Welcome

Information

せいゆう丸釣行記

2013-06-29 09:35:00

向灘は波高2.5メートル。おお時化です。海には近づけません。とほほ。

 

アベノミクス。

デフレ経済を克服するためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで日本銀行法改正も視野に、大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策だそうです。ちなみに2006年の第1次安部政権で既に使われていたそうですが、体調不良で辞職したため定着することなく、6年後の第2次安部政権で復活した、安部とエコノミクスを合わせたを造語だそうです。

 

最近はニュースや朝ズバなどのバラエティを見ていると、やたら株価が上がっただの円安に向かっているとか東証株価指数がどうのこうのと、田舎に住んでいる漁師にはさっぱりわからない内容であります。

アベノミクスの効果が顕著に表れている成果だそうで、日本経済が活性化する兆しがあるらしい。

まあそれはそれで良い事なのでしょうが、お金のことばかりであまりピンとこないのは自分だけでしょうかね?歌舞伎町とか永田町とか霞ヶ関とかに関わっていらっしゃる方や、大手輸出産業の方とか、お金が余って仕方がない方には面白くてしょうがないのかもしれませんね。

 

でもお金と縁のない人間のひがみと受け取られても仕方ありませんが、一生に食べられるお米の量は金持ちさんも貧乏人でもさほど変わらないと思うんですよね。年収や資産に何十倍の開きがあったとしても、何十倍のご飯を食べられるわけじゃないから(もし食べたら確実に病気になるはず)、そこそこ生活が維持できればそれで良いのではと思っております。

自給自足が究極の人生のパラダイスと考えている自分にとっては、お金の話にはあまり興味はありません。ただ子供を育てている世代にとってのお金は切実な問題を抱えておりますので、そう簡単に語れることではないでしょう。しかし既に現役を退いてゆとりのある世代の方々が、もし血眼になって株価に一喜一憂しているとすれば、それは笑えますね。

 

もっと幸せ感について国民的議論をすべきではないでしょうか。自分は本当にそう思います。

ブータンでは幸せな方が多いそうです。日本でも山奥に住んでいらして、コンビニどころか自動販売機すら見当たらない所で生活していても、不幸せと感じている方ばかりではないでしょう。むしろ純粋な幸せ感を持っていらっしゃるかも。

経済成長もいいけど、教育や医療や地域問題など人として幸せ感を享受できる意識変革をしていきたいものですね。

 

しかーし、せっかくの流行のアベノミクスだからその御利益にあやかりたいと思っていたところ、今朝布団の中でうつらうつらしていたらパッとひらめいた。

 

アジノミクス

 

そうだこれだ。これで行こう。

 

白真アジ漁に出ると当然白真アジばかり釣れる訳ではありません。

イサキ・鯛・サバ・サワラ等々、マグロや鮭以外の魚がたいがい獲れるのですが、それぞれたいそう美味しく頂けます。当然干物には最高の素材にないます。

 

そこで今後それらの干物を白真アジとセットにして販売しようと思います。

 

そうです。ここまで読めば賢明な皆様はお分かりになると思いますが、

 

アジノミクス(アジとのミックス)

 

語呂がいいじゃありませんか。アベノミクスとアジノミクス。

 

似てまったく非なる内容が実に新鮮ですよね。

 

近日中にメニューに正式アップしますのでご期待ください。

 

 

 

 


2013-06-27 15:35:00

久しぶりに海上はべた凪になり、久々に白真アジのお顔拝見したく朝2時起床。いや、干物にする原料が無くて困っていたので、張り切って家をでたのが2時30分。

 

ケイリシャスの白真アジ干物は、専用船黒潮丸で漁獲されたものでしか作りませんので、海に出られないと干物を作ることが出来ないのです。原料仕入れはしないので、とにかくひたすら白真アジを釣りまくらねばならないのです。

 

朝食の材料と氷を確保して港に着いたのが午前3時30分。今日の朝食は、絹ごし豆腐の冷奴、白ご飯、納豆、いり卵、味噌汁でした。

黒潮丸には発電機・電子レンジ・IHコンロ・コーヒーメーカー・電器ポットが備わっていますので、自宅と同じ料理がいただけます。

 

コーヒー飲んで朝食も終わり、さあ気合を入れてエンジンスイッチオン!

