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せいゆう丸釣行記
台風19号の影響と東風が続いているため、日向灘は依然高い波が押し寄せております。困ったものです。
今日もディーゼルエンジンについて語ってみたいと思います。
写真は、シリンダー内でノズルから噴射された燃料が燃焼している様子の画像を見つけましたので載せました。
船舶にディーゼルエンジンがなぜ適するのか?
理由はさまざまありますが、前回お伝えしたように 1、安全である 2、ランニングコストが低い 加えて機関の大きさに制約がないことなどが上げられます。
1、安全である このことは安心感につながる話なのですが、理由として
a、電気的点火装置を必要としない
b、各パーツが極めて堅牢に作られている
c、出力特性が一般的に低回転・高トルク型である
aについては、一度回り始めたら燃料が切れるまで止まらないことであります。
点火のための電気的装置を必要としませんので、圧縮空気・モーター・人力等でクランキングを行い着火し回り始めれば、燃料が切れるまで止まることはありません。
海上では陸上で考えられないほど塩害によるトラブルがあるもので、電気系統が知らないうちに故障することもあります。
ガソリンエンジンは火花が飛ばなければ止まりますので、順調に走っていた船が、「あれー?」てな調子で突然止まってしまう可能性があるんです。
実際、自分も船外機を使っていた時代はそんなことが多かったので、予備船外機は必需品でした。
携帯電話がなかったころは助けを求める方法がなかったので、とにかく自分の力で港に帰ることが海の男の責任と考えておりましたので、予備エンジンの手入れと整備は欠かしたことはありませんでした。
最近は通信手段が発達したため、なにかトラブルがあってもケータイで、「止まったー」と知り合いやマリンショップに連絡すれば助けに来てくれるのでなんとなく簡単な感じがしますが、自分はこの風潮を危うい傾向と捕らえております。
どうして止まったのか どうすれば復旧できるか といった危機管理上の観念が希薄になっている気がしてなりません。
とにかく点火式内燃機関は電気トラブルの危険がつきまといますので、洋上ではリスクを抱えていることは間違いありません。
ただ昨今船外機は4サイクルエンジンが主流となり、以前のようなポイント式点火時期調整などクラシックな部品の制御から、CDIやコンピューターで制御出来るようになりましたので、トラブルははるかに少なくなったと思われます。
それでもたまに最新の船外機艇が、僚船に曳航されてとぼとぼ帰港する光景を見ますので、故障が皆無になったわけではなさそうです。
たまに制御の情報源である各種センサーが誤作動を起こし、結果コンピューターが機関を停止させるケースもあるそうで、もうこうなると素人の手に負えるものではないですよね。
その点ディーゼルエンジンは一度 「ガラン ゴロン」と回ってしまえば、燃料をカットするまで決して止まりませんので、安心感は比べようがありません。
とにかくクランキングできれば良いわけで、バッテリー・セルモーター・オルターネーターを日頃から気に掛けていれば良いので楽ですよ。回ってしまえばいいんですよ、回ってしまえば。
ディーゼルエンジンは、ブロック・シリンダー・ピストン・コンロッドその他ほとんど全ての部品が堅牢に作られていますので、耐久性に富んでおり、エンジン本体の故障は通常の使用ではあまりありません。
1万時間くらいは普通で、オーバーホールで適切に使用すれば、2~3万時間は問題ありません。
船舶用の大型ディーゼルエンジンともなると、1年に8000時間、15年から20年稼動させるそうですから、実に10万時間も持つそうです。(日本船主協会のHPより)
10万時間と言いますと、陸上輸送車両に当てはめるとなんと400万キロになります。凄い!
