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2014-05-21 13:15:00

Rabobank社のレポートによると、中国では牛肉への需要が増え続ける一方、国内の飼養頭数は減少の一途をたどり、供給ギャップを埋めるために牛肉の輸入を増やす必要に迫られているという。今後5年間で毎年15~20%の輸入増が必要になると予想している。

2004年以降、中国の肉牛飼養頭数は減少し続けている。他の家畜生産と比較して多額の資金が必要なこと、生産と資金回収のサイクルが長いことや労働力の不足など、政策面以外にもさまざま要因があり、事業拡大に取り組む生産者は少ない。このため、牛肉価格は2004年以降5倍以上も値上がりし、主要な牛肉生産国と比較して競争力をなくしている。

中国政府は2013年9月、牛肉とラム肉の生産を奨励するための指針「Guideline for Beef Industry Development Towards 2020」を発表。金融策での技術的サポートを通して牛と羊の飼養頭数を増やし、630万トンの牛肉生産量を2014年に717万トン、2020年には786万トンまで増産することを目標に掲げ、河南、河北、山東の3地域で生産基盤の拡張を図っている。

レポートによると、中国政府が牛肉生産への支援を国家レベルで行うのは初めてだが、豚肉や家禽肉への補助金と比べて支援額は非常に少なく、肉牛生産の再構築が効果的に進むかどうか不明確だとし、国産牛肉の供給量がわずかに回復したとしても、引き続き輸入依存は増え続けると報告している。

中国の2013年の牛肉輸入量は29万7000トンに達しているが、同レポートではいわゆる「グレー・チャネル」を通してより多くの輸入品が流入、合計輸入量は2018年までに170万トンに達し、総供給量の20%を占めるようになると予測。近い将来、中国は世界の牛肉貿易の重要な陸揚げ地になるとし、2003年のBSE発生から輸入停止が続いている米国産牛肉について、2014年のどこかの時点で輸入を再開するかも知れないと報告している。

 

※2014年4月28日 Cattletradercenter.com