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2015-05-28 11:00:00

香港  2015/05/26(火曜日)
牛肉密輸の取り締まり強化、本土側検問所で[食品]

香港に接する中国本土の出入境検問所で、牛肉の密輸に関する取り締まりが強化されているもようだ。このうち福田検問所では23日、1日で300人近い密輸者が摘発され、総額約600万HKドル(約9,415万円)分の高級牛肉が押収されたという。24日付蘋果日報が伝えた。

福田検問所では本土への入境者から摘発に対する不満の声が相次ぎ、自動小銃を持つ武装警察が検問所に立つ事態に発展したという。押収を恐れた30人近い密輸者は検問所から逃亡したとされる。

業界団体である香港餐飲業協会の黄家和(サイモン・ウォン)会長によると、本土政府が肉類に対する輸入を厳しくしているほか、本土の反腐敗運動「倹約令」も今回の取り締まり強化の背景にある。香港の一部輸入食品業者は香港で売れ残った大量の肉類をさばくため、市民らを多く雇ってハンドキャリーで未許可の肉類を本土に運んで売っているという。

本土では日本の和牛をはじめ海外産高級牛肉の引き合いが高まっている。しかし、当局が輸入を規制していることもあって、ハンドキャリーなどで本土に密輸する動きが早くからあったとされる。本土当局によると、今年1~4月に香港から本土に運ぼうとして摘発した冷凍の肉類・海産物は55万300トンで、昨年通年の55万800トンにほぼ並んだ。1トンの肉を本土に運ぶと2万~3万人民元(約39万~59万円)の利益が得られるという。

一部の検問所では今月中旬から冷凍品を探す赤外線システムを導入した。本土側は密輸を強く問題視しており、今後さらに取り締まりが強まる可能性もありそうだ。<香港>