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2013-10-04 17:18:00

シンガポール  2013年10月4日(金曜日)
日系ラーメン店、FC見本市で提携先模索[経済]

フランチャイズやライセンスに関する展示会「フランチャイジング・アンド・ライセンシング(FL)アジア2013」が3日、マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)で開幕した。今年で8年目を迎える展示会には日本を含む20カ国・地域から約150社・団体が出展。日系ではラーメン店を展開するウィズリンク(広島市)や、東京で毎年開かれている展示会フランチャイズ・ショーを主催する日本経済新聞社などが参加した。

 

 



ウィズリンクは昨年11月に海外1号店となるラーメン店「ばり馬」を繁華街オーチャード地区の商業施設に開業した。1号店は直営店だが、年内をめどにマレーシア・クアラルンプールにフランチャイズ(FC)形態で進出する予定。タングリング店店長を務める江口順爾氏はNNAに対して「海外でのFC出店はクアラルンプール店が初。今後シンガポール以外のアジア地域ではFC展開を加速させたいと考えており、今回出展した」と話す。

FLアジア初日には、すでに多くの飲食関連業者などが同社ブースを訪れており関心の高さがうかがえた。「5割はシンガポール人、2割がマレーシア人、1割はオーストラリア人」(江口氏)という。

ウィズリンクは、日本ではばり馬を含む4ブランドでFC62店を展開。このうちばり馬は42店に上り、FC事業で豊富な実績を持つ。同社のFCは、冷凍スープを店舗で解凍するなどほとんど仕込みをせずに出せるのが特徴の一つ。日本で作ったスープはこれまで厳しい輸出入規制の関係で海外への出荷が難しかったが、先ごろ輸出しやすいよう改良したスープが完成。これを機に海外でのFC展開に弾みをつける。このほかFC事業には、▽店内で製麺する▽日本製のたまりじょうゆを使う▽店舗設計・内装はウィズリンクのデザイナーが担当する▽現地需要にあったメニュー作りを支援する▽日本式の接客研修を施す――ことが含まれる。

日本と同様に海外でもFC化を推進できるビジネスモデルと考えており、将来的にはマレーシアのほかインドネシア、タイ、ベトナムでFC店を出店する計画。ばり馬は「濃厚とんこつしょうゆラーメン」を売りにしており非ハラル(イスラム教徒向け)だが、マレーシアやインドネシアなどのイスラム圏でも中華系を中心に本場の味を求める消費者の潜在的需要は大きく商機があるとみている。

シンガポールでは12月に中心部ノベナに国内2番目の直営店をオープン予定。2016年には東南アジアで30店の出店を目指す。域内各国でほぼ同じ出店数を見込む。

■東京FCショーに誘致



東京で毎年開かれているフランチャイズ・ショーを主催する日本経済新聞社は、今回初めて出展した。同社文化事業局の長谷川研二プロデューサーによると、フランチャイズ・ショーでは過去数年で海外から参加する出展者や、海外でFC展開を目指す日本の業者の参加が増えている。FLアジアへの出展でフランチャイズ・ショーの知名度向上を図り、将来的には域内業者の集客・出展誘致につなげる狙いだ。

FLアジアの会場では、インドネシアやマレーシアといった日本市場に関心のある域内の飲食店や教育サービス業者などから照会が寄せられた。

3月に開かれた今年のフランチャイズ・ショーでは、過去30年近い歴史の中で初めて海外マッチング・相談コーナーを設けた。飲食業を中心に日本への参入を狙う海外の企業が増加していることから、フランチャイズ・ショーの来場者(約3万人)に占める外国人の比率を現在の1%(300~400人)から2倍の2%に引き上げたい考え。将来は同社が窓口となり、日系企業が海外の展示会・見本市に出展するのを後押しする役割も果たしたいという。

FLアジアは5日まで開催。飲食やファッション、美容・スパ、教育、医療、高齢者ケアといった業者・団体が参加した。出展者全体の66%をシンガポール企業が占めており、残りはマレーシア、米国、韓国、オーストラリアなどの企業。シンガポール、マレーシア、韓国、米国は国別のパビリオンを開設している。