自分は自家用車・船とも20年以上前のクラシックディーゼルエンジンを使用していますが、使えば使うほど味が出てきて本当に大好きですね。愛おしいものですよ。
次回は、Cの出力特性が一般的に低回転・高トルク型であることについて、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃焼メカニズムの違いを紹介しながら話を進めたいと思います。
今日も時化のため漁は中止本日もディーゼルエンジンについて書き込みします。
いつになったら漁に出られるのやら。とほほ。
ディーゼルエンジンのさまざまな特性を紹介する前に、内燃機関の歴史にちょっと目を向けたいと思います。
蒸気機関は1800年代に全盛であったそうですが、重い・でかい・効率悪い・コントロールの手順が煩雑・ボイラーの爆発事故多発などの理由で、次第に軽量・コンパクト・高出力・安全な新世代の動力源が求められるようになったそうな。
そこに1878年 ニコルス・A・オットーが現在のガソリンエンジンの基本サイクル(オットーサイクル)を提唱し、1885年にはゴットリーブ・ダイムラーが火花点火エンジンを考案して、ドイツ国内の特許を取得したそうです。
一方ディーゼルエンジンは、オットーサイクルに遅れること14年、1892年 ルドルフ・ディーゼルによってディーゼルエンジンの基本サイクルが提唱され、4年後の1896年には最初の試作エンジンが完成し、実験を始めたそうです。
興味深いのは、当初燃料は微粉炭を使おうとしていたことで、圧縮空気とともにピストンの裏から燃料である微粉炭を送り込む方式を採用していたそうですがうまくいかず、同時に開発を進めていた石油燃料を用いた方式に切り替えられたようです。
しかし構造はほぼ同じだったため、圧縮空気を作る周辺機器などが必要なため動力源としてはかさばり、陸上輸送には適さなかったそうです。
1910年には現在の燃料噴射装置(インジェクション)の原型が開発され、ここからガソリンエンジンとともにディーゼルエンジンが急速に普及することになったそうです。
さてここで問題です。
現代の産業機械・輸送船舶車両・鉄道車両などの動力源として双璧をなすこの2つの方式の内燃機関の違いはどこにあるでしょうか?と、聞かれたらどう答えます?
ガソリンエンジン ディーゼルエンジン
1、火花点火 自然着火 正解
2、高回転・高出力型 低回転・高トルク型 正解
3、燃料がガソリン 重油若しくは軽油 一部正解
4、エンジン音が静か うるさい 正解
5、排気ガスがクリーン クリーンでない 不正解
6、燃料消費量が普通 少ない 正解
7、エンジン重量が軽い 重い 正解
こんなところでしょうか。
船舶を航行させる立場として重要な要素は、1・2・3・6です。
船にとって大事な要件は、1、安全である 2、ランニングコストが低い この2点につきます。
ディーゼルエンジンが船舶の動力源として何故適しているか、燃焼メカニズムの秘密を次回以降書き込みします。
ああ、3番で一部正解としたのは、ディーゼルエンジンで使用できるは、ガソリンとアスファルトピッチ以外の化石液化燃料およびバイオエタノール・バイオディーゼル油などで、要するにインジェクション内部の摺動による磨耗がなければどんな油でも動きますし、税制に関係しない船舶では極端な話してんぷら油でも使用できるんですよ。
5番が不正解なのは、二酸化炭素の排出は少ないという大きな利点があるためで、ヨーロッパではおよそ半分の自動車がディーゼル車の国もあるそうですよ。
最近では大型トラックも排出ガス抑制対策済みの車両が増え、トラックやバスの後ろについても黒煙(粒子状物質)をもくもく排出することはなくなりましたよね。
相変わらず波が高くて漁に出られません。
と言うことで、前回に続いてディーゼルエンジンについてのうんちくを語りたいと思います。
自分がディーゼルについてのバイブルとして、日々目を通している書物が、グランプリ出版の「ディーゼルエンジンの機構的特性」であります。
著者は浅妻金平氏で、ディーゼルエンジンの特性についてかなり詳しく述べられておりますので、興味のある方は検索してみてはいかがでしょうか。
