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2015-05-22 13:54:00

マレーシア  2015/05/18(月曜日)
広島の30社が物産展、ハラルセミナーも受講[経済]

広島県は14日から首都圏クランバレーにあるイオンマレーシアの2店舗で物産展を開催している。食品メーカーを中心に同県企業30社が自社製品を売り込んでいるほか、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)市場への参入を見込み、ハラル開発公社(HDC)でのセミナー受講や市場調査も実施する。

 



広島県の企業がイオンマレーシアで物産展を開催するのは今回が4回目となる。今回は30社のうち8社が初参加。販売品目は約160品目。参加企業数、販売品目ともに前回より増加している。

広島県商工労働局海外ビジネス課の船石博義主査によると、マレーシアはハラル市場への足がかりとして注目が高まっている反面、ハラルの意味や認証取得に何が必要かといった具体的な事項が分かりにくい。そのためマレーシア投資開発庁(MIDA)と提携してHDCセミナーの受講や、進出企業との意見交換、市場調査の実施を決めた。

ラーメンなどの麺類を生産・販売するクラタ食品(広島県福山市)の倉田安彦代表取締役は「HDCでのセミナーを通じ、ハラル認証を取得できる製品を自社生産するのは難しいと感じている」と説明。特に麺や調味料の保存期間を延ばすアルコールが使えないことの影響が大きいという。このため今後は、現地でハラルの即席麺を生産している企業と提携し、生麺の生産技術を提供してOEM(相手先ブランドによる生産)を検討していきたい考えという。

同社は今回、肉エキスの使用規制が強まった米国向けに開発した、肉類を一切使用していない「ミートフリー」のラーメンを中心に販売、試食も提供した。しょうゆなどにアルコールは含まれているものの、魚を原料にとんこつや塩ラーメンの味を再現している。倉田代表取締役は「今後は原材料を全て野菜由来に換えたベジタリアンラーメンを開発していくことも考えている」と話した。

■食べ方の提案に焦点

船石主査によると、マレーシアでの物産展は4回目となることから、今回はオープニングセレモニーのようなイベントは控え、商品の販促に力を入れている。マレーシアでは、香港や台湾など他のアジア地域に比べると日本食の浸透がまだ進んでいない。このため、商品ごとに食べ方や調味料の使用方法などを説明を掲示した。日本食になじみのない消費者にも手にとってもらえるよう工夫している。

今回初参加した三幸産業(広島市)は、日本食に使われるだしを紹介。みそ汁やうどん、おでんといった日本料理への使用を提案した。海外事業部の山田直哉次長は、「日本国内ではほとんどが食品メーカー向けのOEMだが、海外での自社製品の販売拡大を目指して参加した」と説明。「中華料理のワンタンや水ギョーザのだしなどとしても提案していきたい」と抱負を語った。

同社の製品によるだしを試飲した20代の男性客は「日本食は大好き。だしの風味がとても気に入った」と話した。

物産展は27日まで14日間の日程でイオンマレーシアのミッドバレー店(クアラルンプール)とワンウタマ店(スランゴール州)で開催している。