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せいゆう丸釣行記
修理・整備せにゃならぬことはいくらでもあるもので、一番気になってたのがペラの前方に装着してあるアノード(犠牲亜鉛)が痩せてガタガタになり、外れてペラに激突してペラを損傷させてしまうことでした。
ということで、昨日はアノードの交換をメインの作業と位置付けて、内海に向かいました。
メインの作業と言っても作業そのものは15分もあれば終わる簡単な内容なんですが、ドック場に揚げたりクレーンで吊り上げる訳じゃなく例によって橋の下の天然ドックでやる訳だから、お船が砂地にお座りするまで潮が引くのを待つという、なんとも気の長い作業時間となるんですなあ。
ところが昨日は潮があまり引かない日であることを忘れていたうえ、去年の浚渫工事で砂地の地形が変わってたのも忘れてたから、干潮になってもペラの所まで潮が引かないわ、潮待ちでウトウトキャビンでしてたら突然右側にドデンと大きく傾きひっくり返るわで、全く仕事になりませんでした。
出来たのは船底の半分をゴシゴシすることくらいで、待ち時間で予定していたポータブル発電機の整備も大きく傾いた船内では無理なので、それも出来なかった。
完全にやる気無くして10時には家に帰ることにしたけど、おかげで 「ひるおび」 を久しぶりに観ることが出来ましたわ。
「ひるおび」 では天気予報士の森さんが台風5号の解説をしてましたが、現在予想している九州にエントリーするルートは、戦後まもなく鹿児島県枕崎に上陸した枕崎台風のそれに似てますね。
これが70年近く前の枕崎台風のコース。
これが今回の台風5号の予想進路であります。
枕崎台風の時には枕崎での気圧が916ヘクトパスカルだったそうで、細島灯台で75.5mの最大瞬間風速を記録しているそうで、全国で数千人の死者・行方不明だったそうな。
枕崎に上陸して九州山地を縦断するのが宮崎県において最悪のコースでして、とにかく南からの猛烈な風が吹いて雨量もメチャクチャ多くなります。
もし940ヘクトパスカルくらいで枕崎付近に上陸して九州山地を縦断したら、宮崎県にはそれこそ甚大な被害をもたらすでしょうね。
最近台風が直撃してないからその怖さを多くの方が忘れてる懸念もあり、自分は台風の現場を仕事柄長いこと見てきてる上で、今度の台風には最大の警戒を行う必要性を非常に強く感じております。
さあて今から内海に向かって、徹底的にロープで船同士を繋ぎ、陸揚げ艇はロープで縛り、万全を期さないといけないね。
ついに台風のシケが日向灘にやって来ました。
一昨日までの穏やかなまったりとしたウネリが昨日の朝にはピッチを短くした尖ったウネリに一変して、激しく磯に襲いかかっておりました。
風も東から結構強めに吹き始めてたので、昨日の沖行きは当然中止といたしました。
依頼を受けたステアリング探しに親宅に行き、それを見つけて港に戻って来たけど、潮がまだ引いたままで橋の影がまだお船の場所まで来てなかったので、防波堤の影を見つけてしばらく心地よい風を感じながら肘枕でグースカピーと寝ちょりました。
何と言う自由人の優雅な時間の使い道でありましょう!
真上の橋を通る自動車の通る音は、出勤時間ということもあってせわしなく行き交うように聞こえ、 「ああ、間に合わない!」 と焦って車を運転して通勤してたサラリーの頃が、ふと懐かしく思い出されたのでありました。
あの頃はそんなものだと何も考えずサラサラ流れて、ただひたすらお休みが来るのを楽しみに待っていた気がするが、こうして自由人になってしまうとその当時の辛さが良く分かるようになりますねえ。
ただし、自由人は良いことずくめではない。
こうして台風にウロチョロされると沖に出られず、修理や整備の仕事は沢山あるけど収入がゼロになる。
自分の場合、普段から金のかからぬ生活を徹底してるから今すぐ困窮することはないけど、それでも家賃や電気代などの光熱費は当たり前に必要だから、できるだけ消耗しないようにやりくりに頭を使わねばならないのです。
会社に普通に通勤してれば自動的に口座に給料やボーナスが振り込まれてたことが当たり前だったけど、今や沖に出なければ収入がまるで無いのが当たり前になっちまった。
でもねえ、いつかは皆さんそんな収入がゼロに近い時が来るみたいよ。
65歳以上が高齢者との今までの定義を、今年の1月5日に日本老年学会とやらが75歳以上に見直すよう提言したことを覚えていらっしゃるでしょうが、あれはまさしく年金受給開始時期を遅らせるための伏線の第一歩であることは疑う余地はありませんよね。
