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せいゆう丸釣行記

2013-09-18 03:56:00

台風18号の被害は大きかったですね。

 

被災された皆様にお見舞い申し上げますとともに、いち早い復興をお祈りしております。

 

幸いなことに南九州にはここ数年、大きな被害をもたらす台風の来襲はありません。

かつては台風銀座とも言われるほど、南九州には台風が接近・上陸していたものです。そのたび大雨と瞬間風速30~40メートルの猛烈な風が吹き、被害をもたらしていたものです。

 

ところがそんなことが嘘のように、最近南九州に寄りつかなくなったのは何故でありましょうか。たまたまなのか、そろそろ来るのか不気味であります。

 

さて、台風一過で凌ぎやすい涼しい日和が続いておりますが、日向灘は依然高い波が打ち寄せております。

今日は2~3メートルだそうで、しばらく出漁出来そうにもありません。

こんなときは普段出来ない片付けや、船の整備に時間を費やすのがよろしいかと思います。

 

整備と言えば漁に欠かせないのは船でありますが、その動力源である内燃機関(エンジン)について考えてみたいと思います。

ただ自分は工学出身ではありませんので、あくまでも体験・経験上のお話と受け止めていただくとありがたいです。

 

船舶を所有していたり、船舶に強い興味をお持ちの方ならよくお分かりでしょうが、特殊なものを除く一般の船舶の動力形式には大きく3つに区分されると言われます。

 

①多くの小型ボートに搭載されている船外機  ②小型から中型のボートで使用されている船内外機  ③大型船舶や漁船で使用されている船内機

 

自分はボートを趣味としていた関係で、30年の間エンジン付ゴムボートを皮切りに12艇乗り継いできました。

その大半は船外機艇でありまして、主機は全て2サイクルエンジンでありました。

 

最近は4サイクル船外機が急速に普及し、港に係留してあるプレジャーボートを見ますと2サイクル船外機はかなり少数派になりつつあります。

 

10年ほど前までは、4サイクル船外機を見かけると、「ほーっ」てな感じで興味津々・羨望のまなざしで見入っていたものですが、時が経つと当たり前になってしまうのですね。

 

技術革新の早さにはいつも驚かされますけれども、ただ4サイクルの船外機は静か過ぎて時折驚かされることがあります。

 

白真アジ釣りに熱中している最中、背後から忍者のように忍び寄り、「釣れてますかあー」といきなり声をかけてくるプレジャーボートには閉口いたします。

 

2サイクル船外機搭載の船は、かなり遠くからでも「バラバラバラ」と特有の音で存在を確認できますが、4サイクル船外機は回転数を落として進んでいるときはほとんどわかりません。

 

プレジャーボート所有の方は、静かで低燃費の点から2サイクル船外機からの乗せ換えをすすめていらっしゃるのはうなずけますね。

 

ただ問題は4サイクルで低燃費ではあるが、昨今の原油高にともなうガソリン高騰でランニングコストが上昇し、ガソリン単価が100円前後の頃の2サイクルと変わらないことにあります。

 

もちろん今どき、2サイクルV型6気筒200馬力船外機のモンスターエンジンでぶっ飛ばしたら、気が遠くなるくらいのガソリンを消費してしまいますが・・・。

 

いずれにしても燃油の高騰は、漁をする自分たちにとって大きな関心ごとであって、イカ漁やサンマ漁の組合が出漁自粛の措置をとらざるを得ない状況は深刻な事態と受け止めなければなりません。

 

道路を転がす車両と違い、水を掻き分けて進まなければならない船舶は桁違いに燃料を消費しますから、市場価格にサーチャージを上乗せできない現状では、漁師が利益を減らすしかないのが実態なのです。

 

とにかく漁で生計を立てている方は、燃料費をどうやって抑えていくかが頭の痛いところで、船速を落とすとか漁場を近場に変えるとかいろいろ手を尽くしているのでしょうが、漁獲量を落としてはかえってコストアップにつながるし、悩ましい問題です。

 

自分にとって燃油のコストの問題を解決してくれたのはディーゼルエンジンでありまして、小船におけるコストダウンの取り組みを中心に、ディーゼルエンジンのトルク特性や使用可能な燃料の多様性などについて、今後数回にかけて語ってみたいと思います。

 

読まれる方の参考になるかどうかは判りませんが、知っているようで意外と知らないことが含まれているかもしれませんので、乞うご期待。