から、純和風のメニューをエジプト人が必ずしも好まないことは予め分かっていました。これが、和食の料理人ではなく、あえて洋食を専門とする萩本さんをエジプト勤務の相棒に選んだ理由です。ただし、「洋食を基本としながらも、和のテイストや飾り付けなども織り込み、和を感じさせるメニューを」という難題を引き受けてもらったわけです。第二のハードルです。
 色とりどりの小鉢、枝葉や花をあしらうなどして四季を表現する伝統的な和食のスタイルは、見た目にいくら素晴らしくても食材として何が使われているか分からないため、食に保守的なエジプト人にはなかなか手をつけてもらえません。もとより、暑い夏場にはほうれん草などの葉物が店頭から姿を消すなど食材選びも容易ではありませんから、時期限定のごく限られた食材で、しかも和食をイメージさせる様々なメニューをあみ出すことが求められるのです。
 萩本さんの答えは、たとえばこの地域で代表的な夏野菜であるモロヘイヤ。独特の粘りをもつモロヘイヤを使ったスープは当地では非常にポピュラーですが、萩本さんはこれを「あんかけ」にしてしまいます。エジプト人にとり馴染みの食材が普段とまったく違う形で目の前に出てくると、そこには安心と驚きが生まれ、ひいては和食に対する関心が芽生えるのです。
 9,200万人を超えるエジプトの人口の90%はイスラム教徒です。広く知られるとおりイスラム教では豚やアルコールが忌避されますが、こうした制約は調理においては深刻です。そう、第三のハードルです。豚はともかくも、洋食の調理に欠かせないワインやリキュール、和食に欠かせない料理酒やみりんが一切使えません。食材の風味やコクを引き出すための代わりの手段として、蜂蜜や水飴などを駆使するそうですが、それ以上は企業秘密だということです。料理人の腕が大いに試されるところです。
 さらに、同じテーブルにつくお客様も、イスラム教徒だけでなく、ベジタリアンの多いコプト教徒(古代のキリスト教)、様々な国籍の外交官など多種多様ですから、お客様から予め食の制約や嗜好を伺い、場合によっては一人ずつ異なるお食事を提供することが不可欠になります。つまり、全員同じメニューを供するお食事と比べて、調達すべき食材の種類も、仕込みの手間も、勢い3~4倍になるわけですからまことに料理人泣かせな話ですが、宗教、食文化、人種等に応じた分け隔てのないおもてなしをする上では、むしろそれが標準なのです。
 三つのハードルを越えた先には、公邸の外に羽ばたく扉がありました。萩本料理人は、エジプトの大手新聞社が主催し1,600人以上の集客を誇るキュイジーヌ・インターナショナル・フェスティバルに3年連続で参加、16か国を代表するシェフたちと腕を競い、毎回参加者の人気の的になっています。また、昨年11月、カイロ国際映画祭とのコラボ企画として、カイロ交響楽団の本拠地でもあるカイロ・オペラハウス(日本の無償援助により1988年に建設)で開催した和食紹介イベントにおいては、各界要人や映画関係者らの前で寿司の実演を行いました。これらイベントの様子は現地のメディアにも取り上げられたことから、まさに独り立ちした料理人として世の中に胸を張ってデビューを果たしたわけです。言い換えれば、カイロに来てからこれまでの約2年半にわたる努力が実を結び、今や日本の対エジプト外交、異文化交流に不可欠な存在となったのです。
 「どこへ行っても、エジプト人はたいへん親日的で、皆一様に優しく接してくれます。日本を離れてみて分かったのですが、本当に日本人で良かったと思います。」と彼は言います。エジプト人の対日観向上にご自身が貢献しているという自覚をあまり感じさせないのは、見た目どおり謙虚で誠実な人柄のなせるところでしょう。萩本さんは今日も、すっかり打ち解けたエジプト人スタッフたちと共に、プロフェッショナルな思考と技術をこらした調理に、賢明に取り組んでいます。
 最後に、古代エジプト第五王朝(紀元前2500年頃)で首相を務めたプタハヘテプが残したとされる格言をご紹介します。
 「賢者のことばを探すのはエメラルドを探すより難しい。
 しかし、目立たない粉ひき職人のところにあったりするものだ。」

駐エジプト日本国特命全権大使  香川 剛廣


2017-06-01 10:03:00

2017/05/29(月)

すし北海道サチ、ホーチミン市に4号店

ホーチミン市の富裕層に人気の本格派日本食レストラン「すし北海道サチ」は27日、ホーチミン市3区に4号店をオープンした。初日に日本産マグロの解体ショーを開催するなど、日本食材の商機がますます拡大しそうだ。

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「すし北海道サチ」の新店舗。初日はマグロの解体ショーを開催した=27日、ホーチミン市

4号店は戦争証跡博物館に近いグエン・ディン・チエウ通りに開いた。座席数は240席で、139万9,000ドン(62米ドル、約6,900円)の毛ガニ3種盛りや105万ドンのキンキ煮付けなど既存店舗と同じく高級日本食を提供する。経営する地場タカヒロフードのレ・フイン・ブー・ギー最高経営責任者(CEO)は、「通関が閉まる日曜日を除いて毎日、日本から食材を空輸している」と胸を張る。

日本からベトナムへの食品輸出のうち約3分の2を水産品が占める。日本貿易振興機構(ジェトロ)ホーチミン事務所の滝本浩司所長は、「既にルートはできているところに日本食レストランの店舗が増えることで輸出が加速する起爆剤になる」と期待する。また、すし北海道サチでは北海道産コメも使われている。

全店舗に日本人が常駐するなど本物志向を掲げるすし北海道サチだが、マーケティングは現地化を徹底する。解体した中トロや大トロとの記念撮影の時間を取ったほか、ベトナム人歌手も呼ぶなど話題づくりもうまい。

すし北海道サチは2013年に1号店がオープンし、現在はサイゴンセンターなどに4店舗を置く。ギー社長は品質のコントロールに重点を置いており、「ステップ・バイ・ステップで成長していきたい」として店舗網を地道に広げていく考えを示した。


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