あの手この手で外堀を徐々に埋めていって 「無い袖は振れないのよね。」 と年金を受け取れる時期を後にずらすタイミングを、国は虎視眈々と模索しているのは明らかなのであります。
「いやいや、その時は元気に働ければ良いさ。」 と、自分がそうだったから分かるけど、往々にして現役世代は定年後の生き方について呑気に構えているものだが、実際は定年延長より雇用延長を組織は優先するから、定年後はかなり辛い世界が待ち構えていると肝に命じなければならない。
企業によっては収入が4割以下になり、役員待遇であればそこまでないかも知れないが、普通の人はそれまでの肩書きが全て無くなりただのお人になる。
そのギャップは現役で働いている時にある程度想像ができたとしても、実際にそれを体験すると誰もが愕然とするらしい。
自分の場合、自分でその環境をこさえてしもたから納得も行くけど、何も考えないままその時を迎えると精神的にかなり参ると思います。
厚生年金・共済年金の支給が後に〃ずれて行き、老齢基礎年金さえ現在の65歳からの支給が後にずらされてしまったら、どうやって生活していくのか途方に暮れちまうだろうなあ。
それだけではない。
それまで高い役職に就いていたお方ほど頭の切り替えが出来なくて、ただの人になった意味が分からず、定年後は悠々自適に生活出来ると信じていた妄想が、ガラガラと音を立てて崩れてしまうみたいだよ。
定年後の数ヶ月は旅行に行ったり今までやれなかったことしたりで、それこそ悠々自適の時間を過ごせるらしいが、時が経つに連れてすること無くなって、最後はテレビの番が仕事になるらしい。
既に年金を受け取り生活に不自由しないお方でもそんな現実があるらしいから、まだお若い現役世代の皆さんは、早めに自分の 「定年後」 を見つめたほうが良さそうですよ。
定年が無いってのが一番だけどね。
さあて、お外は雨でバチャバチャ音を立ててるが、新聞でも読んで朝ごはん食べて、職場である橋の下の天然ドックに通勤しましょうかね。
給料は1円も出らんけど。
暑い・・・。
橋の下の天然ドックにお船を移動して橋の影で作業してましたが、お昼近くになると気温がどんどん上がってもうヘロヘロ状態になり、2時で作業を止めちゃった。
予報で湿度が97パーセントと言ってたから、大気中の空気の水分が飽和状態となってて、汗が出ても気化熱奪えない状態で体温が下がらず、体力消耗しちまうんだろうなあ。
それでも昨日はデッキをクレンザーをふりかけてゴシゴシ洗って少しは綺麗になったし、ビルジポンプの取り付けをしてスイッチ押すだけでホースでデッキウオッシュ出来るようにしたし、グラついてたバウレールの取り付けボルトの増し締めも完了したし、暑い中それなりに作業を進めたつもりであります。
帰宅途中に国道の雑草を刈る作業員の方達を作業風景を拝見すると、明らかに自分より高齢な方達ばかりのようだが、この炎天下によく体が持つものだと感心してしまいますなあ。
ということで、特にネタが無いので揚錨について。
先日スズキくんをレンタルしてたお方が、沖の磯場でアンカーロープをプロペラに巻きつけてアタフタしていた。
潮が流れてないし波もなかったので、すぐにはレスキューせずに電話で対応を教えてそのうち上手く外してたが、あとで本人に伺うとかなりショックだったらしい。
自分も数年前、シャフト船の旧せいゆう丸に乗ってた時、うかつにもペラにロープを巻きつけてしまい寒い海の中に潜って外したことあるから良くわかるけど、あんなトラブルすると精神的ショックは大きいものです。
船外機の場合チルト出来るからそれ程慌てることないけど、それでも潮がメチャ速い時には潮の力が優ってチルトが効かずにペラが上がらないことがありますし、これに波が加わると船の後ろから海水がドバドバ入ってきて沈没の恐れさえあります。
そうなると命綱を体に結わえてナイフ片手に海に飛び込みロープを切らなきゃならないが、船に乗るということはそんな羽目に陥る可能性があることをしっかり想定しておかねばなりません。
でもそうなる前にロープをペラに巻き込まないことが一番大事でありまして、その対処法をチョイと書いてみます。
普通イカリを外す時にはアンカーウインチを使いますが、砂地にイカリが掛かってる時にはウインチの力で抜けることが多いけど、磯場に掛けた場合は岩に爪ががっちり掛かってるから、ほとんどの場合エンジンパワーで爪を伸ばして抜錨しなければなりません。
ウインチにはイカリの爪を伸ばすほどの力はありませんし、無理するとモーターのコイルを焼き切る恐れがあります。
