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せいゆう丸釣行記

2013-09-21 05:31:00

台風19号の影響と東風が続いているため、日向灘は依然高い波が押し寄せております。困ったものです。

 

今日もディーゼルエンジンについて語ってみたいと思います。

 

写真は、シリンダー内でノズルから噴射された燃料が燃焼している様子の画像を見つけましたので載せました。

 

船舶にディーゼルエンジンがなぜ適するのか?

理由はさまざまありますが、前回お伝えしたように 1、安全である 2、ランニングコストが低い 加えて機関の大きさに制約がないことなどが上げられます。

 

1、安全である  このことは安心感につながる話なのですが、理由として

 

a、電気的点火装置を必要としない 

b、各パーツが極めて堅牢に作られている 

c、出力特性が一般的に低回転・高トルク型である

 

aについては、一度回り始めたら燃料が切れるまで止まらないことであります。

点火のための電気的装置を必要としませんので、圧縮空気・モーター・人力等でクランキングを行い着火し回り始めれば、燃料が切れるまで止まることはありません。

海上では陸上で考えられないほど塩害によるトラブルがあるもので、電気系統が知らないうちに故障することもあります。

ガソリンエンジンは火花が飛ばなければ止まりますので、順調に走っていた船が、「あれー?」てな調子で突然止まってしまう可能性があるんです。

 

実際、自分も船外機を使っていた時代はそんなことが多かったので、予備船外機は必需品でした。

携帯電話がなかったころは助けを求める方法がなかったので、とにかく自分の力で港に帰ることが海の男の責任と考えておりましたので、予備エンジンの手入れと整備は欠かしたことはありませんでした。

 

最近は通信手段が発達したため、なにかトラブルがあってもケータイで、「止まったー」と知り合いやマリンショップに連絡すれば助けに来てくれるのでなんとなく簡単な感じがしますが、自分はこの風潮を危うい傾向と捕らえております。

 

どうして止まったのか どうすれば復旧できるか といった危機管理上の観念が希薄になっている気がしてなりません。

 

とにかく点火式内燃機関は電気トラブルの危険がつきまといますので、洋上ではリスクを抱えていることは間違いありません。

ただ昨今船外機は4サイクルエンジンが主流となり、以前のようなポイント式点火時期調整などクラシックな部品の制御から、CDIやコンピューターで制御出来るようになりましたので、トラブルははるかに少なくなったと思われます。

それでもたまに最新の船外機艇が、僚船に曳航されてとぼとぼ帰港する光景を見ますので、故障が皆無になったわけではなさそうです。

 

たまに制御の情報源である各種センサーが誤作動を起こし、結果コンピューターが機関を停止させるケースもあるそうで、もうこうなると素人の手に負えるものではないですよね。

 

その点ディーゼルエンジンは一度 「ガラン ゴロン」と回ってしまえば、燃料をカットするまで決して止まりませんので、安心感は比べようがありません。

 

とにかくクランキングできれば良いわけで、バッテリー・セルモーター・オルターネーターを日頃から気に掛けていれば良いので楽ですよ。回ってしまえばいいんですよ、回ってしまえば。

 

ディーゼルエンジンは、ブロック・シリンダー・ピストン・コンロッドその他ほとんど全ての部品が堅牢に作られていますので、耐久性に富んでおり、エンジン本体の故障は通常の使用ではあまりありません。

1万時間くらいは普通で、オーバーホールで適切に使用すれば、2~3万時間は問題ありません。

 

船舶用の大型ディーゼルエンジンともなると、1年に8000時間、15年から20年稼動させるそうですから、実に10万時間も持つそうです。(日本船主協会のHPより)

10万時間と言いますと、陸上輸送車両に当てはめるとなんと400万キロになります。凄い!

 

自分は自家用車・船とも20年以上前のクラシックディーゼルエンジンを使用していますが、使えば使うほど味が出てきて本当に大好きですね。愛おしいものですよ。

 

次回は、Cの出力特性が一般的に低回転・高トルク型であることについて、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃焼メカニズムの違いを紹介しながら話を進めたいと思います。