釣倶楽部　せいゆう丸　

昨日は予想してた以上に波が落ちてましたが、予定通り朝一でせいゆう丸とはたはた君を国道の橋の下の天然ドックに移動して、あれこれ修理や整備をしておりました。

地震の時は船の上にいたのですが、橋が　「ギャギャギャ！」　とけたたましい音を発して揺れだしたので、驚いて岸壁に飛び降りたらものすごく揺れておりました。

橋というのは橋脚の上に鋼製の躯体が乗ってるだけのようで、地震で揺れた場合躯体が動いて橋脚との接地面から摩擦音が出るみたいで、そりゃ怖かったですわ。

あれが震度７の巨大地震クラスになると、躯体が橋脚から外れて落下することもあるだろうねえ。

そうなれば昨日の場合、自分はせいゆう丸とはたはた君共々ペシャンコになってただろうなあ。（笑）

ということで、昨日は一日中有明海のムツゴロウのように動き回り、泥濘地と船との間を行ったり来たり、登ったり降りたりして整備をしておりました。

とにかくやらねばならない修理項目が多いのだけど、なにせ一人でやることだからなかなか捗らず、終わった時にはもうヘロヘロになっておりました。

猫の手も借りたいくらい忙しいのだから、この子が朝ごはん食べるだけでなく少しは手伝ってくれると助かるのだが、相変わらず美味しいもの食べたらサッサとヤブの中の巣床に消えてしまいますがね。（笑）

さあて、今日・明日・明後日まで沖に出られそうですが、漁友達の情報ではやはり昨日も苦戦していたようなので、残念な結果に終わる可能性が高いだろうねえ。

昨日は連続２日の大貧漁のダメージがこたえてたのか、疲労感と無念さとで船中と親宅でウダウダしておりました。

雨が降ってたので何も出来なかった訳ですが、何もする気にならなかったのは自分においては非常に珍しいこと。

でもまあ、そんな日がたまにあっても良いかもなあ。

ところでところで、この欄で時々話題に取り上げたことのある　「セリカの君」　さん、こと　京都大学大学院医学研究科・医学部で実験動物学　（ああ長ったらしい名前だわ）　で研究されている本多准教授から先日メールが届きまして、どうやら５月４日に舞鶴港から、ブリやマダイやイサキなどを狙って奥様と一緒に遊漁船で出撃されたそうなのですが、その時のお写真がこれ。

なんとも羨ましい釣果と、綺麗に盛られたお造りがなんとも素晴らしいですなあ。

日南でも最近ブリが上がり始めたみたいだけど、日本海側の寒い地域のブリと暖かい南方のブリとでは、身の色・身の質・食感がまるで違うのには驚かされますがね。

こちら南方系のブリは頭でっかちで、身体の三分の一くらいを頭が占めてる感じですが、寒冷地のブリは丸々太ってて頭が小さくて脂の乗り方が半端じゃないですよね。

そして決定的に違うのが身の色でして、こちら南方系のブリの身の色はくすんだ赤色を呈してるのに対して、寒冷地のブリは美白してますわよ。

そんでもって嬉しいことに西京味噌に漬け込んだブリの切り身等々送ってくださったのですが、それをグリルで焼いたのがこれ。

ほんのり極く僅かにピンク色してましたが、こちらのブリだとカツオの生節みたいな色になり、食感もパサパサしてますねえ。

日向木挽ブルーが何杯も飲めたのは言うまでもありませんでしたわ。（笑）

それからイサキは奥様が天秤仕掛けで、旦那さんは完全フカセでチャレンジしたそうだけど、型がまるで違ったらしく完全フカセの圧勝だったそうな。

そういえばもう５年近く前になるけど、せいゆう丸第一号の　「富山のフカセの達人」　さんと黄金の南でガチンコ勝負したことありましたが、天秤の完敗でしたなあ。

あれ以来自信を失って釣りが面白くなくなった気がしますがね。（笑）

「セリカの君」　さんは、７月に学会でこちらに来られるそうで、お会い出来るのが随分楽しみなのであります。

さあてと、今日まで東寄りの風が強いみたいなのでお休みしますが、明日と明後日は穏やかになりそうなので予定されてるお方に　「全く釣れてないけど、いかがなさいますかー？」　とお伺いしたら　「行くー！」　のご返事だったので、とりあえず出てみることにしましたわ。

出るからには全力で探しまくって、お刺身がなんとか食べられるように頑張りますわよ。

ここまで潮が動かずお魚の活性が悪くて釣れなければ、この先ずっと荒天予想でもありますし、なにより沖に行って餌を撒くだけで全部捨て銭になっちまうから、釣り師さん達の利益になるはずがないので、しばらくは沖行きをやめることにしました。