ドルルルルル・・・・ あれ、ヤンマーの雄たけびが聞こえなーい。

もう一度スイッチオン! 「じぇじぇじぇ セルモーターが回らないではないか。これは一体どうしたことだ?」、半分パニクリながら考えるが理由がわからない。昨日まで何の不安も無く動いていた船が動かない。

 

まあ母港で定位置につないだ状態でのことだから、別にあわてまくる必要は無いのですが、「白真アジが・・・・白真アジが・・・・」の思いが頭を駆け巡り、復旧作業に即着手。

しかしデッキライトがあるとは言うもののあたりは真っ暗。しかもエンジンスペースはきわめて狭く、セルモーターの位置は一番下。整備作業は慣れているけれど思うように作業が進みません。

結局取り外して、清掃して、テストして、故障しているのが確認できたのがお昼前。ヤンマーにセルモーターの新品価格を確認したら、「10万円ですね」と営業マンの電話先での明るいご返事。

 

「そんなお金ないしー・・・」 と、若い子のように呟いても白真アジを釣らなければ干物が出来ないしー。

 

そうだ船を乗り換えよう。そのためのバックアップ船じゃないか。

 

そんな訳で、お昼ご飯食べたら船の中身のお引越しが始まり、午後3時過ぎ完了。

 

明日からはちょっと古い漁船だが、しばらく予備船で白真アジを釣ることにしまーす。

 

あー太平洋の真ん中でなくて良かった。


2013-06-26 06:22:00

九州南部はいよいよ本格的な梅雨に突入したようです。

 

雷こそまだ確認していませんが、突然大粒の雨が(ダーーー!)と降ってはピタリとやむ。ここ数日こんな感じの天気です。

漁師にとっては一番嫌な降りかたで、雷が鳴れば即あきらめられるのですが、ライブカメラ(サーフィン用のサイトがあります)で波の状況を確認するとたいした波はない。漁に出ようかと思うとまた(ダーーー!)と降ってくる。出漁への足が止まる。

いやはや、こんなことの繰り返しが梅雨明けまで続くのかと思うと、気がめいります。

 

そんなわけで今日は出漁せずに、アジの味な話し3の書き込みをすることにしました。

 

自分は白真アジの漁を専門にしていますが、何故白真アジばかり狙うのか?

 

「好きだからです」

 

他に理由はありません。とにかく好きなのです。

魚体の美しさ、かわいいお目々、プリッとした肉質、程よい脂質の量、ずば抜けた旨味成分、料理への適応能力・・等々、他の魚にはない魅力が白真アジにはあります。

 

海中から上がってくる白真アジの魚体は、それはあたかも純白のウェディングドレスをまとい控えめで可愛い宝石を身に付けた花嫁さんのようであります。(表現が少しおかしいか?)

それほど輝いて美しいのです。それが40cmを超える大型となると、体表の面積が30cmクラスの倍以上になりますので圧巻の美しさになります。

黒潮特有の青い青い海の中から釣り上げられる白真アジは、最初はぼんやりとした青い白色を呈しています。徐々にキラキラとした白色に変化し、タモに収める頃には胸鰭周囲にパールの色合いと、背中あたりには特有の黄色・金色の筋がはっきりと見えてまいります。

しかも白真アジの口はとても柔く、口切れによる針外れ(いわゆるバレ)がないことを神に?祈りながら、タモに収めるまでドキドキワクワクの極めてリスキーな漁です。

釣り上げられた白真アジは、大小に関わらず同じ可愛い顔をしていて、「私を美味しく食べてください!」と、訴えかけているようです。(違うか?)

 

魚によっては幼魚のころと成魚、老成魚になると顔つきがまったく変わる種がいます。

てんぷらの種に美味しいキスですが、20cm頃までは貴婦人のような綺麗な顔立ちをしていますが、30cm近くの大型になるとそこらの居酒屋で見かけるようなオッサン顔になります。可愛げがまったくなくなるどころか、良く見ると目つきも悪く、かみさんから小遣い減らされたことをアベノミクスの失敗だと責任転嫁するような性質の悪いオッサン顔になります。

たまにしか釣れませんがイトヒキアジというのがおりまして、幼魚の頃はひれが変化した長い糸をゆらゆらと引きあどけない顔をして泳いでいますが、老成魚になるともはや糸なんか必要ないとばかり、GT(ロウニンアジ)のような他人を見下して睨みつけるような顔になります。GTファンのかたごめんなさい)

 

