インフォメーション

2015-09-03 16:34:00

タイ  2015/08/31(月曜日)
ラーメン幸楽苑が新業態店、イメージの一新図る[商業]

ラーメン店チェーンを展開する幸楽苑ホールディングスは28日、タイで新しいタイプの店舗「ネオ幸楽苑」の1号店を開店した。投資額は1,200万バーツ(約4,000万円)。日本風のモダンアートを取り入れたカフェ風の店舗で、従来のイメージを一新する。タイ国内でラーメン店の競争が激化し認知度が伸び悩む中、新店舗の展開で巻き返しを図る。

 



「ターゲットは100%タイ人」――。現地法人、幸楽苑(タイランド)の新井田昇・最高経営責任者(CEO)はそう語る。新店舗を開店したバンコク北郊ノンタブリ県バンヤイの大型商業施設「セントラル・ウエストゲート」は、バンコク中心部から車で40分ほど。観光客の姿は少なく、地元客でにぎわいを見せる。新井田氏は「タイのマーケットは若者が多くて元気のある印象」と述べ、今後は日本人だけでなく、地元の若者をターゲットに店舗を拡大する方針を示した。

■月間売上200万バーツ見込む

新店舗のデザインは、デザイン家具販売のリグナ(東京都中央区)が手掛けた。落ち着いた照明の下、モダンな造りの椅子やテーブルが並ぶ。席数は70席。新店舗の開店を記念し、タイで新たに販売を開始した豚骨しょうゆベースの「司らーめん」を目玉商品の一つにする。新店舗は月間約200万バーツの売り上げを見込む。

幸楽苑(タイランド)は、2012年に初の海外店をバンコク・エカマイ地区に開店してから4店舗を展開。各店舗に1日当たり350~400人が来店する一方で、昨年6月にはバンコク東部の商業施設「ザ・モール・バンカピ」に出店していた店舗の採算が取れず閉店。新井田氏は「ターゲットを見誤り、売り上げが伸び悩んだ」と説明する。

タイのラーメン市場では、ハチバン(石川県金沢市)が展開する「8番らーめん」が100店以上とダントツの出店数を誇るほか、日本のラーメン店が続々と進出。競争が激化している中で、新店舗の形態がタイで受け入れられれば、既存店舗の改装も視野に入れる。

まずはブランドの定着を最優先に、全体では向こう3年で30店舗、中期的には100店舗の展開を目指す方針。ネオ幸楽苑としては、10月に東部チョンブリ県シラチャーに2号店をオープンする予定だ。店舗の拡充に加え、フェイスブックページを立ち上げて割引キャンペーンをアピールするなど、今後はオンライン上の販売戦略にも注力していく。

幸楽苑(タイランド)は11年9月設立。14年度の売上高は6,222万バーツだった。15年度は前年度比31%増の8,152万バーツを目指す。