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せいゆう丸釣行記
相変わらず波が高くて漁に出られません。
と言うことで、前回に続いてディーゼルエンジンについてのうんちくを語りたいと思います。
自分がディーゼルについてのバイブルとして、日々目を通している書物が、グランプリ出版の「ディーゼルエンジンの機構的特性」であります。
著者は浅妻金平氏で、ディーゼルエンジンの特性についてかなり詳しく述べられておりますので、興味のある方は検索してみてはいかがでしょうか。
前回、船舶の動力形式は大きく3つに区分されると述べましたが、ディーゼルエンジンはいずれの形式にも動力源として搭載されます。
ただ船外機については、1987年にヤンマーから40馬力以下のディーゼル船外機が4機種リリースされたのみで(自分が知りうる範囲ですが)、現在ヤンマーのホームページから既に消えていますので、正確にはディーゼル船外機が存在したということになります。
ディーゼルエンジンが多く搭載されているのは、② 船内外機 と ③ 船内機 であります。
②の船内外機は、船内の内燃機関からシャフトを介して、船外に取り付けてあるドライブ(船外機の頭の部分を取り除いたようなプロペラと舵が一体となった部品)に動力を伝達し、推力と進路を確保する機構であります。
主に中・小型の船舶・ボートに採用されています。
③の船内機は、船内の内燃機関から減速装置を介し、シャフトを回転させプロペラを回す機構でありまして、舵は独立しており一般的にプロペラの後部に配置してあります。
主に中・大型の船舶に採用されています。
船舶の大きさについて、大・中・小とざっくり分けましたが、小は1トン未満のものから、大は50万トンクラスのタンカーまで存在しますので、実に50万倍以上の違いがあることになります。
陸上では考えられない開きですよね。
その動力源のほとんどをディーゼルエンジンが担っているのです。ディーゼルエンジン凄いぞ。
では何故船舶の動力源として幅広く使用されているのでしょうか。
それは燃費の良さと、機関の大きさに制約がないことと、信頼性が高いことにあります。
燃費の良さについては、「普通のガソリンエンジンより良いのかな?」と、ある程度は知られていても、熱効率50パーセントを越える超低燃費の大型ディーゼルが、何万トンもの大型船舶の運行を支えていることはあまり知られていません。
50パーセントの熱効率は内燃機関としては最高レベルだそうで、廉価なC重油を使用することと相まってものすごいことだそうですよ。
ちなみに蒸気機関車の熱効率は10パーセント程度、火力発電所(ガスタービン)で40パーセント程度だそうで、大型ディーゼルがいかに燃料を使わずにエネルギーを取り出しているかがわかります。
大きな船の機関室の中で、ドラム缶よりでかいピストンが、シリンダーの中でゆったりと数メートルも上下運動する姿を想像するだけでわくわくしません?
自分だけ?
ともあれディーゼルエンジンが低燃費な特性を持つことを少しわかっていただけたかと思いますが、そのほか定回転特性やトルク特性・燃料の多用性・信頼性など、船舶にとって都合の良い特性が多々ありますので、次回以降ご紹介いたします。