の点白真アジは大きくなってもあくまでも謙虚で、慎ましさを忘れない気品高いお魚だと個人的に思っております。

 

こうやって書き込みしてる間に雷が鳴り始めました。今日はベーコンなどの仕込みでもしようかな。


2013-06-23 12:07:00

台風4号が通り過ぎ、ようやく波が穏やかになりました。早速白真アジ釣りにいつもの場所に向かうことにしました。

 

午前4時。満月のためなんとなく辺りは明るいけれど、東の空は雲に覆われているようでどんよりと暗い感じ。NHKラジオのトップニュースを聞いて出港。ああ、富士山が世界遺産登録されたそうで、まことにおめでとうございます。

4時半ごろ現地到着したけれどまだ真っ暗。デッキライトを灯して仕掛けを作り、餌をつけて投入。暗いうちは食ってこないので2本目の仕掛けも投入。さらにサビキ仕掛けも投入するもまったく反応なし。

「 じぇじぇ!時化後は食わないのか? 」と、不安な中で待つこと30分程。

やっと待望のあたりがきました。しかし船中に取り込むときに痛恨の口切れ。

「 あちゃー。やってしもたー。ガッデム 」と、独り言。しかし餌を付けている最中にもう一本の竿がグングン・グイーン。

 

結局午前7時頃までボツボツ釣れて、青アジ含めデカアジが15匹ほど釣れました。不思議なことに台風前によく釣れていた中アジ・小あじは1匹も釣れず、サビキ仕掛けにはまったく当たりすらありませんでした。

釣りを通してアジの行動を観察していると、毎回同じパターンのお食事をしていることではないことが分かってきます。

餌を見向きもせずひたすらサビキにアタックするときや、底層にはいなくて中層以上で餌に食いついてくるときや、魚探にはちゃんと写っているのにひたすらじっと何かに耐えているようなときなど、本当にまちまちです。

白真アジつりの醍醐味です。

 

写真は今日の白真アジを行儀良く並べたのですが、写真では大きさが判り辛いので、自分の眼鏡を置いてみました。参考まで。


2013-06-21 16:55:00

台風4号は、東シナ海で温帯低気圧に変わったようです。九州南部も大きな被害を受けることはなさそうですが、油断は禁物ですよね。

 

今朝4時過ぎに港に到着し、ロープのつなぎ直しをしたり隣の船との位置関係を確認してきました。自分の母港は地元漁船の避難港なもので、写真のとおり狭い避難港に大きな漁船がひしめいています。勢力の大きな台風が直撃した場合、避難港とは言えど相当揺れますので、大型漁船のロープが小型ボートを押さえて沈めてしまうことがあるのです。ですから、漁船のロープが自船にからまっていないかを確認することはとても重要なのです。実際数年前、隣の船が沈してしまいました。ほんのちょっとずれていたら、間違いなく自船が沈していたことでしょう。ああ怖!!。

 

ところで白真アジについて、旬は何時なんだろうか?と思うことがよくあります。

 

食べ物には必ず旬があり、旬の食べ物を楽しむのが日本人の食文化だと思います。

大根・高菜・トマト・ピーマン・スイカ・栗・桃などの野菜や果物には当然旬がありますし、その季節が訪れることを皆心待ちにしますよね。

最近はめっきり季節感がなくなり、スーパーに行くといつでも当たり前のように売り場に並んでいます。心待ちにすることがないから、感謝の気持ちが薄らいでくるのかも知れません。

まあとにかく生き物には旬があるわけで、白真アジにも旬があるはずです。

自分的には、白真アジの旬は今ではないかなと思っております。

自分は漁を終えると血を抜いてお腹をすぐ裂きますが、近頃の白真アジのお腹には真っ白な脂肪を蓄えています。腸の周りに、ねっとりと取り巻くようにあります。

黒毛和牛のような上品な脂肪の色をしていて、炙って食べたら本当に美味しそうです。冬場にも同じ状態になる白真アジを見ることもたまにありますが、今の白真アジはほとんどそんな状態です。たぶん旬なのでしょう。

今作っている干物は脂が良く乗っていて、ほんとうに美味しいですね。

ふわっとしてほっこりした食感で、豊かな旨味がじわっと口の中に広がります。

是非たくさんの方に食べていただきたいと思います。

 

次回はどんなアジが美味しいのか、漁師の目線でお話したいと思います。


1 2