前回、船舶の動力形式は大きく3つに区分されると述べましたが、ディーゼルエンジンはいずれの形式にも動力源として搭載されます。
ただ船外機については、1987年にヤンマーから40馬力以下のディーゼル船外機が4機種リリースされたのみで(自分が知りうる範囲ですが)、現在ヤンマーのホームページから既に消えていますので、正確にはディーゼル船外機が存在したということになります。
ディーゼルエンジンが多く搭載されているのは、② 船内外機 と ③ 船内機 であります。
②の船内外機は、船内の内燃機関からシャフトを介して、船外に取り付けてあるドライブ(船外機の頭の部分を取り除いたようなプロペラと舵が一体となった部品)に動力を伝達し、推力と進路を確保する機構であります。
主に中・小型の船舶・ボートに採用されています。
③の船内機は、船内の内燃機関から減速装置を介し、シャフトを回転させプロペラを回す機構でありまして、舵は独立しており一般的にプロペラの後部に配置してあります。
主に中・大型の船舶に採用されています。
船舶の大きさについて、大・中・小とざっくり分けましたが、小は1トン未満のものから、大は50万トンクラスのタンカーまで存在しますので、実に50万倍以上の違いがあることになります。
陸上では考えられない開きですよね。
その動力源のほとんどをディーゼルエンジンが担っているのです。ディーゼルエンジン凄いぞ。
では何故船舶の動力源として幅広く使用されているのでしょうか。
それは燃費の良さと、機関の大きさに制約がないことと、信頼性が高いことにあります。
燃費の良さについては、「普通のガソリンエンジンより良いのかな?」と、ある程度は知られていても、熱効率50パーセントを越える超低燃費の大型ディーゼルが、何万トンもの大型船舶の運行を支えていることはあまり知られていません。
50パーセントの熱効率は内燃機関としては最高レベルだそうで、廉価なC重油を使用することと相まってものすごいことだそうですよ。
ちなみに蒸気機関車の熱効率は10パーセント程度、火力発電所(ガスタービン)で40パーセント程度だそうで、大型ディーゼルがいかに燃料を使わずにエネルギーを取り出しているかがわかります。
大きな船の機関室の中で、ドラム缶よりでかいピストンが、シリンダーの中でゆったりと数メートルも上下運動する姿を想像するだけでわくわくしません?
自分だけ?
ともあれディーゼルエンジンが低燃費な特性を持つことを少しわかっていただけたかと思いますが、そのほか定回転特性やトルク特性・燃料の多用性・信頼性など、船舶にとって都合の良い特性が多々ありますので、次回以降ご紹介いたします。
台風18号の被害は大きかったですね。
被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、いち早い復興をお祈りしております。
幸いなことに南九州にはここ数年、大きな被害をもたらす台風の来襲はありません。
かつては台風銀座とも言われるほど、南九州には台風が接近・上陸していたものです。そのたび大雨と瞬間風速30~40メートルの猛烈な風が吹き、被害をもたらしていたものです。
ところがそんなことが嘘のように、最近南九州に寄りつかなくなったのは何故でありましょうか。たまたまなのか、そろそろ来るのか不気味であります。
さて、台風一過で凌ぎやすい涼しい日和が続いておりますが、日向灘は依然高い波が打ち寄せております。
今日は2~3メートルだそうで、しばらく出漁出来そうにもありません。
こんなときは普段出来ない片付けや、船の整備に時間を費やすのがよろしいかと思います。
整備と言えば漁に欠かせないのは船でありますが、その動力源である内燃機関(エンジン)について考えてみたいと思います。
ただ自分は工学出身ではありませんので、あくまでも体験・経験上のお話と受け止めていただくとありがたいです。
船舶を所有していたり、船舶に強い興味をお持ちの方ならよくお分かりでしょうが、特殊なものを除く一般の船舶の動力形式には大きく3つに区分されると言われます。
①多くの小型ボートに搭載されている船外機 ②小型から中型のボートで使用されている船内外機 ③大型船舶や漁船で使用されている船内機
