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(2015年1月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
スティーブ・イースターブルック氏が3月にマクドナルドの最高経営責任者(CEO)に就任する時、英ワトフォード・グラマースクール出身の同氏は、創業60年の歴史上、最大級の難題に直面する会社を引き継ぐことになる。
イースターブルック氏は競争心が強い。イングランド北部の大学に通っていた時には、後にイングランド代表チームを率いることになるナセル・フセインが主将を務めるチームのクリケット選手だった。
だが、時価総額870億ドル規模の会社を立て直すことは、全く別の戦いだ。48歳のイースターブルック氏は、何年も続く売上高の伸び悩みと、旗艦商品「ビッグマック」に代わる、より健康的な食べ物を選ぶようになった消費者に直面している企業を引き継ぐ。
1月28日、イースターブルック氏がドン・トンプソン氏の後継CEOになると発表した時、マクドナルドは米国事業について「厳しく、周到な評価」を行っており、数は未定だが人員削減が実施されることも明らかにした。「我々は、業績を改善し、顧客重視の姿勢を強めるために、切迫感を持って動いている」と同社は述べた。
1993年にプライスウォーターハウスクーパース(PwC)から会計士としてマクドナルドに入社したイースターブルック氏は、船の傾きを正すために迅速に動く必要がある。
マクドナルドの英国事業を立て直した実績
同氏がCEOに選ばれた1つの理由は、英国で経営を立て直した経験があるためかもしれない。2006年にマクドナルド英国法人のCEOに就いた時、英国事業は、マクドナルドの食べ物は体に悪く、「マックジョブ」に就いている低賃金労働者から搾取しているという世間の認識と戦っていた。
イースターブルック氏は、より清潔に見えるように店舗を改装し、否定的な認識と戦うマーケティングキャンペーンを展開し、新たな実習制度を導入するといった活動を通じて、英国事業の改革に取り組んだ。
英国トップに就いてわずか1カ月後には、穏やかな話し方をするイースターブルック氏が反ファストフードのベストセラー『Fast Food Nation(邦訳:ファストフードが世界を食いつくす)』の著者、エリック・シュローサー氏と討論するためにテレビ番組「ニューズナイト」に出演して、世間を驚かせた。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42811