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2014-07-09 17:01:00
2014 年 6 月 30 日 16:07 JST

 

王林市で動物愛護家の女性(右)に400元(約6500円)で犬を売る業者 Agence France-Presse/Getty Images

 動物愛護団体は中国の広西チワン族自治区王林市で毎年実施される「犬食い祭り」をやめさせることはできなかったが、犬肉価格を大きくつり上げることには成功したようだ。一方、愛護団体の抗議で「犬食い祭り」の知名度が上がった結果、犬肉を食べる人が増えたという皮肉な現象も生じたようだ。

 中国メディアによると、調理済み犬肉の価格は21日時点で1キログラム(kg)当たり50元(約815円)まで急上昇。北京晨報によると、これは過去最高の価格だという。

 チャイナ・リアル・タイム(CRT)は犬肉価格が本当に過去最高値をつけたかどうか確認できなかったが、地元民の一人は動物愛護団体の反対運動で犬食い祭りへの注目度が高まった結果、価格が昨年からほぼ2倍になったと語った。

 地元に住むNingさんは「去年は犬の生肉を(1kg当たり)26元で購入したが、今年は40元も払った」と述べた。「愛犬家が無料で王林市を宣伝してくれる。(おかげで)多くの人が(犬肉を)食べに訪れ、私たちも多くのカネを払わなくてはならなくなった」と言う。

 王林市の「ライチ犬食い祭り」は毎年、夏至に当たる6月21日に開催され、犬肉の鍋とライチ、グレインアルコールを味わおうと大勢の人が詰めかける。今年は有名な役者やポップスターを含む内外の動物愛護活動家から厳しい批判を浴びた。地元メディアによると、活動家は祭りの前日に王林市になだれ込んで行商人らを追跡し、暴力沙汰が起きた結果、厳しい警戒体制が取られた。

 王林市政府のLiang Shasha 氏はCRTに対し、今年は保健当局の検査が厳しくて犬の供給が少なかったと話した。同氏によると、活動家らの嫌がらせで店を閉めた飲食店も出たという。

 Liang氏は「今年は混乱やトラブルを避けるため自宅で(犬肉を)食べた人が多い」と話した上で、「その夜に市場に行ったら、多くの店が持ち帰りを勧めていた」と述べた。

 Ningさんは「今年は市外の人も含め、多くの人が訪れた。昨年は他からやってくる人はそんなに多くなかった。彼らは祭りがどんなものか見に来て、犬肉を食べてみようとしたようだ」と語った。