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2013-12-23 10:02:00

インド  2013年12月16日(月曜日)
農水省、「オイシイ・ジャパン」第2弾を開催:印政府、企業上層部に和食売り込む[食品]

日本の農林水産省は14日、日本食の普及イベント「エンジョイ・ワショク・レセプション(和食を楽しむ会)」をデリー市内のホテルで開催した。同イベントは、農水省が主導し、日本の食材や食文化を輸出産業として海外市場に売り込む「オイシイ・ジャパン」事業の一環となる。

在インド大使館の塚田玉樹公使は開会のあいさつで、4日にユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に「和食 日本の伝統的な食文化」の登録が決定したことに触れ、「日本食を誇りに思う。インドではまだ日本食を楽しめる場所は限られているが、この価値を広めていきたい」と述べた。続いて、日印経済協力委員会のロヒット・リラン共同委員長は「日本食の大ファンだ。ベジタリアンへの理解も進み、この5年でデリー首都圏地域(NCR)では日本食が身近になった」と語った。

農水省は、今年度(2013年4月~14年3月)はシンガポールやパリ、ワルシャワ(ポーランド)を含む世界80カ所で同様のイベントを実施している。インドでは10月17日~来年1月19日の約3カ月にわたって、主にデリーとムンバイ(西部マハラシュトラ州)で展開する。

同期間中は3つのイベントが用意され、第1弾として10月にインドの料理学校の生徒を対象に、すしの実習授業を行った。今回は第2弾となり、インドの政府関係者やサービス業の企業幹部らを招き、政策や経営レベルでの賛同を促すのが狙い。

同省の櫻庭英悦・大臣官房審議官はNNAに対し、「日本の食材や和食のほかに、加工食品や機能性スポーツドリンク、菓子などにも商機がある」と語り、既に海外市場に広東料理(中国)向けの加工ホタテ、フランス料理向けの柚子こしょうなどを日本から輸出している実績を挙げた。

■アジア地域の食市場急伸

今回のイベントは、同省の2012年度補助事業枠で運営している。「インドには約1億円を振り向けた」(同省食料産業局)。インドは人口増加に伴い、生活に密着した食品関連市場の拡大も見込まれる。食の交流を推進し、将来的にはインドで生産から加工、流通までの流れを構築していく考えだ。



第3弾は、来年1月にムンバイで開催される日本見本市「クール・ジャパン・フェスティバル」でのイベントとなり、現地の一般消費者に対し日本の食文化を紹介する。

農水省は、世界の「食」の市場規模が2009年の340兆円から20年には680兆円に倍増すると予想し、インドを含むアジア地域は3倍のペースで伸びるとみている。