昨日も走りに走ってお魚を探しまくりましたが、居るのは絶対に居るけれどとにかく食欲が無いみたいで、１時間に１匹釣れるか釣れないかの状態でして、南限の潟でイシダイやメジナが釣れたけど、肝心要のアジさんがまるで釣れませんでした。

「ムンクの叫びのオジサン」　チーム３人さんも絶不調で、釣れたシイラやアジを皆がひと切れのお刺身だけでも食べられるようにと、友情溢れる分け合いのシーンに、見てるこちらが思わずもらい泣きした次第であります。（笑）

ところでイシダイはデカかったですわ。

測ってないけど大きい方は２．２ｋｇ前後だったかも。

小さな方でも１．５ｋｇはあったでしょうよ。

ジェントルM爺、お見事でした！

ということで、恐らく少なくとも向こう１０日ほどはお休みになりそうなので、整備の計画をしっかり立てて普段やれない整備や修理をしたいと思います。

昨日は久し振りにお休みになりまして、まずは船中でゆっくり過ごしてメールしたりカレンダー更新したりの定形業務をこなしておりました。

それから親宅に向かいお昼ご飯食べに市内に連れて行き、ハンズマンでお買い物のお付き合いしたりして、１日中ゆっくり親と過ごしておりました。

ところで自分の性格上　「後ろを振り返らない」　をモットーとして生きて参りましたが、さすがに還暦過ぎたこの頃になって若い頃のことを少しずつ思い出すようになりました。

組織に頼らず、自由人としてどうにか生きていけるようになるまでのこの５年間、とにかくガムシャラに走り続けて来たので、後ろを振り返るような余裕が全く無かったのが事実でありますが、ここに来て中学や高校時代の同級生と偶然出会ったりしたものだから、若い頃のことを思い出す機会がやおら増えてきましたなあ。

「老い先短くなるから昔のことばかり思い出すのじゃないか？」　などと親をバカにしてたけど、いつの間にか自分がそんな時期にさしかかって来たのでしょうかねえ。

そんな中、先日港である若者さんと偶然出会いまして、　「過去」　を懐かしむ気分が高まることになったのですが、その若者さんのお話は後日ゆっくりといたしますが、ふとしたことから自分が中学生の頃（４５年以上前）に親から買ってもらって大事に使っていたラジオのことを思い出しあれこれ調べておりました。

今でも存在してるのですねえ。

ヤフオクで出品されてましたが、ソニーのスカイセンサーICF-5600　トランジスターラジオであります。

トランジスターという言葉すら知らない今のスマホ世代のお方には何のことやら分からないでしょうが、自分が中学生の頃はゲルマニウムラジオ（鉱石ラジオ）というものがありまして、家のコンセントの片側にアンテナの端子を差込み、何と大胆にも九電の電線をアンテナ代わりにしたものですが、イヤホンから聞こえる音は極く小さかったけど電源が不要ということで随分流行ったものですが、そこにドドーン・ババーンと登場したのがSONYのスカイセンサーシリーズだったのですなあ。

決して裕福な家庭に育った訳ではありませんが、親父殿が買って来てくれた時には本当に嬉しかったことを今でも良く覚えております。

勉強もろくすっぽせずに深夜放送ばかり聞いてましたが、文化放送の　「セイ！ヤング」　が一番のお気に入りで、落合恵子・谷村新司＋ばんばひろふみ・みのもんた　等のパーソナリティが独特の語りで楽しませてくれましたが、特に谷村＋ばんばコンビの　「天才・秀才・バカシリーズ」　は面白くて笑いこけてましたなあ。

それからそれから、短波放送が受信出来たのでイギリスのビッグベンの鐘の音が聞こえた時には興奮しまくってましたわ。（笑）

もうあれから４５年以上経過した訳ですが、人の記憶って何かの拍子に　「プカ」　って浮かんでくるのでしょうかねえ。

そういえば老人特有の病気を持ってるおふくろは、昔の出来事や戦前の歌の歌詞など完璧に覚えてるのだけど、今しがたのことをコロリとお忘れになるが、どうやら昔のことを記憶する頭の中のハードディスクは壊れてなくてしっかり起動するけど、最近のことを記憶するハードディスクのディスク面があちらこちら剥がれているのですがねえ？

さあて、そろそろ出立の時間になりましたが、今日は１年で一番潮が引くド干潮のため、出港時間時間を９時に遅らせて帰港時間を午後５時近辺にする予定であります。

一昨日の未曾有の大貧漁の後だけに不安が募るけど、ああそうだわ、今日は　「どうして僕だけ釣れないの？」　のセリフで有名な　「ムンクの叫びのオジサン」　がやって来られるから、やっぱり駄目かもなあ。（笑）

昨日のはたはた君は、短い時合いを逃さず良い釣りをされてました。

お一人でのご利用でしたが、この程度釣れてくれればレンタルする甲斐があるってものだわね。

別に遠くまで走り回らなくても、意外と近くにお魚が集まる場所があるんだわ。