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せいゆう丸釣行記
ついに台風のシケが日向灘にやって来ました。
一昨日までの穏やかなまったりとしたウネリが昨日の朝にはピッチを短くした尖ったウネリに一変して、激しく磯に襲いかかっておりました。
風も東から結構強めに吹き始めてたので、昨日の沖行きは当然中止といたしました。
依頼を受けたステアリング探しに親宅に行き、それを見つけて港に戻って来たけど、潮がまだ引いたままで橋の影がまだお船の場所まで来てなかったので、防波堤の影を見つけてしばらく心地よい風を感じながら肘枕でグースカピーと寝ちょりました。
何と言う自由人の優雅な時間の使い道でありましょう!
真上の橋を通る自動車の通る音は、出勤時間ということもあってせわしなく行き交うように聞こえ、 「ああ、間に合わない!」 と焦って車を運転して通勤してたサラリーの頃が、ふと懐かしく思い出されたのでありました。
あの頃はそんなものだと何も考えずサラサラ流れて、ただひたすらお休みが来るのを楽しみに待っていた気がするが、こうして自由人になってしまうとその当時の辛さが良く分かるようになりますねえ。
ただし、自由人は良いことずくめではない。
こうして台風にウロチョロされると沖に出られず、修理や整備の仕事は沢山あるけど収入がゼロになる。
自分の場合、普段から金のかからぬ生活を徹底してるから今すぐ困窮することはないけど、それでも家賃や電気代などの光熱費は当たり前に必要だから、できるだけ消耗しないようにやりくりに頭を使わねばならないのです。
会社に普通に通勤してれば自動的に口座に給料やボーナスが振り込まれてたことが当たり前だったけど、今や沖に出なければ収入がまるで無いのが当たり前になっちまった。
でもねえ、いつかは皆さんそんな収入がゼロに近い時が来るみたいよ。
65歳以上が高齢者との今までの定義を、今年の1月5日に日本老年学会とやらが75歳以上に見直すよう提言したことを覚えていらっしゃるでしょうが、あれはまさしく年金受給開始時期を遅らせるための伏線の第一歩であることは疑う余地はありませんよね。
あの手この手で外堀を徐々に埋めていって 「無い袖は振れないのよね。」 と年金を受け取れる時期を後にずらすタイミングを、国は虎視眈々と模索しているのは明らかなのであります。
「いやいや、その時は元気に働ければ良いさ。」 と、自分がそうだったから分かるけど、往々にして現役世代は定年後の生き方について呑気に構えているものだが、実際は定年延長より雇用延長を組織は優先するから、定年後はかなり辛い世界が待ち構えていると肝に命じなければならない。
企業によっては収入が4割以下になり、役員待遇であればそこまでないかも知れないが、普通の人はそれまでの肩書きが全て無くなりただのお人になる。
そのギャップは現役で働いている時にある程度想像ができたとしても、実際にそれを体験すると誰もが愕然とするらしい。
自分の場合、自分でその環境をこさえてしもたから納得も行くけど、何も考えないままその時を迎えると精神的にかなり参ると思います。
厚生年金・共済年金の支給が後に〃ずれて行き、老齢基礎年金さえ現在の65歳からの支給が後にずらされてしまったら、どうやって生活していくのか途方に暮れちまうだろうなあ。
それだけではない。
それまで高い役職に就いていたお方ほど頭の切り替えが出来なくて、ただの人になった意味が分からず、定年後は悠々自適に生活出来ると信じていた妄想が、ガラガラと音を立てて崩れてしまうみたいだよ。
定年後の数ヶ月は旅行に行ったり今までやれなかったことしたりで、それこそ悠々自適の時間を過ごせるらしいが、時が経つに連れてすること無くなって、最後はテレビの番が仕事になるらしい。
既に年金を受け取り生活に不自由しないお方でもそんな現実があるらしいから、まだお若い現役世代の皆さんは、早めに自分の 「定年後」 を見つめたほうが良さそうですよ。
定年が無いってのが一番だけどね。
さあて、お外は雨でバチャバチャ音を立ててるが、新聞でも読んで朝ごはん食べて、職場である橋の下の天然ドックに通勤しましょうかね。
給料は1円も出らんけど。