日経トレンディが主催する「米のヒット甲子園2016」のイベントが、12月11日にイオンモール幕張新都心にて開催された。11月21日の味覚審査会で9銘柄の中から“今一番食べてほしいお米”に選ばれた大賞米を発表し、トークショーと試食会が行われた。

「米のヒット甲子園2016」大賞米発表会とトークショーの後、試食会は12時半、13時半、15時と3回にわけて開催
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 トークショーに登壇したのは、11月21日の味覚審査会で昨年に引き続き審査委員長を務めた川崎恭雄氏(神戸の米穀店「笑顔の米屋いづよね」4代目店主)と、審査委員のフォーリンデブはっしー氏(グルメブロガー)、渡辺和博(日経BPヒット総合研究所上席研究員)の3名。味覚審査会の様子や感想などをそれぞれが語った。

左から日経BPヒット総合研究所上席研究員の渡辺和博、「笑顔の米屋いづよね」店主の川崎恭雄氏、グルメブロガーのフォーリンデブはっしー氏
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 「米のヒット甲子園」の最終審査に進んだ9銘柄は、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」77名が推薦したもの。今年お薦めの新米を3つずつ挙げてもらい、得票数の多かった上位9銘柄である。開口一番、飛び出したのは最終審査にノミネートされたお米はどれもおいしく、大賞米を決めるのに苦労したということ。厳正な審査の結果、今年デビューしたばかりの岩手の新ブランド「銀河のしずく」が大賞米に決まったことが川崎氏から発表された。

 はっしー氏は「みんな無言で、お皿に並んだご飯の匂いをくんくんかいで、目をつぶってゆっくり噛んで審査するんです。笑ってしまうくらいの沈黙。異様な光景をみなさんに見ていただきたかった」と語り、会場の笑いを誘った。

 味覚審査は魚沼産コシヒカリを基準米として、軟らかさと粘りを数値で評価した。味覚審査による味の分類を示したパネルを見ると、「しっかりもっちり」が5銘柄、「しっかりあっさり」と「やわらかもっちり」が2銘柄ずつという結果だった。

 「ご飯の好みには、しっかり派閥と軟らか派閥がありまして、今は『しっかりもっちり』が人気。時代によって流行りがあるので、マイスターのお薦め銘柄もしっかりもっちり系が多かったんだと思います」と川崎氏。パネルを見ると分かるが、大賞米に選ばれた岩手「銀河のしずく」は、しっかりもっちり系の極み。トレンドを象徴する存在といえる。

味覚審査会による味の分類パネルを見せながら9銘柄を紹介
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 「誤解してほしくないのは、トレンドから外れているお米がおいしくないというわけではないこと。どれも本当においしかったです」とはっしー氏。分類パネルでは「銀河のしずく」から一番離れた位置にある岐阜「銀の朏(みかづき)」もかなりの高評価を得ていたことを渡辺氏が明かした。

 「『銀の朏』の品種は『いのちの壱』というんですが、いろいろな大会で優勝しています」(川崎氏)。「粒の大きいのが特徴で、コシヒカリの1.5倍もあります。家庭で出したら、お子さんが喜ぶと思います」(はっしー氏)。