よってアイドリングスピードで前進かけて、ウインチに負担かけないようにイカリの真上近くまでお船を近づくまで巻いて、素早く右か左のクリートにロープを結わえて少しパワーを入れて前進すると、ロープが張ってきて次第に掛けた側にお船が曲がろうとします。
ステアリングを反対方向に切って出来るだけ真っ直ぐに進むようにすると、そのうち爪が伸びてイカリが外れ 「フッ!」 と船首が浮き上がります。
そのままほんの少し走ってイカリを海底から少し浮かしてニュートラルにし、ウインチで揚錨すれば万事オッケーであります。
ペラに巻きつけた時の失敗は、ロープを船首のクリートに結わえたうえイカリが外れてもそのまま船を進めたことと想像され、結果アンカーロープが浮き上がり真っ直ぐプロペラに巻き付いたのだと思われます。
抜錨する時には必ず右か左のクリートに結び、錨綱がどういう風に移動しているか同乗者に見てもらう事が大事ですね。
自分は毎日そんなこと繰り返しているから自分一人で操船し、素早く船の前に移動してウインチでイカリを揚げることは訳ないのですが、慣れないうちは同乗者と操船とウインチ作業を分担して行うことが良いと思います。
アクシデントはいつ起こるか分からないので、そんな時心強いのは一人より二人でして、レンタルの場合複数名で利用されることを勧めているのはそんな理由からなんですわ。
今日までギリギリ沖に出られそうでしたが、どうやら北風が強く吹くスパコン予想になってきたみたいなので、堀切峠から観察して風が出てる時にはお休みにしましょうかね。
その時は、あるお方から依頼のあった廃棄したステアリングを探しに、親宅を訪問してみましょう。
自分にはどう見てもスクラップとしか思えない品でも、人によっては思い出の品でどうしても手に入れたいそうですわ。
ああそうだ、暫くお天気良いのに波が高くて沖に出られない日が続きますので、船の整備が終わり次第宮崎港でのキス釣りを再開しようと思います。
暑さを避けるため朝早くから出船して午前中の釣りになるでしょうが、適当にお声掛けさせていただきますのでお暇な方は是非どうぞ。
「波の高さは2.5メートル うねりを伴うでしょう。」
誰でも天気予報のこんな文言を聞かされると、普通海に近づきませんわな。
ましてや船で沖に出て行くなんて考えもしないでしょうが、何故か昨日の日向灘はベタ凪ぎでとても穏やかでありました。
昨日はあらかじめお休みの予定にしてましたが、台風5号が九州にかなり近づく気配なので、今週予定されてたお方に連絡して変更してもろた。
ところが皆さん週明けの病院だったり稲刈りが始まったり等でお忙しそうにありまして、結局お二人さんのご案内になりましたけど。
出港は6時でしたが随分夜明けが遅くなりました。
夏至の頃は4時過ぎには東の空が明るくなってたけど、最近は5時近くにならないと海の様子が判りませんね。
堀切峠から海況を観察すると波長の長いうねりが来てましたがそれ程高さは無く、さほど磯を洗ってる様子もなかったから沖に出ることを決定。
出港準備してると近くの漁船2隻が沖に出て行ってたので、出港の判断に間違いなしとだと思いました。
沖に出てみるとベタ凪ぎで、うねりの波長がメチャ長いので揺れをほとんど感じることなく沖の磯場に到着。
この場所は先日スズキくんに行ってもらって、まだイサキが滞在していたのを確認出来たので直行してみましたが、思惑通りにイサキやメジナがポツリポツリ釣れてました。
イサキのサイズが結構大きくて食べごたえある感じではありましたが、アジも欲しいとのリクエストがあったので大きく移動してアジ釣り場に向かうことに。
昨日は沖も潟も全く潮が動かず、錘は10号もあれば事足りるくらい止まってましたが、中アジがサビキでプルプル釣れたし、天秤仕掛けには数は出ないがサイズの大きなアジが釣れておりました。
それにしてもこんなに潮が動かない夏は初めてであります。
たまにグランブルーの海の色をしてる日もありますが、そんな日でもそのうち緑色の海に戻ったりしてスッキリと上り潮が入ってこないですね。
水温だけは朝のうち27度でお昼過ぎには30度近くまで上昇しますが、相変わらずトビウオもシイラも見かけない変な夏の海であります。
今日から8月に入りましたが、月日が経つのは早いものですね。
ついこの前、キャビンで鍋焼きうどん作って食べて温まってた気がするが、今や頭がクラクラするくらいの猛暑日が続いてます。
多分少なくとも1週間は台風5号の影響を受け続け、沖に出るのは叶わないでしょう。
梅雨時期から凪ぎの日が続き沖に出てばっかりだったので、ようやくお船の手入れが出来そうです。
橋の下の天然ドックが今日からの仕事場になりますが、ひょとすると九州直撃も有り得るので台風対策は万全を期さないといけないなあ。