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2014-03-15 23:37:00

日本貿易振興機構(ジェトロ)は10日、日系の食品関連業者に影響が出ている加工食品の輸入規制問題について、飲食店や食材店、食品メーカー、商社など日本の関係者約20人と首都デリーで意見交換会を開いた。インドで日本の政府関係者と食品業者が一堂に会して意見を交換するのは今回が初めて。

ジェトロが日本の農林水産省、在インド日本大使館と共催した。インド政府が施行した新たな食品安全基準法で各国が問題視しているラベル表示規制について、在インド日本大使館の関係者が概要や取り組みを説明した。

インド政府は2011年8月、既存の「食品安全基準法2006年」に基づいて8つに分かれていた食品安全に関する規制を廃止し、新たな食品安全基準法を施行。これまで認められていた英語の成分表示によるステッカーの貼り付けが事実上禁止され、製造段階からオリジナルのラベル表記を直接容器に記載することが求められている。

この取り決めに対し、参加者からは「企業単位では対応できない」との声が挙がった。日本政府がインド政府に改善を要請する必要性を指摘し、在インド日本大使館も「引き続き状況の好転に向けた取り組みを強化していく」と話した。一方、インド政府の基準に沿った形で商品の輸入や準備に入っている食品業者もおり、「せっかく規制に対応してもその後に食品安全基準法の運用がうやむやになっては困る」との声も聞かれた。

日本政府は、2014年度(14年4月~15年3月)予算案で、インド政府の食品表示規制に対応が必要な業者に対して支援できるよう新たに支援枠を設置。食品関連業者の負担を軽減する狙いだ。世界貿易機関(WTO)が18~19日に開催する貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)の会合でも、欧州連合(EU)などと連携してインド政府に状況の改善を働きかける。

在インド日本大使館の関係者は「WTO加盟国は必要以上に貿易の条件を厳しくしないという取り決めがある」と話す。国際舞台で各国の輸入業者が置かれている状況を説明し、現状打破につなげたい考えだ。