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2015-09-26 21:03:00

中国  2015/09/21(月曜日)
イオンモール北京豊台が開業、ECと差別化図る[商業]

商業施設の運営や開発を手掛けるイオンモール(千葉市美浜区)は19日、北京市豊台区に同市2店舗目となる「イオンモール北京豊台」をオープンした。中国で電子商取引(EC)を利用した消費スタイルが浸透する中、飲食店やアミューズメント施設など非物販部門に注力した店づくりで差別化を図り、年間1,200万人の集客を目指す。

イオンモールが中国で展開する8カ所目の店舗。北京市では2008年開業の「イオンモール北京国際商城」(同市昌平区)に続く出店となった。主要幹線道路の南四環路から南約1キロメートルに立地。中国の大手企業が集まる「総部基地」に近く、5キロ圏内には1980年代以降に生まれた「80後(バーリンホウ)」と呼ばれる20~30代の家族も多いという。

店舗は地上4階・地下2階の延べ床面積約15万平方メートルで、総合スーパー「イオン北京豊台店」を核店舗にファッションやスポーツ用品、玩具などの専門店約180店舗が出店。日系企業では、楽器店の島村楽器(東京都江戸川区)が中国初出店。アパレルメーカーのクロスカンパニー(岡山県岡山市)が展開する主力店「アースミュージック&エコロジー」なども入った。駐車場は約2,000台分を整備した。

この日は午前9時の開店と同時に大勢の客が訪れた。オープニングセレモニーでイオンモールの吉田昭夫社長が「北京豊台は地元で最大、最新のコンセプトモールとしてオープンした。末永く愛されることを期待している」と中国語であいさつした。

■非物販を充実

中国では近年、EC最大手の阿里巴巴集団(浙江省杭州市、アリババ)などが台頭し、スマートフォンなどで注文した商品を配送してもらう消費スタイルが市民の間で急速に普及している。そんなECとの差別化を図り、消費者に足を運んでもらうため、非物販部門を充実させた。

具体的には、4階の約9,000平方メートルに飲食店35店によるレストランパークを開設。中国各地の料理を味わえる「チャイニーズダイニング」、日本食の店舗を集めた「ジャパニーズダイニング」、開放感あるテラス席で食事を楽しめる「テラスダイニング」の3つのゾーンをつくった。シネマコンプレックスも隣接する。

吉田社長は19日の会見で、「中国人は日本人と比べて外食の比率が高く、食べることを重視する。イオンモール北京豊台に行けば、さまざまな料理を食べることができるシチュエーションをつくった」と狙いを説明した。

さらに、主要客層である家族連れ向けに、幼児や小学生を対象としたアミューズメントパークを3階で営業。2階にはスポーツジムを設け、近隣オフィスに勤める会社員の利用を見込む。北京豊台ではこうした非物販関係の売り場面積が全体の半分程度を占め、日本の店舗よりも2割ほど広いという。

イオンモールは中国で現在、北京市2店舗のほか、天津市で3店舗、江蘇省蘇州市に2店舗、湖北省武漢市で1店舗の計8店舗を展開。15年度中に広州市、杭州市、蘇州市、武漢市でそれぞれ1店舗の開業を計画している。