自分はボートを趣味としていた関係で、30年の間エンジン付ゴムボートを皮切りに12艇乗り継いできました。
その大半は船外機艇でありまして、主機は全て2サイクルエンジンでありました。
最近は4サイクル船外機が急速に普及し、港に係留してあるプレジャーボートを見ますと2サイクル船外機はかなり少数派になりつつあります。
10年ほど前までは、4サイクル船外機を見かけると、「ほーっ」てな感じで興味津々・羨望のまなざしで見入っていたものですが、時が経つと当たり前になってしまうのですね。
技術革新の早さにはいつも驚かされますけれども、ただ4サイクルの船外機は静か過ぎて時折驚かされることがあります。
白真アジ釣りに熱中している最中、背後から忍者のように忍び寄り、「釣れてますかあー」といきなり声をかけてくるプレジャーボートには閉口いたします。
2サイクル船外機搭載の船は、かなり遠くからでも「バラバラバラ」と特有の音で存在を確認できますが、4サイクル船外機は回転数を落として進んでいるときはほとんどわかりません。
プレジャーボート所有の方は、静かで低燃費の点から2サイクル船外機からの乗せ換えをすすめていらっしゃるのはうなずけますね。
ただ問題は4サイクルで低燃費ではあるが、昨今の原油高にともなうガソリン高騰でランニングコストが上昇し、ガソリン単価が100円前後の頃の2サイクルと変わらないことにあります。
もちろん今どき、2サイクルV型6気筒200馬力船外機のモンスターエンジンでぶっ飛ばしたら、気が遠くなるくらいのガソリンを消費してしまいますが・・・。
いずれにしても燃油の高騰は、漁をする自分たちにとって大きな関心ごとであって、イカ漁やサンマ漁の組合が出漁自粛の措置をとらざるを得ない状況は深刻な事態と受け止めなければなりません。
道路を転がす車両と違い、水を掻き分けて進まなければならない船舶は桁違いに燃料を消費しますから、市場価格にサーチャージを上乗せできない現状では、漁師が利益を減らすしかないのが実態なのです。
とにかく漁で生計を立てている方は、燃料費をどうやって抑えていくかが頭の痛いところで、船速を落とすとか漁場を近場に変えるとかいろいろ手を尽くしているのでしょうが、漁獲量を落としてはかえってコストアップにつながるし、悩ましい問題です。
自分にとって燃油のコストの問題を解決してくれたのはディーゼルエンジンでありまして、小船におけるコストダウンの取り組みを中心に、ディーゼルエンジンのトルク特性や使用可能な燃料の多様性などについて、今後数回にかけて語ってみたいと思います。
読まれる方の参考になるかどうかは判りませんが、知っているようで意外と知らないことが含まれているかもしれませんので、乞うご期待。
8月26日に更新して、およそ20日ぶりのカキコであります。
公営アパートにお引越しして、本日ようやくネット環境が整いましたので、早速更新させていただきます。
それにしても暑い中の引越しはするものでないですね。
貧乏所帯のため、少しでも運送費を節約しようと小さめのトラックをチョイスしたのは良かったけれど、大物所帯道具以外のこまものを自分たちで運ぶ羽目になり、猛暑の中小型トラックで3回・自分のライトバンで7回も新旧住居を往復することになり、死ぬかと思うほどしんどかったです。
引越しは涼しいときにしましょう。もう2度とすることはないと思いますけど。
さて、この間台風が来襲したり、白真アジの市場価格が乱高下したり、変化のある20日間でありました。
そんな中珍しいアラが釣れましたのでアップしました。
魚図鑑で調べますとオオモンハタだそうで、食味についてはそこそこだそうです。
活かしで市場に持ち込みたかったのですが、白真アジも結構釣れていたため生簀の中が酸欠状態に陥ったようで、気がついたときにはご臨終でありました。残念。
台風18号が日本列島を襲うようなコースをたどっているようですので、過ぎ去るまでこの20日間の出来事を怒涛のごとくアップしていく予定であります。
最近の釣果のこと、ディーゼルエンジンを中心とした内燃機関の話しなど、盛りだくさんにカキコいたします。